「緊急事態発生!緊急事態発生!西の方角より魔物娘の大群が接近中!物凄い大群です!その数、恐らく10万を越えています!
繰り返す!緊急事態発生!緊急事態発生!西の方角より魔物娘の大群が接近中!、、、」
ここはとある街
それなりに規模が大きく人口もそれなりに多い。しかしものすごく有名な特産品がなければ、世界中に名を轟かせるような有名人が生まれたわけでもない。他の国や他の街の人々も言われてみればそんな街があったなぁ程度に思い出すような街
一部の人間がごく稀に盗難や暴行などの何かしらの事件を起こすことはあった。しかし逆に言えばその程度の事件しか起こらない街
そんな地味で特に目立たない、しかしだからこそ平和で静かでのどかな街だった。
だが、、、その瞬間は突然訪れた。
果てしなく平和で静かで閑寂な街、そんなこの街の平和を脅かすような、この静かな街そのものが壊滅の危機に陥るような、数十年数百年と続いたこの街の平和を終わらせるような、、、
そんな誰しもが想像もしなかったような事態がついに発生してしまった。
時刻は太陽が真上に上がりきる少しだけ前の昼ごろ
この街の人間の誰しもが、いつもと変わらぬ日常を過ごすのであろうと思っていた時間だった。
学校に通っている学生は、勉学に励むのが面倒くさいなぁと思いながらも紙にペンを走らせている時間だった。
中年男性は仕事のノルマに追われている時間帯だった。
結婚し主婦として家庭を守っている女性たちは、少し眠いなぁ昼寝でもしようかなぁとぼんやりとしている時間帯だった。
そんないつもと変わらない平和でありきたりな時間をこの街の皆が過ごすはずだった。
この街の西側に突如として10万を超える程の魔物娘の大群が現れたのだ。
魔物娘特有の淫らで好色なだらしないにやけ顔をさせながら、その魅力的な肉体を汗で濡らし高揚させながら、発情したイヤらしいメスの匂いをムンムンと漂わせながら、
10万を超える魔物娘たちの大群はこの街に向かってゆっくりと、しかし確実に近づいてきていた。
カーン!カーン!カーン!カーン!
けたたましく鳴り響く警戒塔の鐘の音が、平和だった日常を一気に非日常へと変えていった。
平和に慣れきっていたこの街の市民は目を白黒させて慌てふためいた。仰天し右往左往してどうしてよいかもわからずただただパニックを起こしていた。
助けて、助けて、と神に願うばかりであった、、、
「兵士を全員集めろ!!!戦うぞ!!!我々が兵士としての使命を全うする時がついに来たのだ!!!」
この街に駐屯する兵士たちを束ねる兵士隊長の大声が、駐屯所に鳴り響いた。
血管を浮かび上がらせ、唾をとばして、喉を震わせながら、怒声をまるで雷のように響かせた。
「隊長!そ、それが、、、これで全員です!その、、、兵士の大半のものは魔物娘の大群に恐れをなしてしまっており、、、その、、、」
「ええい!軟弱者どもめ!」
突然の敵襲に仰天し右往左往してパニックを起こしていたのは、この街に住まう一般市民たちばかりではなかった。
この街に駐屯する兵士たちも、まるで非力な一般市民になってしまったかのようにてんやわんやの大混乱をしていた。
見たこともない程の魔物娘の大群、絶対に敵う訳もない想像を絶するほどの大群に恐れおののいて動けなくなるもの、体験したこともない非常事態を前に自らの体を動かすことができずに絶望してしまうもの、すでに魔物娘の破滅的な魅力の虜になってしまっていたもの、、、
さまざまな要因が勇敢で真面目な兵士たちをただの非力な一般市民に引き摺り下ろしていた。
この状況を前にしても兵士としての使命を忘れない真に勇敢な兵士たちは全兵士の僅か3分の1程度とわずかではあったがそこに存在した。そんな真に勇敢な兵士たちは、大急ぎで武装を整え、駐屯場へと集結し、この状況を何とか打破するべく兵士隊長式の下に集っていた。
「、、、隊長さん、あきらめな。実践経験のない兵士の大半はびびっちまって動けない。
これが実戦って言うやつなんだよ。」
「ダルニアン、、、しかし、、、」
そんな魔物娘の驚異に立ち向かう真に勇敢な兵士たちの中でも、とりわけ落ちつきはなってどっしりと構えている一人の男がいた。
彼の名はダルニアンという男だ。
その身長は2mを優に超え、体重は200Kgほど、まるで岩石のようにゴツゴツとした筋肉を全身にもつ超大男だった。
その鋭い眼差しは鈍い光を放っており、まるで遠くない未来を予言し見透かしているかのような恐ろしさを放っていた。
ダルニアンの年齢は40歳になるが、その身体には一切の老いを感じさせない。いやそれどころか、どんな屈強な男や犯罪者ですらも可愛く見えてしまうほどに厳つく恐ろしい迫力を
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