『恋の夕立に注意♪』





ジリジリジリジリ・・・

「・・・ふぅ、あついわぁ・・・蝉も五月蝿いし…」
昼下がりの午後、市立図書館と書かれた非常に大きな建物から出てきたのは褐色肌で、腰まである銀髪のストレートをふわりと風が撫でていったプロポーション抜群のモデル体系のダークエルフだった。

「ん〜っ!!・・・・さて、家に帰ってパンナコッタ(砂糖を煮詰めて作ったデザート)でも食べようかしら?」
目を瞑り腕を思い切り天に掲げて伸びをした彼女はそのまま肩に手を当てセルフ肩揉みをしてそういった。

すると前の方から彼女の見知った顔が何かを肩に下げてやってきた。
それを見つけた彼女が腕を小さめに振って自己の存在をアピールした。

「お〜い、ミーディア〜」
「おりょ? ナディ?? どうしてここn・・あぁ図書館帰り?」
「そう。貴女は・・・あぁ、プールに行くのかしら?」
だらしなく開けたYシャツからのぞく大きな胸に汗の珠を浮かばせて長い金髪の髪をお団子ヘアーで纏めた彼女と幼馴染で親友のエルフ、ミーディアが「あれれ?」という顔をして自身をよんだ褐色肌の彼女、ダークエルフのナディアントのもとへ駆け寄る。
そして互いの疑問は良く観察すれば分かるものだった。

「えへへ〜、そうだよ。彼に呼ばれてさ・・・初水着披露なんだよね♪」
「はいはい。ご馳走様。」
「むぅ〜・・・ナディだって彼氏つくんなよ? 今までの価値観かわるよ?」
にへらっ、として口にだらしなく涎を垂らしそうなほど崩れた顔のミーディアに対して冷めた目で少し冷たくなるナディアント。
その反応に今度はムスー、っとして頬を膨らますミーディア。・・・・正直にいうと、かわいい。

「彼氏・・・ねぇ? うーん・・・ビビッとこないのよねぇ・・・」
「あ、ソレ分かる。私も彼に会うまでは今のナディと同じだったもん。」
「・・・・まぁ、きっとそのうち見つかるんじゃない? それより・・・時間は大丈夫なの?」
運命的な出会いを期待する恋する(しようとしている)乙女達は互いに首を「うんうん。」縦にふる。
ふと「あ。」とでも言うような顔になったナディアントが図書館前の広場に高々と掲げてある柱時計に目をやると結構な時間が過ぎていることが分かりすぐさまミーディアに話題を止めて注意をする。

「げぇぇっ!? 遅刻するっ!??」
そういった彼女はコカトリス顔負けのダッシュでプール(学校)方向へ走り出した。
・・・数秒で見えなくなった。

「はぁ・・・相変わらずの体力バカなのね。ミーディアは。」
溜息一つと親友が起こした風で舞う髪を押さえて呆れ顔のナディアントだった。

「・・・私だって恋したいのよっ」
そういうと顔を顰めてしまった。

「はぁ、帰ろう。」
と、しょんぼりして俯いたまま歩き出したナデイアント。

前を見ないと危ないわけで?



ドンッ



「わわわっ!?」
「きゃっ!?」
声を聞くに男の子のようだ。ともかくその子と勢い良くぶつかってしまったナディアントは後ろに尻餅をついて倒れてしまった。

「っつぅ〜〜、す、すいませんっ! 大丈夫で・・・す・・・か・・・・っ!!!」

ピッシャァァーーンッッ!!

その時ナディアントに電撃走るっ!!

「いてて・・・だ、大丈夫で・・・す・・・っ!!」
そして少年にも落ちたようだ。


((や、やばいタイプだ・・・・ど、どう話そうか・・・っ!?))


思考も一緒とは・・・
恋は突然にやってくる、とは言うが・・・

そのまま互いに見詰め合っていると?


「ねぇ? あの人ら恥ずかしくないのかな?」(ヒソヒソ)
「さぁ? でもそういうプレイ中とか!?」(ヒソヒソ)
「てか早く進展しろよっ! もどかしいっ!」(ヒソヒソ)

・・・物凄い周りからヒソヒソ話が聞こえてきた。

「「・・・・・」」
2人は真っ赤になって俯いた。
でもこのままココにいては何かに目覚めてしまうと思ったナディアントは勇気を出して家に誘うことに。

「あ、あのっ」
「は、はいっ?!」
あたりが沈黙する。
空気を読む観客だった。

「(は、はずかしいっ!!)えっと、う、家にきませんか?」

ドヨッ! ザワッ!

「え、えっと・・・は、はい。」

男の子に対してエスコートの意味を篭めた質問に周りがざわめいた。
そして男の子の返事が肯定だった。

すると?



ワァーーーーーーーーーー!


「「っ?!」」
歓声が上がりそれに驚いた二人は周りを見ると・・・


「おめでとう! ・・・夜は激しくね!」
サキュバスのお姉さん。

「おめでとう! ・・・新たな公開プレイの境地をみたっ!」
アマゾネスの親子。

「あらあら、若いわねぇ〜・・・夫に強請ってみようかしら?」
ホルタウロスの配達員。

多種多様の魔物と人に周りを囲まれており物
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