ここはここは大きな港町『カルタゴ』にされほど遠くないところにある森の中・・・
そこでは一人の少女・・・いや、女性が、木々の隙間から漏れる木漏れ日に起こされたのかテントの中からノッソリと這い出てきた・・・
その女性の様子は・・・
寝相が悪かったのか大き目の胸が着崩れた上着から露になり、それにパンツだけのラフな服装、白くて綺麗なお足・・・艶やかな輝きを放つ腰まである所々寝癖で跳ね返った栗色の長髪、寝ぼけ眼であっても気の強さを示す様な切れ長の目に檸檬色の瞳。
そして・・・
髪に負けぬ艶やかさを持つ『緑の尻尾』と『手足の鱗』に『皮膜が張ったような大きな耳』・・・
彼女・・・『ラスター』は『リザードマン』である。
「・・・」(ボケ〜・・・・)
・・・まだ夢見心地なのか這い出てきた状態からまったく動かないラスターだったが、次第に意識がはっきりしてきたのか・・・・
「・・・っぁ〜・・・・おきるか・・・」
と、欠伸をひとつして立ち上がり「ん〜〜〜っ」と伸びをして動き始めた・・・そのままで・・・
「おっと・・・服服・・・」
・・・すぐにきづいてテントを弄り始めた・・・
そして朝食の準備の為、火をおこし始めたのであった・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
所変わって同じ森の一部では・・・
「はぁ・・・男いねぇかな・・・飛びっきり腕のたつ・・・アタイを『アツく』してくれるような男は・・・」
・・・溜息をつきながら草をかきわけて進む女性が一人愚痴っていた・・・
その特徴は・・・ずっと森を歩いていたのか潤朱(うるしゅ)色の髪には緑の葉っぱが所々についており、鳶色(とびいろ)のリボンで纏めた髪のアクセントにもなっていた。
切れ長の確りと見開かれた爛々と輝くクロムイエローの眼としり上がりの眉、出るとこでて引っ込んだモデルのような体型にそれなりの大きさの筈の背中の『クレイモア』が地面につかないほどの長身、黒いブラと黒いビキニパンツと言うちょっと眼のやり場に困る服装・・・
そして・・・
ベンガラ色の『手足の鱗』に『小さく・・・でも赤々と黄丹(おうに)色に燃える尻尾』とラスターとそっくりな『ベンガラ色の皮膜のミミ』・・・
彼女・・・『マテリオ』は『サラマンダー』である。
「はぁ・・・夫探しの旅も楽じゃないねぇ・・・」
・・・どうやら旅の目的は夫探しのようだった。
「・・・ん? 煙があがっている・・・だれか居るのか・・・!!・・・・男かもしれんっ!!」
前方から煙が上がっているのを目敏く見つけたマテリオは凄い勢いで煙の大元へ向かうのだった・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・・・同じく、森の一部にて・・・
「やっべぇ・・・地図なくした挙句道に迷った・・・如何しよう・・・」
・・・このなんともドジな発言をしたのは・・・男のようである。ガリガリと黒髪の頭をかくと後ろに背負ったリュックを下ろして・・・
「ひとまず飯を食う、まずはそれからだ。」
・・・肝が据わっているのか、馬鹿なのか・・・男はしゃがみ込んで、男の両目の茶眼がリュックをまさぐっていると・・・
「・・・んむ? けふりだ・・モグモグ・・・ゴクン・・・ふぅ・・・いってみるかっ!」
非常食である干し肉を一欠けら食べると・・・
その男・・・『ハジメ・ロッカード』は歩きだした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここはラスターのテント前・・・
「ふぅ〜・・・食った食った♪ やはり朝は肉に限る♪」
そういうと今まで食べていた『兎の丸焼き』の残り粕を焚き火に放り込み・・・
「さて・・・素振りでもするか・・・」
と、テントの中から・・・・刃渡りがおよそ70センチ程ありそうな反りのあまりないジパングの刀が鞘に納まった状態で引っ張り出された。
・・・その直後・・・
「っ!? ・・・・ふっ!」
ラスターは何かを感じ取り、膝立ちから立ちあがろうとしたばかりの不安定な体勢で居合い抜きを『後ろに向かって』放った。
ガキィィーーン・・・・・・
・・・そして重い金属とぶつかる音が発生した。
「へぇ〜珍しい武器だなっ! お前剣士かっ!? 面白そうだっ! アタイと一戦やろう・・・・ぜっと!」
キィーン
・・・ソコには今にもクレイモアをラスターに振り落とさんとしていたマテリオが、ラスターからの不意の一撃に剣を横にして防御をしていた。そして眼と眼があった瞬間に一気に言葉を捲くし立てて一度剣同士を弾かせあい互いに距離をおいた・・・
「・・・不意打ちとは・・・随分と粋な真似をするんだな・・・」
「安心しろよ。どの道寸止めにするつもりだたからよっ」
不意打ちの行為を咎めるラスターに唯々にこやかに笑顔で返すマテリオ・・・悪気は
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