~ 時は流れて7年後 ~
アイラ 15歳
モルト 14歳
カツッ!
カツッ!
シュッ!!
ザシュッ!!
「くっ!!」
「たぁっ!!」
ズバシュッ!!
「ぐっ!うわぁぁぁっ!!」
ドサッ!
「ふぅ………………今日も私の勝ちね!ふふっ!惜しかったわね!モルト!」
「う〜ん、今日もアイラには勝てなかったかぁ…………
昨日悪かった所は良い感じに改善できてたと思ったんだけどなぁ…………」
「それは認めてあげるわ!でも一昨々日改善したはずの足の動きがまた悪く戻ってたの!
そこを突かれたのが敗因よ!」
ビシィッ!!
「あーそうかぁ!う〜ん!確かに難しいなぁ!」
「はい!それじゃあ今日のトレーニングはここまで!ご飯食べてお風呂入って寝ること!寝る前にちゃんと歯を磨いて、しっかりとストレッチしてから寝るのよ!」
「あぁ、もう少しだけ練習してから帰るよ。」
「ダメよ!毎日いってるでしょ!休むことも大切なトレーニングの一環だって!」
「もちろんわかってるよ。
そんなに身体動かさないから、ちょっと足の動きの確認だけしたいだけだからさ!
う〜ん、こうきたら、こうして、こう?
そして…………こう!」
トンッ
トトンッ
シュシュパッ!
「………………分かったわよ、でも8時までには帰ってくるのよ!」
「はーい!わかりました〜!
え〜と、アイラがこうきたらこうで、んでもって俺がこう動いて、だからこうしてこうして………………」
トンッ
トンッ
トトンッ
シュッ!!
シュッ!!
「………………………」
~ 次の日 ~
「ふんふん…………」
ペラッ
「なるほど…………」
ペラッ
「モルト?なにを熱心に読んでるの?これは……………ウィルマリナ様?」
「剣術の本さ!ウィルマリナ様が教える!良い子のための明日から勇者になれる剣術指南書!
ウィルマリナ様がすっげー分かりやすく剣術を図解してくれる本さ!」
「…………あぁ、そういえば今話題になってる本よね………」
「あぁ!分かりやすくってスッゲータメになるぜ!流石ウィルマリナ様だぜ!」
「………………そう……それはよかったわね……………」
カツッ!カツッ!カツッ!
「アイラ?………………おーい!
??………………なにを怒ってるんだ?」
(なんだろう………………今すっごくイライラした……………
すっごく……………胸がムカムカした………………どうしちゃったんだろ?わたし……………)
~ 次の日 ~
カツッ!
カツッ!
シュッ!!
シュシュッ!!
「くっ!」
(モルトの動きが確実に良くなってる!今までの中で1番良い!
私の動きに…………………確実に合わせてくる!)
カツッ!
カツッ!
トンットンットトンッ!!
「っ!!今だっ!」
バシュ!!
モルトの木刀が、アイラの木刀と鍔迫り合いになった。
「くっ!」
ガツンッ!
(完全に動きを読まれた!それだけじゃない!さらに先手を打たれた!
まずいっ!純粋な力比べにもつれ込まれたら!今のモルトには絶対に勝てないっ!)
ギリリッ!
「はぁっ!このままっ!押しきるっ!今日こそアイラに!勝つ!」
ギリリッ!
ギリリリッ!!
「くっ!」
(こうなったら!モルトの懐に跳び込んで相討ち覚悟の一撃にかけるしかない!)
シュバッ!
「っ!!なに!?」
シュババッ!!
「っ!!」
(もう止まれない!行くしかない!!)
カッツウゥゥゥンッ!!!
「あー惜しかったなぁ、今日こそはアイラに勝ったと思ったのに!相討ちだったかぁ〜」
「………………そうね、惜しかったわね。」
「いや!前向きに考えよう!
やっとだ!やっとアイラ相手に相討ちを取れたんだ!ずっと追いかけてきたアイラの背中が!やっと見えてきた所なんだ!」
「…………………」
「アイラ!!」
「なに?モルト?」
「おれ!…………………おれっ!!……………」
「え?………………」
「………………いや…………
俺さ!来年になったら教団の聖騎士団に入団しようと思ってるんだ!」
「聖騎士団に?」
「あぁ!来年、というかあと半年したらさ!俺もやっと15歳になるだろ?父さんが15歳になったら聖騎士団に入団して良いって言ってたんだ!
入団して!騎士団で思いっきり活躍して!そして勇者の洗礼を受けて!そしてなるんだ!本物の勇者に!」
グッ!
「勇者の洗礼に………モルトが?………」
「身の程知らずだってのはわかってる!でも!
俺の夢は騎士団に入ってもっともっと強くなって!やがてこのレスカティエで1番の!いや!世界で1番の剣士になるってのが俺の夢なんだ!
ってアイラには昔から言ってただろ?」
「まぁ、ただホントにそん
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