ファイナルミッションが発令されてから僅か約1分後
レスカティエ南部にて
逃走者であるサティーンは、ひとりのサキュバスの騎士と鉢合わせをしていた。
肩にかかるくらいの長さの薄青い色の髪
西洋人形のように美しく、少女のような幼さと大人の女性のような妖艶さを含んだ凛々しい顔つき
シルクのような真っ白で綺麗な珠の肌
まるで燃えているかのような真っ赤なルビー色の瞳
まだ若干発育中の幼さが残りながらも、豊満に実った胸と女性らしいくびれと腰つき
そんな魅惑のボディラインを挑発的に見せつけて、どんな男を瞬時に魅了してしまうボンテージ姿
そんな想像を絶するほどの美しい姿、この世のどんなものよりも美しいと思えるほどの少女サキュバスの騎士が、サティーンの前には立っていた。
「ふふっ
#9829;
#65039;
私の名前はウィルマリナ、種族はサキュバスです。以後よろしくお願いしますね。」
彼女はクスクスと笑いながら、同時に氷のように冷たい目をさせながら名乗った。
彼女の名前はウィルマリナ
この魔界国家レスカティエがまだレスカティエ教国だった頃、若干17歳にして国の象徴とまで謳われた元勇者の少女だった。
「くっ!くそっ!なんなんだ!いったいいつの間に切られたんだ!?
そ、それにこの感覚はいったい……………この気持ちはなんなんだ!?」
目にも止まらない速度で腹部を切り込まれたサティーン
切られた腹部からは血の1滴も垂れてはいない。
しかし代わりに不思議な感覚がサティーンのことを襲っていた。
(なんだっ!?この感覚は…………………
寂しいというか…………虚しいというか……………まるで胸の真ん中に穴があいたような………………くっ!
なにをしやがったんだ!?)
そんな不思議な感覚に、サティーンは戸惑った。
「ふふっ…………戸惑っているようですね。
私の剣は冷たく凍てつく氷の剣、魔性の力が込められた氷華の剣
私の剣に胸を貫かれた者は、心が凍えてしまい絶望的な孤独感と不安感に襲われてしまうのです。」
まるで氷のように冷たい瞳をしながら、それでいて子供が好きな漫画を見るときのような楽しそうな瞳をさせてウィルマリナは言った。
「魔性の力?氷華の剣?
くっ!この妙な感覚はそれによるものか!?」
「ふふっ……………壊してしまわない様に相当手加減はしたつもりなんですが、どうですか?
寂しいでしょう?悲しいでしょう?人肌が恋しいでしょう?それが氷の魔力です。
凍えた心は人の温もりを、いいえ、私たち魔物娘が与える魔性の温もりを求め始めます。
貴方もだんだん私たち魔物娘のことが欲しくてたまらなくなってきているのではありませんか?」
「くっ!」
ウィルマリナのその言葉に、底知れないぬるま湯のような優しい闇を、自分も魔物娘に魅了され地の底まで堕とされる恐怖を感じたサティーンは、急いでウィルマリナから逃げ出そうとした。
「おっと!逃がしはしませんよ。貴女たち!」
「はっ!!」
ウィルマリナがそう言うと、どこからか魔物娘の騎士たちが瞬く間に現れた。そしてサティーンの行く手を阻んでしまった。
「くっ!はぁっ!回り込まれた…………」
「ふふっ
#9829;
#65039;彼女たちはまだ夫のいない娘たち、未婚の氷華騎士団の団員たちです。
ふふっ
#9829;
#65039;ですから手を出して良いのですよ?私たちはハンターではありませんから私たちから貴方を襲うことはありません…………………が、貴方が欲望のままに彼女たちを襲うことは構わないんですよ
#9829;
#65039;」
物凄く性悪な笑顔を浮かべてウィルマリナは言った。
サティーンの行く手を遮っている魔界乙女騎士たちは、熱を帯びた吐息を漏らし、顔を赤く高揚させて、発情したギラギラした目で、睨み付けるようにサティーンのことを見つめていた。
そんな眼で見つめられて、サティーンも絶望的な恐怖とこれから起こるであろう事を想像し、胸を高鳴らせてしまう。ドキドキさせられてしまう。
「くっ!……………だ、誰が!お前らなんか!魔物娘なんかに堕ちるか!邪魔だ!そこをどけ!」
それでもなんとか残ったわずかな理性と意地で、サティーンは拒絶の言葉を口にした。
「ふふっ
#9829;
#65039;強情を張れるのも今のうちですよ。
それでは特別に見せてあげましょうか。私たち魔物娘が与える何物にも変えられない至高の喜びと地獄のような悪魔のような抗えぬ快楽を…………………
ねぇ?アナタ
#9829;
#65039;」
「あなた!?」
そう言うウィルマリナの傍らには、いつの間にかひとりの男が立っていた。
「紹介しますね
#9829;
#65039;こちらは私の愛しの夫です
#9829;
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