砂漠に結ぶ恋

 古代の貴重な武具や珍しい呪具、黄金の装飾品が数多く隠されたピラミッドは、人間にとってこの上なく魅力的な探索対象だ。
 勿論、ただ探索すれば手に入るというわけでもなく、大抵の場合ピラミッドはアヌビスやスフィンクス、マミーの軍団などによって防衛されている。体力や魔力で人間を遥かに凌駕するそれら魔物たちの防備を突破して財宝を手に入れるのは、並大抵のことではない。
 しかし、遺跡を守る魔物たちが居なければ、ピラミッドが作られてもう何千年、あらゆる貴重品は奪い去られ、俺たちみたいな遺跡盗掘業が成り立つ余地など無くなっていただろう。そう考えると、本来障害であるはずのアヌビスたちも、余り憎らしくなくなってくる。
 加えてその魔物たちは近年、一匹残らず人間の女性のような、男と番って子を成すことのできる「魔物娘」となった。見目麗しく淫乱な彼女らを心から憎む事など、教会派でもない俺には到底できない。
 まあ、俺には既に同じ遺跡探索者たる伴侶、ニフィルティが居るわけで、魔物娘にアプローチされてもノーサンキューとしか言えないわけだが。
 そのニフィルティは、今日もどこぞのピラミッドにアタックしている。だのに、今も自宅の居間で寛いでいる俺は、仕事をサボっているのかというと、そうではない。
 魔物が男と愛し合えるようになって以来、余程のことがなければ彼女らが人に害なす事は無くなった。どころか、快楽に貪欲な彼女らは、生まれ持った任務よりも男漁りやセックスに重きを置くようになった。ピラミッド防衛のために配されたはずのスフィンクスなども、気に入った男を見つければ王墓を放っぽり出して愛の逃避行と洒落込むとか。
 ピラミッド内部で歩兵として哨戒任務に付く、マミーという魔物たちもそれは例外ではない。アヌビスに従っているのも表面上だけのことで、彼女らはピラミッドの防御よりも、男を見つけてエロエロすることをずっと重視しているらしいのだ。
 ならば、女ばかりでアタックチームを組んで潜入すれば、迎撃されにくいのではないか、とニフィルティの知り合いが思いついたらしい。
 前代未聞の試みだが、やって見る価値はあるとトレジャーハンター達は思った。故に、今俺は家に待機し、ニフィルティの帰宅を待っているというわけ。

 と、玄関の方から物音がした。
 成果があろうと無かろうとまずは労ってあげたくて、部屋の扉を開けると、果たして俺の妻、愛しいニフィルティが飛び込んできた。
 彼女はしかし、出ていった時とは全く異なる奇妙な姿をしていた。
 衣服の類は何も身に着けておらず、代わりに長い包帯で全身をぐるぐる巻きにしている。急いで巻いたのか、腕や足はともかく、胸や股間の隠し方はかなりいい加減で、乳首が秘裂や今にも見えそうである。
 裸に包帯。これではまるでピラミッドの番兵たるマミーの格好そのものである。ミイラ取りがミイラになる、なんて言ってみてもちっとも笑えない。とにかく事情を聴こうとニフィルティに近づいたとき、俺は彼女の異常に気がついた。
 全身を震わせ、荒い息を吐き、熱に潤んだ虚ろな瞳。股の包帯をびしょびしょに濡らし、水滴を床に零しながらこちらににじり寄ってくる。夢見がちに俺の名前を呟きながら、ニフィルティは俺の方へ手を伸ばした。

「レシェフ……レシェフ……ねえ、レシェフ……」
「な、なんだ。どうしたんだ一体」
「う、うふふ、うふふふふ、わ、わたし、もう、むり、もうむり……」
「!?」

 直後、俺は床に押し倒された。動転するこちらの気も知らず、ニフィルティは譫言のように何かを囁き続ける。

「ねえ、私、我慢したんだよ。でももう、むり。だから、ちょうだい。ね?」
「ニフィルティお前、魔物に……」
「ん。私、マミーにされちゃった。もう、お肌が疼いて疼いて、死にそうなの」

 手慣れた様子と強い力で俺の服を脱がし、彼女は俺の腰に跨った。今も身体がびくんびくん震えているのは期待のせいか、それとも飢えか。
 身を隠す僅かな包帯の端から恥毛や乳首が垣間見えるという、あまりにも淫ら過ぎる装束は、いつの間にか俺のものを勃たせていた。 
 マミーにされたというのがどういう事かはよく分からないが、見た目にはほとんど変化無いし、恋人がセックスを求めるというのなら応ずるのが男の勤めだろう。俺は警戒を解いた。

「よく分からんが……エッチしたいって言うなら、良いよ。しよう。でも、先に寝室へ行かないか?」
「やぁだ、もう待てない♪ 今すぐするの♪」

 受け入れてもらえたのが余程嬉しかったのか、見るからに機嫌の良くなったニフィルティはもどかしげに股の包帯を解くと、濡れに濡れた陰唇を俺の亀頭に合わせてきた。
 両脚を大きく開いて身体を支え、一気に腰を下ろし交わる。騎乗位の体勢でペニスを膣に収め、普通ならここから腰
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