『道を逸れた町 カンバス』昼過ぎ
???「遅い遅い遅〜い!あのムチプリマンドラゴラは何をしとるのじゃ〜!」
サバトの受付カウンターの上で地団駄を踏むちんまい魔物がいる。
受付魔女「書類が飛んでしまいます、埃がたちます、目障りです。」
右手で書類を押さえ、左手をパタパタさせてあからさまに嫌な顔をするジト目の魔女もいる。
ここはサバトの依頼受付カウンター。
亭拉を呼ぶために新入りの巨大マンドラゴラを遣いに出したが二時間以上経ってもまだ戻ってこないことに苛立ちを隠せない魔物。
???「折角朝食まで用意しておったと言うのにもう昼になってしまったではないか〜!」
受付魔女「暴れるなら奥の執務室にしてください、スッゴく仕事の邪魔です。」
表情の変わらないジト目の魔女だがこめかみに青筋が立っている。
右拳が震えているのでソロソロこっちの我慢の方が限界だろう。
不思議草「いやー、プリンなんて生まれて始めて食べましたぁ〜。」
テイラ「そりゃー30年間埋まったまんまだったからなぁ。」
シルク「私も少しずつ重いものが食べられるようになってきました。」
スエード「あの程度で何をいっているのだ、魔物娘な肉を食え肉を!」
三人「お前(あなた)(トカゲさん)は食べ過ぎだ(です)(ですよ)。」
ガヤガヤと亭拉達四人がサバトに入ってくる。
???「遅〜い!こっちは朝御飯も食べずに待っておったのに何をしとったんじゃ〜!」
受付台から飛び降り亭拉達の前でピョンピョン跳び跳ね怒りを露にする。
スエード「朝飯を食ってた、ガッツリな。」
シルク「食後のデザートも頂いていました、やっぱりアイスクリームは美味しいですね。」
不思議草「私もご馳走になりました〜、プリン最高でした〜。」
テイラ「ところでこのちっこいのは何だ?ひ○にゃん?」
全く悪びれる事無く答える四人を前に怒りで目眩がしたものの、
???「きききききき、貴様るぁあああああ!」
空中に魔方陣を描き身の丈ほどの大鎌を出し亭拉に斬りかかる。
テイラ「甘い!」
迫る大鎌の刃を左手で摘まみ右手で柄を握り締めふんだくる。
あっけにとられたちっこい魔物を放っといて鎌を近くの柱に突き刺しちんまい魔物の首根っこを掴んでカールした角を大鎌の柄に引っかける。
???「おーろーせー!おーろーすーのーじゃー!」
脚が地面につかないうえに手が角を引っかけた大鎌の柄に届かないので虚しく手足をじたばたする。
テイラ「確か『バフォメット』が呼んでると聞いたんだが?」
受付魔女「それが「バフォメット」様です。」
受付魔女の言葉にチラリと吊るされている魔物を見る。
テイラ「これが?」
受付魔女「ええ、それが。」
…
……
………
執務室
バフォ「まず自己紹介じゃな、ワシはこのサバトの主『コットン・オーガンジー』バフォメットじゃよ。」
身体に不釣り合いな応接椅子にふんぞり返っているが先ほどのやり取りのせいで欠片も威厳が感じられない。
因みに向かいのソファーにはスエードとマンドラゴラが、亭拉はシルクを巻き付けたままだと背もたれの有る椅子に座りにくいので横のサイドテーブルに座っている。
受付魔女「当サバトで事務仕事を一手に引き受けております『ポプリン』見ての通り魔女です。」
続いてバフォメットの隣に立っていた受付の魔女も自己紹介を始める。
テイラ「亭拉…いやここじゃ名前が先か、『アキラ・テイラ』旅人だ。」
シルク「『シルク』です、『ブラジア』からテイラ様の道案内をさせていただいています。」
スエード「『スエード』修行中のリザードマンだ。」
一人一人自己紹介を済ませていく亭拉達であったが、
不思議草「マンドラゴラの…えーっと、私名前がありません。」
何故か亭拉側に混じっていたマンドラゴラも一緒に自己紹介を始めた。
コットン「お主が掘り出したんじゃろ?名前くらい着けてやれ。」
亭拉に視線を向ける。
テイラ「この町でも『名前を付けた相手と結婚』なんて風習はないよな?」
まさかとは思ったが一応聞いてみる。
コットン「そんな風習ありゃーせんからさっさと付けい、こっちとしても呼びにくいんじゃ。」
手のひらをヒラヒラさせて急かすコットン。
シルクがいつもよりほんの少し巻き付く力を強くしたのを感じた亭拉は首に回された彼女の手にそっと自分のてを重ねてから、
テイラ「じゃあ『ホップ・サック(Hop・sack)』でいいや。」
かなり適当に決めたつもりだが本人は気に入ったらしく頭の花わゆらゆら揺らしている。
テイラ「で、こんな事のために呼び出した訳じゃないんだろう?」
テイラの言葉を聞いてコットンはニンマリと笑いながら答える。
コットン「お主の収穫したマンドラゴラがことのほか上質での、作れる薬の種類も効果も格段に良くなった。」
も
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