魔物娘の大群によって、街が陥落してから早くも2週間ほどが過ぎ去った。そんなある日のことだった。
街は既に魔物娘によって占拠され、一日中人間の男と魔物娘の激しい性行為による淫らなあえぎ声が響き渡る魔の歓楽街へと変貌を遂げていた。
そんな街から南の方向へ約2キロほど向かった先、
二人組の屈強な男性が、岩に腰かけて自慢の剣を愛でるように磨きながら、暫しの休息を取っていた。
「もう少しだな。魔物に占拠された街まで、、、」
「あぁ、そうだな。捕らわれた街人の中には上流貴族の血を引く者までいるそうだ。」
「、、、俺たちが助け出すことが出来れば、また名を上げる事が出来るな、、、」
「へっ!その通りだ、、、なんとしてもこの街を俺たちの手で取り返すぞ!」
この二人は、反魔物娘を掲げる某教団によって雇われたまだ駆け出しの勇者のコンビであった。
まだ駆け出しと言ってもその実力は本物であり、困難と言われてきた様々な難関任務をそれなりにこなしてきた実績を既に持っていた。
そんな二人が、今にも街に攻め入ろうとしていたのだ。
「、、、、、!!誰だっ!」
ガバッ!
勇者の片割れが自分達に近づいてくるものの気配を察して、即座に剣を構え戦闘体制に入った。
「、、、、、」
ザッ,,,ザッ,,,
勇者達よりも遥かに大きな男が現れた。
別に隠れていた訳でもなく、普通に歩いて現れて勇者達に向かってゆっくりと近づいていった。
「!!、、、男?、、、いやっ!この男!」
「既に魔物娘に堕落させられているなっ!」
即座に戦闘体制に入った片割れに続いて、もう片方の勇者も剣を抜いて戦闘に入った。
「、、、、、」
ザッ,,,ザッ,,,
大きな男は、相変わらずゆっくりと歩いて勇者達に向かって歩いて近寄った。
「ちっ!魔物娘に堕落させられた男!」
バッ!
「悪いが、、、死んでもらう!」
ビュンッ!
勇者二人は現れた大男に向かって、風のように速く、水の流れのように鮮やかな太刀筋で斬りかかった。
「ん!んんっ!!!、、、」
バタバタッ!!
「んぐー!、、、んんん!!!」
ジタバタッ!!
約1分後、勇者二人は亀甲縛りに縛り上げられていた。
鎧は無理矢理ひっぺがされ、口には猿轡をつけられ、不自然で仰け反った無理な体勢を取り続けていなければ首を締められる見事な亀甲縛りに縛り上げられて、大男に運ばれていた。
「あ!ダルニアン教官!」
「「ダルニアン様
#9829;」」
そこに幼い双子の魔女のタケとウメ、下着に首輪だけを身に付けた元部下のコロンがやって来た。
「まぁ
#9829;殿方相手に何て見事な亀甲縛り
#9829;」
「まぁ
#9829;男性相手にとても鮮やかな亀甲縛り
#9829;」
「ふふっ
#9829;ダルニアン様はやっぱり、、、
#9829;」
ポッ
「あはぁ
#9829;ダルニアン様はぜったい、、、
#9829;」
ポッ
「へへっ
#9829;ダルニアン教官は流石に、、、
#9829;」
ポッ
「あー、もうめんどくせぇ、、、」
そう呟くとダルニアンは未だに暴れる勇者たちを無理矢理抑え込みながら、街の方向へ歩いて言った。
「おーい!戻った」
ビュンッ!ドカッ!
「ふぐっ!」
「おかえりなのじゃあ
#9829;ダルお兄ちゃん
#9829;」
スリスリ
サバト教団出張事務所のヴァルの部屋に戻るや、音速を超えるほどの凄まじい勢いで茶色くて小さな物体が、ダルニアンに向かって飛んできた。
ダルニアンの胸に抱きついたその物体は、まるで猫のように顔を擦り付けて甘えてきた。
サバト教団の教祖である種族、バフォメットのヴァル・ヴァージンである。
「ほらよ、お土産だ。街の近くで拾った。」
そう言うとダルニアンは亀甲縛りに縛り上げた勇者二人をヴァルに見せつけた。
「うむ!ご苦労であった!それでは早速調教班を手配してサバト教団に相応しいお兄ちゃんにするべく教育を施すとしようかのぅ!皆のもの!連れて行くのじゃ!」
ヴァルがそう言うと、どこからかやって来た数人の幼い魔女娘たちが勇者二人組ををどこかへ連れていった。
「さて、すまないが我が愛しのダルお兄ちゃんよ。もう暫しの間だけ待っていて欲しいのじゃ。今は色々と立て込んでおる時期なのでのぅ。
待っておれ!あと30分、いや!10分で目処をつけるのじゃ!」
ダルニアンにそう言うとヴァルはぱたぱたと走ってテーブルに向かい、書いていた書類の続きをやり始めた。
「おいおい、そんな焦んなくても良いぞ。俺は気長に待ってるからよ。」
「我が早くお兄ちゃんと遊びたいのじゃ!」
「、、、
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