ゴウマの実祖父の刺客であるバーバと言う女性に襲われた日の翌日、ゴウマたち3人はとある魔物娘に呼び出され、この街に魔物娘たちによって簡易的に作られた事務所のようなところを訪れていた。
「失礼します。」
「おおちびっこ親子、久しいのぅ。想い人とは仲良くやっとるようで魔物娘として大変すばらしいことじゃ。」
3人がその事務所に入ると、中央に置かれた大きなソファにゆったりと座っているちっちゃい魔物娘が声をかけてきた。
ツインテールに纏めた茶色い長い髪とドクロの髪飾りと2本の羊のような角を生やしており見た目はナッツよりも幼い。しかし雰囲気や態度、更にそのちっちゃい身体から溢れんばかりに発せられる圧倒的な存在感と威圧感からこの魔物娘が強力で超大物だと言う事がわかってしまう。
そのちっちゃい魔物娘が向かいのソファを指差し、とりあえずそこに座れというジェスチャーをしてきたので、3人はソファに座った。
右側にデック、左側にゴウマ、そしてゴウマの膝の上にちょこんとナッツが座った。
「ヴァル様、本日はお招きいただきありがとうございます。早速で失礼なのですが私たちにお話というのはなんでしょうか?」
デックが丁寧にへりくだってちっちゃい魔物娘へ挨拶を済ませた。
この辺は流石に年長者と言う威厳と安心感を感じさせる振る舞いにゴウマは素直に感心した。
「ヴァルちゃん!このうしさんの身体ってすごいよね!すっごくいっぱいおっぱいミルクでてくるんだよ!」
逆にナッツは、なぜかものすごくフレンドリーに、このちっちゃい魔物娘に話しかけていた。
「えっと、母さん、、、この娘は?」
ゴウマは肘でデックをつつき、このちっちゃくて偉そうな魔物娘の事を尋ねた。
「この方はヴァル・ヴァージ様、種族はバフォメット。かなりの上位種族でこの街を襲撃した魔物娘たちのリーダーよ。」
「え!!そうだったんですか!、、、この魔物娘が、襲撃隊のリーダー、、、」
「ふんっ!
正確には我はリーダーの内の一人じゃな。
此度の街襲撃には我々のサバト教団も大々的に関わっていた、と言うだけの話じゃ。」
可愛らしいドヤ顔をキメながら、ヴァルはゴウマに向かって説明をした。
「それにね!おにいちゃん!わたしとおかあさんを魔物娘にしてくれた人がこのヴァルちゃんなんだよ。」
「そうだったんですか、、、」
「ふんっ!
我々のサバト教団は、バリバリッ
#8252;幼子姿の魔物娘によって形成された教団だからのぅ。バリバリッ
#8252;おにいちゃんに恋心を抱いている幼子を放っておく事は、バリバリッ
#8252;出来なかったのじゃよ。ゴクンッ
#8252;
そっちの母親の方はナッツがどうしてもと言ったから魔物娘にしたまでじゃ。」
ズズズッ
#8252;
相変わらず小さい身体で目一杯ふんぞり返りながら、テーブルの上のお菓子にかぶりつき、お茶をすすって、ヴァルは自慢気にそう言った
「、、、、、」
(確かに、このヴァルという魔物娘、、、向かい合ってるだけでも、ものすごい威圧感を感じてしまうな。
ナッツよりも全然小さい身体をしているのに、、、まるで巨大な活火山に対峙しているかのような、いやまるであのダルニアンの鬼教官と対峙しているような、そんなものすごい威圧感を感じさせてくる魔物娘だ。)
ゴウマがそんなことを思っていると、机の上にあった紙を見ながらヴァルはさらに言葉をつづけた。
「さてさて本題じゃが、お前さんたちには今後の生活のために魔界にある牧場に移住してもらうかと思っておるのじゃ。」
「牧場?」
「牧場?」
「ぼくじょー?」
ヴァルが言った事に3人はそろって小首をかしげた。
「その牧場と言うのは魔界にあるホルスタウロス娘を集めた牧場じゃ。名を□マーニ牧場と言うのじゃ。
まぁこのままこの街で暮らし続けていても、またいつ例の家の刺客が襲ってくるかわからんからのぅ。魔界に移れば追手も簡単に手出しは出来まいという考えじゃ。
まぁもちろん無理強いはせんが、さてお前さんたちはどうするかのぅ?」
ヴァルは3人に問いかけた。
「ん、牧場に行くってことは結局私たちのあの家からは離れることになっちゃうのね。」
「むーーーっ、、、」
「まあまあ母さんにナッツ。
確かに家を離れるのはつらいかもしれないけど、僕はこのままこの街で追手に狙われて暮らし続けるよりもいいと思うよ。」
少々残念そうに肩を落とすデックとナッツを、ゴウマは慰めながら言った。
「でも、もしもその牧場にまでスタルフォー家の追手が来てしまったときはどうするんですか?」
「ふんっ!
その点も心配はないぞ。その□マーニ牧場には史上最強の闘牛と呼ばれて
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