「さてと、、、んん!それではウォーミングアップはこれで終わりです!
ついに!いよいよ!本番行きますよ!」
ボンは手を組んで上にウンッとひとつ伸びをすると、元気よく高らかにそう言った。
「え?今のがウォーミングアップなのか?、、、かなり上手いと思うけどなぁ」
リーは自分とボンの首に巻かれた黒くて長い見事なマフラーを見ながらそう呟いた。
「、、、、、」
キョトーン
「ん?、、、どうかしたのか?」
ボンは突然動きをぱたっと止めて振り返り、リーの顔をマジマジと見つめ始めた。
突然のことにリー思わず時間を忘れて、ボンの顔をマジマジと見つめてしまう。
そんな時間が10秒ほど続いた後、、
「なんやぁ!自分えらく素直やないかぁ♪」
ボンが嬉しそうに言った。
「、、、は!?」
そのボンの言葉で、リーは自分がボンを誉めていたことに気がついてしまった。
「そないに素直に褒められると、、、むっちゃ嬉しいやないか
#9829;まぁウチは!料理も編み物も勉強も歌もゲームもぜーんぶ天才的な腕前やからな!褒め称えられるのには慣れっこなんやけどな!
別に嬉しくもなんともないんやけどな
#9829;」
キャッキャッ
#8252;
(めっちゃ嬉しいやん!って言ってただろ!)
ボンに楽しそうにからかうようにそう言われて、ボンを褒めていたことに気がついたリーは、なんだか急に気恥ずかしさと背徳感に襲われて黙りこんだままあたふたしてしまう。
「と言うわけで次に作る拘束具はセーターや!しかも淫紋にあんさんの名前を入れた超悪魔的な拘束具や!
どやどや?恐ろしいやろ!?作るでー!あっという間に編み上げてしまうでー!!!」
カチャカチャ
「あ、、、」
「もーんすたー♪もーんすたー♪もんもんもんもんもーんすたー♪」
パタパタパタ
カチャカチャ
ボンは再び足をパタパタ動かし鼻唄を唄いながら楽しそうに編み物を始めてしまった。
その手つきは相変わらず鮮やかでとても素晴らしいものだった。リーは先程まで気恥ずかしさ襲われていたのにも関わらず、その手つきに見蕩れて思わず惚れ惚れしてしまう。それほどに見事なものだった。
そしてボンが編み物を始めてから、30分ほどたった頃だった。
「さーて!完成しました!、、、いやーん!相変わらず惚れ惚れしてしまう出来やん!めっちゃ可愛く出来たやん!」
「、、、、、」
ボンがあっという間に編み上げた黒いセーターには胸の部分にピンク色の毛糸で大きなハートマークとリーとボンの名前を入れ込んだ、男のリーでは少々恥ずかしいと思ってしまうが、とても可愛らしい素敵なものだった。
「とゆーわけで!、、、この悪魔的拘束具!早速着けてもらうでぇ!」
セーターを手にもったまま、ニヤニヤと悪い笑顔を浮かべながらボンはリーに密着してきた。
不意に感じる小悪魔娘の魔性の温もりにドキドキしながらも、リーは言葉だけの抵抗を続けた。
「や、やめろ!」
「いーや!やめへん!観念せぇや!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
「ほーら!ぴったりやん!」
「、、、、、」
リーの抵抗もむなしく、ボンが作った悪魔的拘束具セーターを椅子に縛られ手枷を付けられた状態で着せられていた。
(いや、どうやって着せたんだよこれ、、、)
「ふーんふーん♪おっそろーい!おそろいやーん!」
いつのまにかボンは、リーと同じの悪魔的拘束具であるセーターを身に付けていた。
そして嬉しそうにそれをリーに見せつけてきた。
(おしゃれすんのは良いけど、、、お前普段服着てねぇじゃねぇかよ!)
心の中でリーはそう突っ込みを入れた。
ボンは相変わらず楽しそうにしていた。
(、、、あったけぇな、このセーター、、、)
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