『私もシたいっ! 』


魔界のそこかしこには大量の触手達が蠢く俗称【触手の森】がある。
元来、女性を遅い快楽漬けにしてしまうという恐ろし……いやらしい植物たちである。
ただしそんな植物、触手には個性があまりなく大して知能と言うものもない。
しかしながらその触手達を纏める役をするちょっと賢い触手ちゃんがいるのだが、皆さんは御存じだろうか?
その触手ちゃんは【テンタクル・ブレイン】というのだがなんと人の言葉を理解しちゃうぐらい頭の良い子(?)なのだ。

(……あ、今日も来た)
うねうね、うねうね。たくさんの触手達に混じって華麗なおめめがパチクリと。
小さな小さな頭脳ちゃんは今日もやってきたカップル達に快楽のKI☆WA☆MIを教えてあげるのだ。
でもそんなテンタクルちゃん、ちょっとした願望が出てきたようで。

(いいなぁ〜、私もあの妖狐さんみたく男の人と交わってみたいなぁ〜)
今日の獲物、もとい享楽者は妖狐のカップルである。
服を脱ぎだしたのを合図に妖狐達を夥しい数の触手が襲う。
ふさふさの三本尻尾を一本の触手がきゅっと纏めて宙吊りにすれば、まわりの触手達は妖狐の至る所に触手を這わせて楽器のように妖狐から音をひきだしていく。
つぶつぶがたくさんついた触手で素股をすればビブラートのかかったアルトの声、吸引タイプの触手が乳首をきゅっと吸っては離すでアクセントが強いが弱弱しい声でソプラノが響く。
またネバネバタイプが妖狐の耳を男性器のようにずっぽずっぽと出し入れすればクレッシェンドにくぐもったテナーで歌いだす。
そんな妖狐を荒い息を吐いて見続けるのは妖狐の旦那さんと思われる男性であるが、伴侶がトンデモなく淫らに犯されているのを見て股間の槍もすでに天を突き破る勢いだ。

(あ、もう男の人カチカチだ…もういいかな? )
テンタクルちゃんはそっと男の人の前に妖狐の局部を晒すように触手を指示して動かしていく。
くぱぁとだらしなく開いた割目からは普段の交わりの倍以上の液が垂れ、むんむんとした雌の香りを放っているものだから雄としては最高級のオカズもんであり、男がそれに口を当てて啜りだすまで一秒もいらないのは道理である。
空気と一緒に啜るものだからはしたない水音が森に木霊すが聞く人なんて誰もいやしない。いや、いてたとしたら逆に見せつけようとするだろう。それが魔物娘と夫婦になるということだから。

(それじゃメインディッシュ……イッてみましょ♪ )
男の方にも触手を這わせて手足を拘束したのち宙へと釣り上げて妖狐共々触手達による強制前後ピストンが始まった。バスとアルトの混声合唱はバラバラに聞こえもするが次第にテンポがあっていき、触手が妖狐の尿道と男性の肛門にずっぷずっぷと刺さったことで最大級のクライマックスが訪れる。
妖狐の膣じゃ収まりきらない特濃白濁液がぼとぼとと地面に落ちていくがその数割が運良く、いや運悪くテンタクルちゃんの頭の上からビチャビチャと降ってきた。妖狐の黄金色の液と一緒に。

(あぅ!? ……あ、これがせぇえき……おいしぃ♪)
グランドフィナーレを決めた妖狐夫婦をそっと地面におろし余韻に浸っているテンタクルちゃん。のぺーっと可愛い目を細めて赤くなるほど興奮したのか。
興奮冷めやらぬテンタクルちゃんを他所に妖狐夫婦は早々と森を後にしてい行ったが、ちょっとした変化がテンタクルちゃんに起きは始めたのだ。

(…あれれ? 熱が引かない!? え、なんでなんで? )
あの妖狐夫婦のおこぼれを被った後から一向に体へ残った火照りが消えないのだ。
時間にしておやつ時から夕餉の時間程立つというのに、である。

(うっ!? あ、あつ、ぃ、熱いっ!!!? )
その火照りはほどなくして身を焼くほどの高温へと変わる。
わたわたと短い己の触手を激しく動かすも、残念ながら彼女は一植物、転げまわることも扇ぐこともできないのでなんの役にも立っていない。
ぐったりとしていく彼女を周りの触手も心配そうにざわざわ、ぬりゅぬりゅ、うねうね、とそれぞれの方法で気にかけているようだ。

(ぅあ、の、伸び…っ!? )
しかし彼女はただ熱を出しているだけじゃあなかった。
体としてある地面から出た緑の部分、それが急激に成長を始めたのだ。
みりっ、みりみり、とただ最初は伸びるだけ。しかしその副茎はやがて枝分かれ、次第に複数の大きく太い今までとくらべものにならない触手へと変貌した。
背丈も元々のこじんまりしたものの何倍も大きく、主茎の部分に至ってはなんと女性らしい体躯にシルエットが変わっていったのだ。
最初は股ができ、次第に腹部が形成されきゅっとしまったウエストが。
ウエストには元々の目みたいなものが4つ、そのまま成長は止まらず次にふくよかな胸が形成された。
更に成長が進み三つに先が別れた主茎はそれぞれ腕と頭のように
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