「こうやってーこうじゃ!」
「「「「「こうやってー、こうですかぁ?」」」」」
「ちがーう!こうやってこうやってこうじゃー!!」
「「「「「こうやってこうやってこうですかー?」」」」」
「違うと言うておろうに!!」
…うん、ここは何処だ?
なんだかとても犯罪的な場所に出たぞ…。
薄暗い洞窟を抜けてきたその場所は広い部屋のような場所だった。
うちの学校の体育館よりも広いかもしれない。
そんな広い場所で、こんな人もいない洞窟の奥でオレこと黒崎ゆうたは岩場に身を潜めて様子を伺っていた。
あーうん、何の様子かって言うとね…あー…その犯罪的なんだけど…。
小さいまだ幼い女の子達がね50人ぐらいでねお尻を振ってたんだ。
まるで踊るかのように左右にフリフリとね。
しかもその女の子達全員魔女みたいな格好してるし。
とんがり帽子に骸骨の付いたステッキだぜ?
ハロウィンでもやるのかよ?
さらにおかしいのはその魔女娘達の前にあるステージらしきものの上でさっきっから大声上げてる女の子。
あの服水着じゃね?
つか、あんな水着なくね?マイクロビキニみたいじゃねーか。
あんな布の面積少なすぎて紐巻いてるような服を着ている。
まぁそこはおいておこう。どうでもいいので(どうでもよくないが)。
その女の子頭から角生やしてた…。
茶色い髪の毛の間から二本の角。
ヤギみたいな角だった。
まるでツインテール。
他にも手足はなんか茶色いモフモフしてそうな毛に覆われてるし。
しゃべり方がなんか古風だし。やたら偉そうだし。
自分の身長よりも大きな鎌持ってるし。危ないなおい…。
さっきっから大声上げて魔女娘達に指示出してるところからおそらくあの子がこの集団のトップらしい。
まったく…オレはいったいどんな所へ来たんだよ。
あの変な光に包まれたかと思えば洞窟内に来て。
進んでくればこんな女の子達が踊ってる場所に出て。
どんな異次元ワールドだよ。
女の子達は一心不乱に踊りまくり。何を頑張っているのやら…。
あ、ああ、そういうことか…。
あの子達はきっとお遊戯会のためのダンスの練習をしているんだな。
こんな薄暗い洞窟内でするのはどうかと思うが、一生懸命頑張ってるところを見ると応援してやりたくなるな。
いや、最近の女の子達は頑張り屋さんでいいことだ。
…変なコスプレしなきゃもっと良かったんだが。
あ、あのコスチュームもお遊戯会のための衣装か。
それなら納得。
…一番前にいるあの子のはどうかと思うけど。
微笑ましく思い岩場の陰から抜けここを出ようと移動する。
邪魔しちゃ悪いしな。
こんな変なところからも抜け出したいし。
「ここをこうしてこうしてこうじゃー!!」
「「「「「ここをこうしてこうしてこうですかー?」」」」」
「だーかーらー!違うと言うておるじゃろうが!―そして、さっきからずっとそこで見ておるぬしはなにものじゃぁぁ!?」
「「「「「え?」」」」」
その声で一斉に50人くらいの魔女娘達が振り返った。
「え?何!?誰かいたのか!?」
つられてオレも振り返る。
「ぬしのことじゃぁぁぁぁ!!」
「あ、オレか。」
誤魔化せなかった。
そうか、一番前で踊っていたあの子にはオレのほうが見えてたか。
あの子だけ魔女娘の手本となるべく指示出してこっち見てたし。見えて当たり前か。
「ダンスお疲れ。じゃ。」
右手を上げて挨拶の仕草をとり、来た道を戻ろうとする。
なんか空気が危ない気がするし。
かつて空手の師匠と対峙したときに感じたピリピリした空気というか。
生物的本能が告げる危険信号とか。
そんなものを感じながらオレはそそくさとその場をあとにしようとするが。
「逃がさんわ!!」
角を生やした女の子が鎌の柄で地面を叩いた。
乾いた、硬いものがぶつかり合う音が響く。
瞬間―
「っ!?」
足が動かなくなった。
まるで地面に縫い付けられたかのように。
動かそうとしても動かせない。
おいおい…いったい何だよこれは!?
何が起きてるんだよ!?
「クソっ!」
動かなくなった足に手をかけ、引っ張ろうとしたそのとき。
目の前に女の子が現れた。
無から有が生まれるかのように。
何も無い空間からまるで瞬間移動したかのように。
「!」
「ふん!このわしから、バフォメットのヘレナ・ファーガスから逃げ切れると思うたか!?」
この娘、遠目で見てたからよくわからなかったがここまで近くで見ると…。
…ちっこいなぁ。
小学生レベルじゃねえか。
「おい、聞いておるのか、ぬし。」
「あん?何だよ。」
「わしらのダンスを覗き見おって。何者じゃ!」
「何者じゃって…。」
ここは正直に自己紹介したほうがいいのかな?
でもこんなガキにへりくだるのはなんか情けないし…。
てか、こいつなんかやたらと偉そうにしてるし。
顔も威厳があるというか…いや、ただ単
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