その日の夕方
「今から晩御飯の用意をするんだけど、今日だけは台所に近づかないでね!」
アキラくんはそう言いながら台所に入って扉を閉めた。
「なんだぁ?アキラのやつ…………」
「うふふ
#9829;
#65039;まぁまぁクロロちゃん!私たちはお風呂の準備でもしてましょ!」
ラックはそう言いながらクロロを連れて外に水と薪を取りに出ていった。
「ようし!今日は腕によりをかけて頑張るぞ!」
アキラくんはうでまくりをして、ピンク色のエプロンの紐をぎゅっとしめた。
その日の夜
「ご飯ができたよー!!!」
アキラくんがふたりに呼び掛けた。
「はぁい
#9829;
#65039;アキラくぅん
#9829;
#65039;」
「あー!腹へったぜぇ!」
アキラくんの誘拐犯であるお姉ちゃんふたりがリビングへとやって来た。
「うぉわ!なんだぁ!?こりゃあ!」
クロロはリビングに並ばれた料理を見て驚愕した。
ジュワジュワと美味しそうな音をたてている大きな魔界蜥蜴のステーキ
濃厚な良い薫りを漂わせる川魚のスープ
そして家のすぐ隣の畑で取れた果物を美しくデコレーションした大きなケーキ
普段はあまり見ることのない豪勢な料理がリビングには並んでいた。
「おいおい!どうしたんだよこれ!」
鋭い眼をまるで少女のように輝かせてクロロは言った。
「ふふふ!やっぱりクロロちゃんったら今日がなんの日か忘れてるみたいね
#9829;
#65039;」
「へ?」
「クロロお姉ちゃん!今日はね!僕たちが出会った日なんだよ!誘拐記念日なんだ!」
「あ!そーかそーか!そー言われてみればそーだったなぁ!誘拐記念日かぁ!」
「さぁ
#9829;
#65039;せっかくアキラくんが頑張って料理してくれたんだし、冷めないうちにいただきましょ
#9829;
#65039;」
「そうだな!早く食べようぜ!」
「それじゃあ!!」
「「「いっただっきまぁーーーす!」」」
「あー!うまかったぁ!」
「ふふ
#9829;
#65039;とっても美味しかったわよ
#9829;
#65039;アキラくん
#9829;
#65039;」
「ありがと!」
「………………クロロお姉ちゃん!ラックお姉ちゃん!」
「んあ?」
「なぁに?」
「ぼく…………ぼく!ふたりのことが大好き!」
「んな/////」
「アキラくん
#9829;
#65039;」
「最初はね…………あの街で襲われて……………そのまま魔界に連れてこられて…………
最初は二人ともすっごく怖かったけど…………とっても優しいし!ぼくのことを本気で愛してくれるし!魔界に来てお父さんもお母さんも元気になったし!
あと!あと!あと…………」
「アキラ……………」
「アキラくん
#9829;
#65039;」
「クロロお姉ちゃん!ラックお姉ちゃん!二人とも大好き!一生幸せにするから!
だから…………一生ぼくのお姉ちゃんでいてください!」
「へっへっへぇ!そんなもん
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#65039;アキラが何と言おうと一生お前のお姉ちゃんであり続けるからな
#9829;
#65039;二度と離れてなんてやんねーからな
#9829;
#65039;」
「そうよ
#9829;
#65039;アキラくん
#9829;
#65039;私たちはずーっとアキラくんのお姉ちゃんなんだから
#9829;
#65039;」
「クロロお姉ちゃん
#9829;
#65039;ラックお姉ちゃん
#9829;
#65039;」
「そいじゃあ…………ペロッ!!今日いっちばんのメインディッシュをいただくとすっかなぁ
#9829;
#65039;」
ムギュウ!
「ふわぁ
#9829;
#65039;」
「ふふふ
#9829;
#65039;覚悟してね
#9829;
#65039;何回イッちゃってもぉ…………ぜーったいに離してあげないんだから
#9829;
#65039;」
「んん
#9829;
#65039;」
愛しいふたりのお姉ちゃんに抱きしめられて、少年は熱に当てられトロけたチーズのようにお姉ちゃんに甘え続けた。
この熱くて甘い日々は………終わることがないだろう。
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