「・・・・そうだ。遺跡に行こう。」
そういうと窓の外をボケーッとイスに座って机に頬杖をついて外を見ていた男、【ライクス】は立ち上がり後ろにあったウエストポーチと茶色のロングコート、コートと同色のテンガロンハットを身に付け・・・
【ライクス教授研究室】と銘打たれた扉を開けて廊下に出た。
「きょ、教授っ」
「んぁ?」
・・・で、すぐさま後ろから声をかけられた。
「なんでしょうか? 副教授さん?」
「また講義サボるんですかっ!? ・・・たしかに教授の発見、発掘は素晴らしいモノがありますが・・・貴方は【先生】でもあるんですよっ!?」
・・・どうやら幾度となく講義を休講にしているようだ。
だが彼は決まって・・・・
「はいはい・・・・まぁ〜後でやりますから。・・・・・では。」
と、取り合わずにサッサと大学から出て行ってしまった。
・・・彼は一部で【不良教授】とも言われていた。
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
「ふぃ〜・・・あっついなぁ・・・・・だがソコがイイっ♪」
そして彼がやってきたのは砂漠の入り口にある親魔領の街『アカサ』であった。
ここで彼は何をしているかというと・・・
「・・・お、ちょうどいい・・・」
【遺跡案内所 アカサ支部】と書かれた看板に歩いていく・・・
そして【OPEN】と書かれた札が下がったドアをゆっくりと開けると・・・
・・・中は閑散としていた。
「いらっしゃいm・・・・なんだ・・・アンタか・・・」
・・・受付嬢がライクスに気付いてカウンター越しに上半身を起こして挨拶をし・・・ようとしたら溜息を吐いた。
見た目は人のようだが・・・【髪が蛇】なとこ以外は・・・
「まぁまぁ・・・どうせ暇なんでしょう?」
と、カウンターへ歩を進めながら帽子を取って挨拶をする。
・・・皮肉たっぷりで。
「うっさいわねぇ・・・・・・んで? 今回は何がいいの?」
まるで往年来の友よろしく先がわかるやり取りで彼女は腕を組みながらライクスに【尻尾】で指(?)さしながら問う。
「おぉ、判っていらっしゃる♪・・・んと・・・今回は・・・難易度高い遺跡を頼む。」
「はぁ? そんなのでいいの?・・・何時ぞやの『髑髏水晶』や『命の杯』みたくアイテム指定じゃなくて??・・・・・・まぁ、そのほうが検索は楽だわね・・・・」
普段の彼からは到底思えないような以外な言葉に吃驚するも・・・
受付嬢の【ネリー】は淡々と書類を調べ始めた。
そして暫くして・・・
「・・・・ほい、あったわ。その条件だと3つね。」
コーヒーを飲んで待合のソファで寛いでいたライクスのもとへズリズリと体を引き摺って現れたネリーが紙束をライクスへ投げ渡す。
それを自然とキャッチして左で器用に捲りながら右でコーヒーを飲む・・・
「ふむふむ・・・【ギルタブリルの谷にある『古代神官の宝物庫』】、【砂嵐の荒れ狂う丘陵の『古代都市郡』】、そして・・・」
・・・聞いた限りどれも人間として受けてはいけないような気もするが・・・
「【アヌビスの守る『宝剣の墓稜』】・・・・・・・・・・これがイイ。」
・・・そういってそのページを開いた状態でネリーに投げ返す。
見事キャッチしたネリーは呆れ顔でライクスを見ると・・・
「なんで貴方って・・・こう・・・その場のノリで生きているような印象しか生まれないのかしらね・・・仲介料。」
「・・・ほい。」
立ち上がり、懐のウエストポーチから硬貨を何枚か出し、ネリーに手渡す。
「まいど。・・・・案内はどうする? 」
「いい。【適当に脅して】案内させるから。」
「・・・どうしてアンタが捕まらないか不思議だわ・・・」
金を受け取り溜息しながらも相手を心配するネリーだったが、ライクスの一言でまた溜息をつく。
「んじゃぁ・・・いってくらぁ〜よ〜」
「はいはい、もうできるだけ来ないでね。」
ライクスはそのまま扉へ向かっていく。その後姿越しに毒を吐きながらも微笑んでライクスを見送るネリーがいたのだった・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
「・・・ふぅ・・・結構遠かった。・・・ねえ、お姉さん? ここでいいの?」
「ひぃっ! そ、そうだよ。この先の墓稜にいるよ・・・っ」
・・・彼は【ギルタブリル】の背に腕を組み、足を胡坐に組んで乗りながらその下の本人に笑顔で聞いていた。
・・・どうやって彼女を屈服させたのかわからないが・・・彼女が怯えているから・・・相当なことなのだろう・・・
「んじゃぁ・・・ここまででいいです。ありがとうございました。・・・今度からは『ちゃんと相手を見て』襲ったほうがいいですよ?」
「う、うるさいっ! 二度とここいらにくるなぁぁぁっ!」
彼女を止め、ゆっくりとした動作で降りて帽子を取って
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