人間には、その他の獣よりも遥かに高い環境適応能力がある。生まれ持った能力をベースとして、そこから更に必要なスキルを環境に応じて獲得し、向上させていくことができるわけだ。
人間の上位互換たるインキュバスにも、当然その適応力は備わっている。普段から良く使う部分や技能は発達し、そうでないものは衰退し必要なスキルのために場所を開ける。毎日毎晩同じ箇所ばかり同じ目的に「使って」いたら、その箇所だけが他の同族と比較して、抜きん出て強靭に育つということも大いに有りうる。
どういうことかというと。
「あ、あひひ……しゅご、こんなの……」
「お兄ひゃ……わらひ、こわれひゃ……」
総勢八名の好色で淫乱な魔物娘たちをアヘらせよがらせ絶頂させ、中出しで失神させて失禁させてなお十分に余力を残したままでいられるということだ。
深夜、デルエラ様に与えられた俺の私室では、人間でいうならまだ初潮も来ていなさそうな幼い娘から胸もお尻もむっちりと成熟した大人の女性まで、よりどりみどりの女たちが床に倒れ伏し、未だ引かない激しすぎる性感に喘いでいた。
種類種族は異なれど、どれも皆魔界に名だたる美女たちと言ってよい。恍惚と法悦に圧倒される八人の美女たちは、全て俺の妻である。
ベッドの上に一人座り深い満足感と共に、疲れきって昏倒した妻たちを見下ろして一息つきながら、俺はこの場にいない一人の女のことを考えていた。
女の名はメルセ。「魔物の母」との別名を持つ、エキドナである。
他の魔物娘と同じく、惚れた男とのセックスをこよなく愛する彼女が今ここで子作りを楽しんでいない理由には、心当たりがある。
昨日の夜、メルセは我らが尊き領主殿、魔王女デルエラ様に呼ばれたとか言ってたような覚えがある。これといって特に異常事態も敵襲も無かったし、彼女が呼ばれる理由と言ったら、「蛇神の儀式」くらいしか思いつかない。
「蛇神の儀式」とはその名の通り、選ばれた人間の少女をエキドナへと変化せしめる魔術式のことである。
魔物化技術はデルエラ様や一般のサキュバスたちも有しているが、全魔物の中でも上位に位置するエキドナのような、強力な魔物娘を作るのは簡単なことではない。そのような上位種になれる素質を持った人間女性もそうたくさんいるわけではないので、メルセのような本職の人間に確実にこなして欲しいのだろうか。
基本的に自分と同種族の子供しか産めない普通の魔物と異なり、エキドナはその通り名の如く多くの種類の魔物を生み出すことができる。様々な希少種や変種、時には全く新しい血統すら文字通り産むというその繁殖力は、レスカティエをより良い魔界とするために大いに役立つ。
俺達やデルエラ様にとってレスカティエは「入植した土地」だが、これから生まれてくる魔物たちにとってはそうではない。彼女らにとって魔界都市レスカティエは故郷であり、魂の原風景となるのだ。
今俺たちが住んでいる最も新しき魔界を唯一の故郷として感じる魔物が増えれば、この地の守りはさらに盤石なものとなる。美しき世界を俺たち開拓者の手から次の世代へ手渡すことによって、レスカティエは魔界として完成するのだ。
その為にも、子を産んで殖やす女性の存在は欠かせない。メルセに掛かる期待も、自然と大きくなるのだろう。
ただの人間を如何にして高貴なる蛇、希少な上位種へと転生せしめるのか、俺も少なからず興味をそそられているのだが、メルセは頑として俺の見学願いを聞き入れてくれない。頬を染めて話をそらさんとする彼女の様子を見るに、なかなかに淫らな儀式らしく、見たい気持ちに収まりが着かなくなって困る。
そんなことを考えながら数十回の射精に疲れた肉体を休めていると、部屋の入口から物音が聞こえてきた。床の絨毯に鱗のような硬質な物が擦れる音と共にノブが回され、開いた扉から見えた姿は。
「おおー。ちゃんと起きて、待っててくれたんだな」
「当然だろ。頑張ってきたメルセ一人置いてギブアップなんて、そんなこと」
半人半蛇の魔物娘にして母性と生殖の化身、エキドナ・メルセだった。
乳首と股だけを最低限隠すその装いは、かつてレスカティエ教国で人間として俺の軍事訓練に当たっていた時とさほど変わりない。
が、彼女自身の女性性を否定するために露出された肉体と、それとは逆に俺を誘惑し、女の魅力を魅せつけるために露出されたそれとでは美しさが段違いである。当然今の、誘惑と愛に満ち満ちたメルセの方が、人間だった頃の男女然とした彼女よりも何倍も魅力的だった。
「そうだな。お前は性欲過多のエロ男だから、アタシがしっかり抜いてやらないと眠れないんだもんな。……ふふ、そうだろ?」
「まあな。……でも、ちょっと消耗気味かも。ちんこが疲れて、煙が出そうだ」
「ったく、しょうがないな
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