君とデザート

屋上のとあるところ。
校舎からは陰になっている部分。
校庭からしても誰もいないので見られる心配はないその場でリリムと人間がいた。
というかオレとフィオナだ。
互いに荒い息を吐いて。
普段よりもずっと熱い体を擦り合わせて。
腕をまわし、服の下へ忍ばせ摩り。
互いの服を脱がせあう。
「んん♪…ちゅ、ふ、ぁあっ♪ユウ、タぁ♪」
脱がしつつもキスすることはやめない。
というか、この間すらも惜しい。
こうして服を着ていることはとても魅力的。
フィオナがどんな服を着ていようと元が元なために似合わないことはない。
おしゃれしたフィオナの姿を見るのはいいことだがそれでも。
行為の前にはやはり邪魔になる。
これなら普段から着ている前面を大きく肌蹴たあの服のほうがマシなのだがそれはオレが禁じている。
野外であれはなし。
魅力的で淫靡である分、皆が皆注目する。
だからなんか…嫌なんだ。
フィオナのそういう姿を回りに見せつけるのは。
そういうのは…その、独り占めしたいというか。
自分自身独占欲が強いということを嫌でも自覚させられる。
オレもまた我侭なのかもしれない。
先ほどの果物のせいで体が興奮状態から冷めない。
本能が理性を押しのけ、望むままに交わろうと欲望が滾る。
この媚熱の治め方をオレもフィオナも知っているし。
本能もちゃんと理解している。
だからこそ獣の如く交わりたいと思ってしまう。
それでも。
極力優しく。
できる限り、丁寧に。
フィオナを傷つけないように注意して。
以前のように暴走せずに、わきまえて。
フィオナの服を脱がした。
ここまで自分を抑えられるということはあの果実は媚薬効果が弱いほうなのかもしれない。
普通なら理性なんて飛ばしてすぐに襲い掛かってしまうのだが。
どうやらフィオナもそこらへんは考えてくれているらしい。
そう思ったときにはオレは学ラン、およびYシャツのボタン、既にベルトまでが外されていた。
手際が良くなってるな。
そりゃ学生服姿で襲われる事だって多多あったからか。
学校帰りの買出しとか。
帰ってからすぐとか。
…思えばフィオナが来てから毎日してるんだっけ。
淫魔であり、サキュバスの最高位、魔王の娘のリリムであるんだ。
フィオナにとって体を重ねることは食事でもある。
それでも。
リリムとサキュバスとまだまだ性欲お盛んな学生。
そんな三人が一つ屋根の下だ、体を重ねないほうが無理だろう。
実際夏休みなんて何日ぶっ続けでしたのか覚えてないくらいだ。
何も言わずに部屋の前に食事が置かれているのを見たときは…頭を抱えた。
しかもそれが明らかにお父さんの手によるものだったし。
ひっそりと食事の横に精力剤まで置かれてたし。
容認して何も言わずにいてくれるのは嬉しいんだけど…。
そんなことを考えながらも手を動かす。
フィオナのつけていた下着を脱がし、その柔らかなふくらみに手を添えた。
「んんっ♪」
くぐもった甘い声を漏らしながらも応えるように抱きしめてくれる。
むしろもっとして欲しいとねだるように。
オレからも応えるように手に力を入れてその胸を揉みしだく。
既に硬くなった先端へは指でなぞるようにして刺激する。
これでも手先指先は器用なんだ、経験さえ積めば応用だって利かせられる。
人差し指と中指で挟みながらも他の指は動かすのをやめない。
また飽きられることないように刺激を変則的に変えていく。
それにしても柔らかいな。
何度も揉んできているのだがやはりそう思ってしまう。
手のひらから伝わるじんわりとした媚熱。
そして感じる柔軟な感触。
「フィオナの胸って大きいし形はいいし、その上綺麗だよな」
「んっ、本当?」
「本当だよ。思ったことまんまだって」
「私も最近大きくなってきたと思うの」
「へぇ」
「きっと誰かさんが揉んだり吸ったりしてるからね♪」
「…」
「好きなのよね、ユウタは♪」
「…………」
…あやかの前で言ったら絶対に怒られるな。
なんてことを考えているとフィオナがオレの体に手を置いた。
そのまま誘うように、惑わすように撫でまわす。
フィオナはこういうものが好きなんだよな。
互いに肌が触れ合うこととか、抱きしめあうこととか。
基本的にべったりくっつくことを好んでる。
人前では極力抑えてもらいたいものだが…まぁ、嫌な気持ちはしない。
すりすりと頬を摺り寄せ、そのままオレのズボンに手を掛けた。
「…早くない?」
普段もこうだけどなんというか…あれだ。
落ち着きがないというか。
本能全開になっているというか。
「だって、早くしたいんだもん」
「…」
それはこちらとしても嬉しい。
時間も限られている分、早く繋がりたいと思っている。
それに体のほうも同じ。
湧き上がる情欲が体を突き動かしている。
もどかしい快楽ではなくて。
おぼろげな快感ではな
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