キーンコーンカーン・・・
「・・・っと。はぁい、今日はここまで♪ ちゃんと真っ直ぐ帰るか部活に励みなさい。・・・べつなのに【励んでも】いいけどね♪ じゃあ〜ねぇ〜♪」
その日最後の学校のチャイムが鳴り終わると教室を出た妖狐の先生がドアを閉めると同時に教室がワイワイガヤガヤと騒がしくなり、うち数名は帰り支度を始めた。
「ふぅ〜終わったぁ〜・・・」
「なんで貴女はそうも疲れるのよ?」
ンーーッ、と伸びをしながら気ダルそうに発言した色白耳長金髪の女生徒。
その後ろからハァ、と一つ溜息を吐いて呆れた顔して問いかける褐色長耳銀髪の女生徒。
二人ともモデル並みのプロポーションを持っているし凄まじいまでの美人だった。
「んぁ? だってぇ〜・・・ダルイもん・・・」
「あぁ〜はいはい、貴女は体育系だったわね。少しは勉強したら? ミーディア?」
「だが断る♪・・・そういう貴女だってもう少し運動すれば? ナディアント?」
ミーディアと呼ばれた女生徒は後ろの席へ座ったままクルリと体を90度ずらしフワリ、と金髪の腰まである長い髪を宙に舞わせて振り返えりヒジをついて止まる。
対してナディアントと呼ばれた女生徒は左で頬杖ついてミーディアの様子を見ていた。
ピタッ、と止まったミーディアの鼻先10センチにはナディアントの顔があった。
『・・・フフッ。』
とお互いに微笑む二人。
そして次に言う言葉は二人揃ってほぼ同時に言うのが習慣になっている。
『考えておくわ。・・・・ふふっ♪』
その後再び微笑みあう。
「昔から一緒の受け答えよね・・・アタシ達。」
「そうね、幼稚園からだものね・・・私達。」
「ふふ、ほんと誰が言ったか『色違いの姉妹にみえる』だもん。親も種族も違うっつうのにね・・・ふふ♪」
微笑からニィッ、と笑顔になって顔を離すミーディアに変わらない体勢のままニコッと笑顔になるナディアント。
「そうねぇ・・・確かに種族で分けるならエルフとダークエルフだけどね・・・」
「まぁね♪・・・ナディ、今日さカフェよってかない?」
「いいわよ。・・・ディア、悩み事かしら?」
ミーディァが急にまじめな態度になり放課後のお誘いをするもナディアントはサラッ、と了承の返答をしてくる。
頬杖をついたまま。
「うぐぅ・・・・そ、そうですよぉ・・・」
「ふぅん・・・パフェ3つで手を打ちましょう♪」
先ほどまでのクールな対応が嘘のようにニタァァ、と言う嗜虐的な笑顔になり頬杖を解いて身を少しミーディアの方へ傾けるナディアント。
「ぐぅ・・・わかったわよぉ・・・はぁ・・・」
「よしっ♪ ・・・ふふっ。3つは貴女の分も含めてよ?」
「っ! さっすが〜ナディっ! わかってるぅ〜♪」
最初条件に渋々といった表情だったミーディアを見てクスッ、と笑い優しい笑みで条件を緩和したナディアント。
それを聞いたミーディアは沈みかけた顔を一気に太陽のように表情を明るくしただけでなく、嬉しさの余り立ち上がりナディアントの両手を握りブンブンと上下に振るのであった。
「ちょ、ちょっと?! ディアっ! い、いたいっ!」
「っあ! ・・・ご、ごめんね♪」
「もぅ・・・ふふふっ♪」
やり過ぎた様だが笑ってナディアントはソレを許していた。
そしてお互い帰り支度を済ませてパフェの美味しいカフェに移動を開始した。
風にゆれる同じ長さの金髪と銀髪の長い髪が揺れるたびに。
他愛ない話で微笑みあっているとき。
人々の前を、胸に校章が刺繍された紺のベストに半袖の白ブラウスと紺プリーツスカートと言う二着の学校制服が過ぎるとき。
・・・・その容姿と相成って、道行く多くの人々が振り向いた。
そうこうしていると目的のカフェに到着した。
そしてオープンテラスの席が一石開いていたのでそこに座りそれぞれ珈琲と紅茶とパフェをたのんだのだった。
「んで? ディア。相談って何?」
「実はね・・・この前親戚の娘が遊びに来たのよ。あ、エルフの娘ね。」
「ふむふむ・・・」
手元に届いた珈琲を弄りながら話を切り出すナディアント。
・・・種類はカプチーノだ。
だが明らかに持ってきてもらった砂糖の量がおかしい。
「その娘が不意にこう聞いてきたのよ、『ダークエルフとエルフの違いと見分け方ってなんでしょうね?』ってさぁ〜。」
「ふむぅ・・・」
同じように手元に来た紅茶をーにティースプーンで砂糖を入れてかき回しながらケラケラと笑っているミーディア。
やっぱりその砂糖の量がおかしい。
具体的に言うと、液体と砂糖の比率が1:3だ。・・・入れすぎでは?
「(ゴクッ)・・・・・・・・ん〜足らないかな?」
「(ゴクッ)・・・・・・・・あら? まだ足りないわ。」
糖尿病になってしまいそうな二人であった。
「まぁ、そうね。ディアの質問の返答は
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