『戦って、育てて、○○になる。』



「ふぁ〜ぁ・・・・だりぃなぁ〜」
行き成り大あくびをかますこの女性・・・背に大き目の片刃の大剣を背負い、太陽の下で赤々と光る髪色をした少女が道を歩いていた。

「む、【バッカス】?・・・まぁ面白そうだからいってみるか。」
ちょうど分かれ道に突き当たりその股割れのところに立っていた案内板に【バッカス→】と書かれていたため何気なくそちらへ歩いていた。

「はぁ〜ぁ・・・誰かあたいの胸をアツくするようなヤツァいないもんかねぇ・・・」
ユラユラと燃えている尻尾を振りながらテクテクと歩いていくのだった・・・

そして幾ばくか歩くと・・・

「・・・いいねぇ、鉄の溶ける匂いだ。・・・・相手より先に剣がみつかるかな?こりゃ・・・」
目の前からいくつモノ大きな建物からてつの溶ける匂いとカンカンとハンマーでなにか打ち付ける気持ちのいい音が。
遠くでは色々な種族の人々が大きな岩山を掘っていた。

ゆえにだろうか?
ドワーフ、サイクロプス、ゴブリン、ワーウルフ、オーク、オーガ、ミノタウロス、ゴーレム・・・
パワー系の魔物が多いのは・・・

女剣士は近くにあった無料の案内冊子を一枚引っこ抜いて広げる。
「・・・・鉱石と鍛冶の街、工業都市【バッカス】か・・・」
ちなみにお土産は純鉄鋼(99.999%)のネームプレートで海水や風雨に晒されても輝きが衰えないとか・・・

「なるほどね・・・ん?【大衆食堂が多い】?!・・・・よし腹ごしらえだ。」
・・・パンフレットの一文に引かれて直ぐに動こうとするも・・・

(・・・なんだ? さっきから視線を感じる・・・)

・・・街に入ってからというもの背中にじっとりとした視線を感じていた女剣士はあたりを警戒する・・・と・・・?

「うりゃぁぁぁぁ!」
「おっと!」
・・・いきなり子供に襲われた。子供に不釣りあいな大人の膝までの長さのあるサーベルを上に掲げて力いっぱい振り下ろす子供をバックステップでかわし、振り下ろしきった子供の手首を手刀でうち武器を落とさせて片腕を掴みグイッと持ち上げた。

「行き成りなんだい? それに奇襲ならもっと気配を殺して声を上げずにやりな。」
「うぐ・・・ぅ・・・」
注意だけすると女剣士は掴んでいた腕を放し子供を解放する。・・・と、同時に子供は自分の武器を回収して走り出して距離を置いて振り返り・・・

「・・・またくるぞ!」
と台詞を吐き捨てるとどこかへいってしまった・・・

「・・・なんだったんだい? ありゃぁ・・・」
・・・呆然として立っていた女剣士であった。

大衆食堂にて腹を満たして街を回っているときも数回襲われ、其のたびに追い返す・・・夜になると何事も無く宿屋についたのでそのまま就寝した。



が。



次の日・・・
宿屋を出た瞬間。

「しょうぶだぁぁ!」
再び少年が女剣士を襲う。

「しつこいね、坊やっ!」
昨日と変わらぬ太刀筋で上から綺麗に縦一文字に切りかかるも、今度はバックステップで避けずに懐に潜り込み剣を持った手首を掴むと・・・

「そぉい!」
「あがっ!?」
・・・その手首を捻りこみ、ぐっと手首を寄せて女剣士の肩を支点に背負い思い切り少年を地面めがけて投げ飛ばす。受身を知らない少年は地面に叩きつけられて肺にあった空気が一気に抜けて・・・気絶した。

「・・・ったく、なんなんだい・・・」
女剣士は少年から武器を取り外すと宿屋の一室を貸してくれと宿主に断りをいれチェックアウトしたての宿に再び入るのだった・・・

部屋の一室のベッドに少年を寝かして自身はどこかに行ってしまった女剣士・・・
ドアを出て暫くすると・・・

「・・・う、う〜ん・・・・あれ? ・・・ココ・・・は・・・?」
少年が目覚めた。途端に・・・

ガチャッ

「お? ちょうどいいタイミングだったか。」
女剣士がちょうど帰ってきた。ソレを見て少年は・・・

「っ! サラマンダーっ・・・・あ、あれ? ・・・武器が・・・ない?!」
臨戦態勢をと・・・ろうとするが武器が一切合財なくなっていることに今気付く。

「アホか? わけも分からず襲ってくるようなヤツに武器を持たせられるかっての・・・」
女剣士は腕を組んで入り口近くの壁に凭れ掛かり溜息を吐く。

「・・・んで? 二度も襲撃したんだ。其のわけを聞こうか? もしツマラナイ理由なら・・・正当防衛として・・・わかるな?」
問いかけつつ女剣士はゆっくりと大剣の柄を握る動作をする・・・とはいえ、ただの脅しなので本当に切る気はさらさら無いようだ。
それでも凄みを入れると・・・迫力があった。
そしてその大人ですらビビる迫力の中で観念したかのように・・・

「俺・・・強くなりてぇんだ。」

ピクンっ!

・・・女剣士・・・サラマンダーの少女は反応する・・・

「強くなって・・・貧
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