「さて!今日も地獄の悪魔的調教を始めますよ!リー・デッソンさん!」
ビシィッ
#8252;
リーを指差して、ボンは張り切りながらそう言った。
「ちっ、、、勝手にしやがれ!どうせ俺はお前らには屈しないけどな!」
リーは相変わらず手枷をつけられたまま、椅子に縛り付けられていた。
「今日の地獄は、、、その名も黒縄地獄です!黒い縄の地獄と書いて黒縄地獄です!」
「黒縄地獄っ、、、!!」
そのどこかカッコいい響きの名前に、リーは少しだけ恐怖を感じた。
(黒い縄、、、今回の地獄の名前はずいぶんと恐ろしいじゃないか、、、
もしかして、、、前回の地獄と違い今回は本当に恐ろしい地獄なのか?)
そんなことを考えながら、リーはこれから自らの身に降りかかる地獄に身構えた。
「この地獄は盗みを犯してしまった者が落ちる悪魔的地獄と言われています!と言うわけで!なんと私はこの黒い毛糸を倉庫から盗んできたのです!」
ドンッ!
ボンの右手には黒い毛糸玉が握られていた。それをものすごいドヤ顔で見せつけて来た。
(、、、いや!お前が盗んできたんなら地獄に落ちるのお前じゃねぇか!ってか黒い縄って毛糸のことかよ!なんも怖くねぇじゃん!)
リーは心の中でつっこみを入れた。
「この黒い毛糸で、悪魔的な拘束具を作る様をリーさんに見せつけます。
そうやって恐怖心を煽った後で作った悪魔的拘束具をリーさんに取り着けます。
どうですか?恐ろしいでしょう?悪魔的でしょう?」
ニタニタニタッ!
「、、、、、」
(毛糸で作られた拘束具?、、、そんなもののなにが恐ろしいのか?)
リーがそんなことを考えていると、、、
「それ!」
ポンッ
#8252;
「あ!おい!」
突然ボンがジャンプをして椅子に縛り付けられているリーの膝の上に飛び乗ってきた。
そのままボンはリーに背中を預ける形で、膝の上にちょこんと座った。
そして編みものでよく使う棒を両手に構え、編みものをする体制をとった。
リーは突然のことに驚きながらも、反射的に膝の上に座ってきたボンを蹴飛ばそうした。
しかしまるで巨大な石の塊が置かれているかのように、自らの足をまったく動かすことが出来なかった。
ボンの身体は人間の少女の様にとても軽かった。勢いよくリーに飛び乗ってきても、重さや痛みはまったくと言って良いほど感じなかった。
それなのに今は、まるで巨大な手に捕まれているかのようにまったく足を動かすことが出来ないでいた。
小さくてもボンは、デビルという上位種族の魔物娘であることを認識させられたリーは、調教師であるボンに改めて底知れない恐怖を感じてしまっていた。
(あ、脚が動かねぇ!身体は軽いのに!コイツ、やっぱりそうとう凄いヤツなのか!?)
「もーんすたー♪もーんすたー♪もんもんもんもんもーんすたー♪」
フンフンフンフン
そんなリーとは真逆にボンは、鼻唄を唄いならがどこか楽しそうに足をパタパタと動かしながら編み物を続けていた。
人間の少女ならばとても可愛らしい光景だ。
(、、、コイツ編み物上手いな、、、)
ちらりとボンの手元を見ると、鮮やかな手つきで棒と毛糸を巧みに操っていた。その見事に洗練された動きによって、みるみるうちに編み物が作り上げて行った。
その手つきは純粋に感心してしまうほど素晴らしいものであり、編み物の知識や経験が皆無のリーですら時間を忘れて見入ってしまうほどだった。
そんなこんなで10分ほどたった後の事だった。
「でっきまっした!!!」
ウキウキしながらとても楽しそうに言い放ったボンの手には、長いマフラーがあった。
短時間で作ったとは思えないようなとても長いマフラーだった。
「悪魔的拘束具その1!悪魔の首閉めローブです!ふっふっふ!さあリーさん!これを首に巻くのです!」
シュルシュルシュルッ!
ボンは振り替えると、リーに抱きついた。
「や、やめろ!おい!」
「えへへ、、、うわっ!めっちゃ似合うやん!めっちゃ悪魔的やん!やっぱりウチは編み物も天才やな!」
そしてボンは、長いマフラーをリーの首に巻き付けた。
その後で更に自分の首にもマフラーを巻き付けた。
ひとつの長いマフラーをふたりで一緒に首に巻く形になったのだった。
「えへへ!どや!嬉しいやろ!」
(く、屈辱だ、、、)
リーは心の中でそう感じた。
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