ゲームが開始してから約30分が経過していた。
ディムという男が捕まった後は特に誰も捕まることがなく、気がついた頃にはゲーム全体の4分の1の時間が既に経過していた。
(、、、このゲーム、思ってたよりも意外と簡単だな。ハンターであるジャブジャブの飛ぶ速度は遅いし、あと1時間と30分をこのまま乗りきればゲームクリアだ。
これは希望が見えてきたな。)
そんなことを考えていた矢先だった。
ビー!ビー!ビー!ビー!ビー!
「!?、、、これは、スマートフォンにまた連絡が!?
まさか、また誰か捕まったのか?」
鳴り響いたスマートフォンを開いてみるとそこにはゲームマスターであるハットちゃんが、相変わらず凛々しく美しい微笑みをしながらイスに座っていた。」
「やぁ逃走者のみんな!元気に逃走してるかな?ボクはみんなのアイドル、ゲームマスターのハットちゃんさ!」
スマートフォンの画面越しでハットちゃんが動いていた。
まるで画面の中で本当に生きているかのように、滑らかな動きをしていた。
「この電子機械、凄いな。こんなに鮮明な通信が出来るのか、、、」
この国の謎の技術には戸惑うばかりだ。
「それでは君たちに今からミッションを伝えるよ!」
「、、、ミッション!?」
ハットちゃんの口からにわかに信じられない事を聞いた気がした。
「ミッションって言うのはね、逃走中に起こる様々なサブゲームの事で、これをクリアすると逃走が有利になったり逆にこれをクリアしないと逃走が物凄く不利になったりするひゃっ
#9829;、、、イベントのことなんだ!
詳しいことはひゃっ
#9829;、、、こらっ
#9829;今仕事中なんだからイタズラしたらダメでしょ
#9829;もう、、、シータのエッチ
#9829;
あ、、、じゃあ詳しいことはメールを読んでね!!」
最後を足早に言い残すと、ハットちゃんからの連絡は終わった。
「、、、なんだったんだ今の、、、」
少々呆気に取られていると、続いてメール?と呼ばれていた文章が俺のスマートフォンに届いた。
「・ミッション!ウサギのお茶会に参加せよ!
不思議の国のワーラビット「マーチヘア」がチェシャ猫に唆されてお茶会を企画している。
このお茶会に残り時間1時間20分までに逃走者5人以上が参加して、お茶会が大成功に終わるとマーチヘアが参加者みんなに逃走に役立つアイテムをくれるぞ!
こぞって参加しよう!
*注意!残り時間が1時間20分の時点で5人以上揃わなければミッション失敗となり、誰もアイテムを貰うことが出来ないのでなるべく参加しましょう。」
と言う文と共にお茶会の開催場所であろう地図が張り付けてあった。
「ミッションか、、、逃走に役立つアイテムってのは気になるし参加してみるか。」
エインは地図で示された場所に向かって歩き出した。
「、、、この地図で示された場所、すぐ近くじゃないか!」
俺の名前は「イヨ」だ。
自分で言うのもなんだが真面目で実直なところが取り柄の男で、こんな訳のわからない場所に連れてこられるまでは街で医者をやっていた男だ。
「行ってみるか、、、ミッション!」
俺は地図で示された場所に向かって歩き出した。
示されていた場所は偶然にも俺がいた場所のすぐ近くであり、歩いて1分ほどで到着することが出来た。
「ここか、、、」
地図に示されていたお茶会の場所、そこはオシャレな箱庭のような場所だった。
そこに生えている草木は不思議の国特有のピンク色や紫色や黄色を派手に塗ったくったどこか毒々しい色の物ではなく、自然本来の緑色の草木が生えていて何とも落ち着く心安らぐ空間に仕上がっている。
そこにこれまたこの国に似つかわしく白くて綺麗な机と椅子と食器が丁寧に並べられていた。
まるでこの場所だけ人間世界の王宮の一部のようだった。
それも一流の庭師と一流の家具職人がしたてあげた最高の箱庭の様だった。
「綺麗なところだな、、、それに落ち着く場所だ。」
「え
#9829;今、私のこと綺麗っていいました?」
声がした方向を向くと、そこには魔物娘がいた。
魔物娘の例に漏れず、スタイルが良くてとても可愛らしい見た目をしている。
「いきなり褒められるなんてドキッとしちゃうじゃないですか
#9829;
#9829;
#9829;」
「うわっ!?ハンターか!?」
「ふぇぇ!?違いますよ!ハンターじゃありませんよ!」
その娘は手を降り慌てて訂正した。
「私はマーチヘアのミミって言います
#9829;皆さんにはワーラビットって種族の方が聞き覚えがあるんじゃないですかね?ウサギと人間のハーフです
#9829;
ほら
#9829;この耳見てください
#9829;ウサギ
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