「にゃにゃにゃ〜
#9829;捕まえてみるにゃ〜
#9829;」
「まっ、、、まてっ!!」
クエスと名乗ったチェシャ猫を見つけた俺はすぐに追いかけた。全速力で走り回ったが、まったく追い付くことは出来なかった。
クエスの足が速すぎる!さっき走っている俺に涼しい顔で並走しているほどの脚力をもっているんだ。速くないわけがない。
「はぁっ!はぁっ、、、しまった!見失った!どこにいった!?」
チェシャ猫のクエスは非常にすばしっこい上に狡猾で、すぐに物陰に隠れてしまう。何度追いかけてもすぐに引き離されどこかに隠れられてしまうのだ。
ムニュリッ
#8252;
「はうっ!」
そしてチェシャ猫を見失ったと思ったら、突如背中になにか柔らかくて大きくて凄くエッチなものが押し付けられる。
さらに耳元に顔を近づけてはぁはぁと生暖かく甘酸っぱい吐息を吐きかけてくる。
不意に押しつれられたそれらに男としての本能がどうしても反応してしまう。
すぐに捕まえなければならないと分かっているのに、激しい肉欲がもっとこの素晴らしい肉感と吐息をもっと感じていたいと反発してしてしまう。
「にゃにゃにゃ〜
#9829;誰がお探しのようにゃね〜
#9829;実はにゃたしも人を探してるんだにゃ〜
#9829;素敵な
#9829;旦那様
#9829;心当たりはないかにゃ?」
ベロリッ
#8252;
後ろから抱きついてきたチェシャ猫がベットリと俺の頬を舐めてきた。
猫特有のざらざらで唾液にまみれた舌で、俺の頬をまるでアイスクリームのようにベロリと舐めてきた。
あまりの気持ちよさに一瞬頭がピンク色に染まってしまう。なにも考えられずうっとりしてしまう。
「あぁ
#9829;、、、い、いつの間に!?」
「にゃにゃにゃ〜
#9829;」
やっとの事で背後を向くと、チェシャ猫は愉快そうに跳びはね、凄い速さで離れていった。しかもどこかの草むらや木の影に隠れたと思ったらまた違うところから顔を出すのだ。
この神出鬼没の能力がとても厄介
視界から外れたと思ったらまったく違うところから現れる。そして戸惑っていると後ろから抱きついて頬をベットリと舐めてこちらを弄んでくる。
こんなやつをどうやって捕まえろって言うんだ!?
「くそっ!イタズラ猫め!こんなの!どうやって捕まえたらいいんだ!?」
あまりの絶望感に途方にくれ始めていたときだった。
「あぁ!見つけた!すいませーん!あなた!もしかしてエインさんですか!?」
数メートル向こうからひとりの青年がこちらに向かって手を振って走ってきた。
「きみは、エルドくんか!?」
声には若干聞き覚えがあった。スマフォ越しにミッションの協力を持ちかけてきた人だ。
「そうです!エルドです!協力してあの猫ちゃんを捕まえましょう!」
どこか嬉しそうにエルドくんは言った。
「助かるよ!エルドくん!でもどうやってあのイタズラ猫を捕まえよう?あまりにも神出鬼没でまったく捕まえられる予感がないんだが、、、」
額の汗と頬の唾液を拭いながら俺は相談した。
「それなんですが、実は僕に秘策があります!」
「そう言えば言ってたな、その秘策ってなんだ!?」
藁にもすがる思いで俺はエルドくんの話を聞いた。
「エインさん、あなた猫ちゃ、、、クエスちゃんに後ろから抱きつかれませんでしたか?僕はここに来る途中にけっこうやられたんですが、、、」
「ああ、俺もけっこうやられたな。目を離したすきに後ろから抱き付かれて顔をベロリと舐められた。もしかして皆やられてるのか?凄い移動能力だなあのイタズラ猫、でもそれがどうした?」
「それがこの作戦の肝です!良いですか!恐らくチャンスは一度しかないのでよく聞いてください!」
前に一歩踏み出して、声に力を込めてエルドくんが語り始めた。
「まずは常に二人ですぐに駆け寄れる距離に位置します。そして次にチェシャ猫が僕に抱きついて来たときがチャンスです。絶対に僕があの猫ちゃんを捕まえてみせます!そしたらエインさんはすぐに鍵を奪い取って扉を閉めにいって下さい!
恐らく僕は、、、そのまま猫ちゃんに捕まってゲームから脱落してしまうと思うんです。なので身勝手なお願いなんですが、後のことをお願いします。」
決意に充ちた顔でエルドくんは話をした。
「エルドくん、、、君は残りの皆のために犠牲になってくれるのか?」
「はいっ!僕一人の犠牲で皆さんが助かるなら、、、それは必要な犠牲なんだも思います!全滅してしまうくらいなら、僕一人の貞操などどうなっても構いません!」
こちらが圧される程に堂々とエルドくんは返事をしてくれた。
「、、、すまないっ!ありがとうっ!」
あまりの威勢の良さと覚悟に、俺は心を打た
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