ワカメの献身的でエッチでぬるぬるな介抱のお陰で俺の体調はだいぶ回復した。
まだ食べるものに困ることはあるが、それでも体力が回復して日常生活は困らない程度にまではなっていた。
ワカメに説明を受けながら、この海上研究所の中を見学していると結構いろんな魔物娘が住み着いていることがわかった。
身体中が鱗で覆われた海にいきるサキュバスであるネレイス
タコの様な下半身をもつスキュラ
ほぼ人間の姿をしながら海で暮らす半魚人のサハギン
他にも見たことのない魔物娘が何人か住み着いて仕事をしていた。
やはり皆魔物娘だけあって人間離れした部分は持っていれど相当な美女ばかりだ。
こんな美女に襲われれば男なら誰しもすぐに白旗ならぬ白液を出してしまうだろう。
だが、、、正直、今の俺には、、、ワカメが一番可愛く思える。そう思えて仕方ない。
なんだかみんな俺とワカメをみて、惚けていたり、怨めしそうな視線を送ったりしてくる。
しかしそんなことはお構い無しにワカメはずーっと俺に抱きついて海藻を絡めたままでいる。
イヤではない。
むしろそんなワカメは、、、正直可愛い。
むしろ俺も嬉しいのだが、、、歩きづらいのと、すこしだけ周りが怖い、、、、
そんな俺は一頻り研究所をみて回ったあと、今後の俺の処遇について博士に訪ねていた。
その結果、「この海で魔物娘を育てる施設で働いてもらう。養殖場みたいなところじゃ」という返答をうけていた。
「実はのぅ最近この海では問題が次々発生していてなぁ
海賊がネレイスの歌姫の卵を強奪したり、近くの岩場に巨大な海蛇が住み着いたり、海水温が上昇して漁が不作だったりと色々問題が山積みなのじゃ。
お前さんが養殖場で魔物娘のせいどれ、、、いやいや、保護者として働いてくれればこの海の環境問題も少しは改善されるじゃろぅ。」
じーさんが困ったように説明をしてくれた。
なんだか不穏な単語が聞こえた気がしたが、、、
そんなジーさんの横には2匹のマーメイドが魚の下半身で移動用スケボーに乗り起用に立っていた。
右には青くて長い髪を持つ知的で大人びた雰囲気を持つ美人マーメイド「シービショップ」が
左には赤いショートカットの髪をした好色そうでどこか幼い感じの美少女マーメイド「メロウ」がいた。
この二人はただの助手ではなく博士の妻らしい。
二人とも人間の下半身さえあれば相当な美女で、男なんてたとえ大富豪だろうと国王だろうと選び放題だろうに、、、
魔物娘ってのはやっぱり訳わからん。
ついでに「二人とも博士よりはるかに年上なんだよ」とワカメが教えてくれた。
ますますわけわからん。
この話をしている間もずっと、、、というかここ最近ずっとワカメは、俺の身体に海藻を巻き付けて常に抱きついていた。
なんでもフロウケルプ娘の特性だそうだ。
「養殖場か、、、」
部屋に戻った俺はベッドに腰かけてボソッと呟いた。
もちろんワカメが抱きついたまま。
「、、、、、いやなの?」
終始俺に抱き付いて黙っていたワカメが、少しだけ不安そうに問いかける。
不安そうな顔も可愛い。
「一応さ、、、俺はつい最近まで兵士だったんだ、、、
魔物娘からさ、人間を守る立場にあったんだ、、、
それが今や魔物娘を育てる立場って、、、人生よくわからないやって思ってな、、、」
「、、、、、」
俺は静かに自分の過去を語りだした。
ワカメはねっとりと抱き着いたまま、深刻そうな顔をしてこちらの事を黙ってじっと見つめていた。
そういう顔も可愛い。
「まぁ結局、、、俺は何も守れなかった、、、
俺は役立たずだったんだ、、、誰からも必要とされてなかったんだ、、、
だから今、こうして人間界を捨てて魔物界にいるのかもな、、、」
俺は思わず今の自分の正直な気持ちをボソッと吐き出した。
「エヴァン、、、」
ワカメの方を見ると、なんだかすごく悲しそうな顔をしていた。
俺は不謹慎ながらそんな顔も可愛いと思ってしまった。
そんな事を思いながらボーッとして、ワカメに見とれていると、、、
「そんなこと、、、言わないでっ!!、、、」
「、、、、、」
ワカメが、激昂した口ぶりでそう言った。
大人の身体になったワカメがこうして激昂したのは初めてかも知れない。
俺はあっけにとられた。
「エヴァン!、、、私には!必要なの!」
「、、、、、え?」
「私には!エヴァンが必要なの!
だから、、、そんなこと、言わないで、、、」
「ワカメ、、、」
顔を真っ赤にして泣き出しそうな顔をして、ワカメは自分の気持ちをまっすぐに俺にぶつけてくる。
少しだけ、俺を抱きしめる海藻の力が強くなる。
可愛い
すごく可愛い
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