その日も『サトル』はレストランのバイトを終えてマンションの自宅に帰ってきた。
・・・相当疲れているみたいで・・・テンションがグダグダのようだ・・・
カチカチ・・・・カチャン・・・・・ガチャッ・・・
「・・・・はぁ・・・・ただいま〜」
『『『にゃーーー!!』』』
鍵を開けてドアを開けるとお帰りとでも言うように鳴きながら玄関でチョコンと座っている白と黒と茶色いもの。
・・・サトルが一年前から飼ってる愛猫たちである。
「はぁぁぁ♪ お前たちだけが心の癒しだよ〜♪」
とふやけた顔で一匹ずつ撫でていくサトル。
勿論、猫は全員ノドをならしてご満悦のようで・・・・♪
『『『(ゴロゴロゴロゴロ〜♪)』』』
「はぁぁぁぁっ♪・・・・最ッ高ぅぅだ♪」
帰宅時のローテンションはどこへやら・・・・(汗
そして軽く食事をして猫の食事タイム・・・
「うなー」
と、スリスリと顔を擦り付けるのは『リム』・・・茶虎の腕白ッ娘である。
・・・ちなみにサトルのウチには『都合よく』メスしかいません。
「よしよし♪ 直ぐあげるから・・・」
「・・・にゃん♪」
と、ゴロンと転がってお腹をみせて「はやく〜っ」と意思表示しているのは『ネリー』・・・黒の甘え上手だ。
「はぁぁ♪・・・・・でもなでさせてくれないのな・・・・」
と、ショボンとしているサトル・・・そう飼い始めた頃から一匹として頭以外撫でさせてもらったことが無い。・・・・撫でようとすると直ぐに距離を置かれるからで・・・・
「はい。できまs」
「にゃっ♪」
「あっ! 『ララ』っ・・・・またお前は・・・かってに・・・もぅ♪」
皿に餌を盛りリム、ネリーにソレを床に置いていき、最後の皿を持つ為後ろを振り向くと・・・最後の一皿はテーブルの上で尻尾を振りながらおいしくいただいている猫が・・・『ララ』がいた。・・・『ララ』は全身真っ白の猫で、かなりせっかちである。
それをみてもニッコリしながら許してしまうサトルであった・・・
そして夜・・・
「はぁ〜いい湯だった・・・さて明日のために早く寝るか・・・」
と、ベッドルームのに向うと・・・
『『『お待ちしておりました〜旦那様(サトル、ご主人)♪』』』
・・・床に三つ指立ててペコッとお辞儀をする三人の『ワーキャット』が・・・?
「えっと・・・・どちらさん?」
いきなりで困惑するサトルに・・・
「もう、分かってるくせに♪」
「こら『リム』っ、もっとご主人を敬いなさいっ」
「『ララ』の言うとおりです。貴女は敬うと言う気持ちがないのですか?」
と、口論が始まった・・・だがサトルはその口論の中で『気になるフレーズ』があった。
(・・・『リム』? 『ララ』??・・・・じゃあ・・・まさか・・・???)
口論で白熱している3人に向って・・・自分の中で最終確認のつもりで・・・サトルは『まだ出てない名前』を呼んだ。
「・・・『ネリー』?」
ピクピクピクッ
「はっはい!? な、なんでしょうか旦那様っ。」
・・・サトルの中で確定した。
『この娘たちはあの猫たちだ』と。
その証拠にネリーと呼ばれたワーキャット(?)は名前に対して両ミミを三回ビクつかせた。・・・猫のネリーと同じ癖だった・・・
ネリーと呼ばれた彼女は白熱してた口論を強制的に中断し「すいません!!」とでもいいそうな顔でサトルに反応した。
「やっぱり・・・君たちは・・・」
「はい。私達は『ネコマタ』と呼ばれる種族の一端です。」
「そしてネコマタは・・・猫の姿になって人と共にいたりします。」
「まぁその人が『自分の夫』にふさわしいかみるためだけどね〜。」
・・・毛色からして・・・黒い毛で丁寧な言葉遣いをスルのが『ネリー』、白い毛で女友達同士の喋り方するのが『ララ』、茶虎の・・・ガチでタメ口なのが『リム』のようだ。
って・・・ネコマタって・・・・図鑑にのってなかったんだけど・・・・
「ちなみに私たちの種族が表に出始めたのはつい最近ですので・・・」
と、心情を察した『ネリー』が説明してくれた。・・・・いい娘だ・・・。
・・・ん?! さっきの会話・・・なんかおかしいフレーズがっ?!
「・・・夫って・・・・どいうこと?!」
『『『そのままの意味ですが ?』』』
三人してハモッたよっ!?
「そしてネコマタはその人を夫としてふさわしいと判断いたしますと・・・・」
「このように・・・」
「目の前に現れるってわけさ♪」
・・・あれ? それって・・・つまり・・・
「・・・・俺?」
と、人指し指でサトルが自分自身を指差すと・・・
『『『 他に誰がいると? 』』』
また見事に・・・
「というわけで・・・」
「旦那様・・・」
「僕達を・・・」
『『『愛してください。』』』
「・・・
[3]
次へ
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想