「んーおいしいなーこの玉子焼き!
どうですか?リーさん?食べたいですかぁ?玉子焼き!食べたいんですかぁ?」
「、、、ちっ!」
ボンは玉子焼きののった皿をリーの顔の前に近づけて、ホレホ見せつけた。
玉子焼きの良い匂いがリーの食欲をズキズキと刺激し始めた。
(正直言うと腹も減ってるし、あの玉子焼きも滅茶滅茶旨そうだ、、、食べたい!めっちゃ食べたい!
でも、、、ダメだ!ここでコイツに弱みを見せるわけにはいかねぇ!維持でも食べない!)
「良い匂いしますよねぇ?食べたいですよねぇ?こんなに悪魔的においしい玉子焼き!
どーしても食べたいって言うんなら、、、食べさせてあげないことも無いですよぉ?
ほらほらほらぁ!食べたいでしょう?たーべーたーいでしょう?」
「いらねぇよ!」
リーはボンを鋭い眼光で睨み付けて、大声を上げた。
「お前ら魔物娘が作ったようなものなんて一切食べたくねぇんよ!どうせくっそ不味いに決まってる!そんなもんいらねぇからとっととゴミ箱に棄ててしまえ!」
「なに、、、?」
「だから!お前なんかが作った物なんてな!要らねぇって言ったんだよ!どんなに腹が減っててもそんな不味そうな玉子焼きなんて食べるわけないだろ!
吐き気がするからはやく捨てろ!」
リーが大声をだして叫んだ。
そしてそれから10秒ほどしてからのことだった、、、
「、、、、、ヒグッ
#8252;」
ポタッ,,,ポタッ,,,ポタッ,,,
「え!?、、、泣くの!?お前泣くの!?」
ボンは突然大粒の涙を流して泣き出してしまった。
さすがに予想だにしなかった展開に、リーの頭は真っ白になり、あたふたとテンパった。
「ウチ!、、、頑張って作ったのに!ヒグッ
#8252;、、、一口も食べてないのに!、、、ヒグッ
#8252;そないにひどいこと言わなくたってええやん!
ヒグッ
#8252;、、、一口くらい食べてくれてもええやん!ホンマに不味いにしたって食べてからでもええやん!ヒグッ
#8252;
ひどいやん!ひどい!!!うぅ、、、ヒグッ
#8252;うわぁぁぁぁぁん!!!」
ポタッ
#8252;ポタッ
#8252;ポタッ
#8252;ポタッ
#8252;ポタッ
#8252;
「あああ!」
大声をだして泣き始めてしまったボンにどうしたら良いのか分からず、リーはただただ右往左往していた。
「あああ!もう!ごめん!ごめんって!言い過ぎた!
、、、あ!な、な〜んか腹へってきた!すっごい腹減ってきた!なんか玉子焼き食べたいな!すっげー!玉子焼きが食べたくなってきたな!そのめっちゃ旨そうな玉子焼き食べたいな!」
「ホンマか!?」
パァァ
#8252;
(ものすごく良い笑顔になったな、、、)
「しゃ、しゃーないなぁ!そこまで言うなら食べさせてあげへんこともないわぁ!ウチが作ったこの極上の玉子焼き!食べさせてあげないこともないわぁ!
しゃーないなぁ!まったくぅ!素直やないなぁ!リーさんあんたホンマにイケずやでぇ!」
身体をくねらせながら満面の笑顔を浮かべ、とても嬉しそうにボンは言った。
「しかし食べるっていっても、、、この手枷とってくれないと食べられないぞ、、、」
「ほれ!あーん!」
ボンは玉子焼きを箸で少しだけ割くと、それを箸でつかんでリーの口元に運んだ。
「!?、、、いやいや!それは!」
「ん?なんや?あーんして食べさせてもらう程度で何をそないにテンパっとるねん?
あ!もしかして、、、自分童貞なんか?」
プークスクスッ
#8252;
「どどど童貞ちゃうわ!」
(童貞だけど、、、)
「ほんなら別にえーやん!ほれ!あーん!!!」
「あ、あーん、、、」
パクッ
#8252;
「どやどや!?めっちゃうまいやろ!?」
(すっごい良い笑顔で見てくる、、、)
「旨すぎてほっぺた落ちてしまうやろ!!!どや!?どや!?どやぁ!?」
「う、旨いよ、、、」
(実際すごく旨い、、、)
「よっしゃー!やったでー!!!」
ボンは跳び上がりながらガッツポーズをとった。
(、、、カリスマ調教師ってなんなんだよ、、、
まてよ、、、は!?なるほどそういうことか!)
突如、リーの脳裏にある考えがよぎった。
「ははぁん!こいつは一本とられたな、、、」
「ん?なんや?いきなり?」
「お前の作戦がわかったんだよ。
無邪気なふりをして泣き落としにかかり、とにかくお前の玉子焼きを食べさせる。そうやっていくことで少しずつ魔物娘に対する対抗意識を削ぎ落としていくっていう作戦だったんだろ?
俺はまんまとお前の作戦にはめられたわけだ、、、流石カリスマ調教師だな。まんま
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