ーーーZzz……
きょうもとってもいぃてんき。
しろいモコモコのみんなにかこまれて、あったかヌクヌクきもちぃなぁ。
フカフカのくさのジュウタン、かぜでサラサラながれてて。
そんなかぜさん、あったかポッカポカ。
ーーーZzz……
みんなといるのはタノシイ。
あったかいし、ぬくぬくするし。
でもでも、わたしはみんなとちがうの。
ぐんにゃりまがったひつじのつの、ピコピコはねるみみ。
でもでも、おかおはニンゲンさん。
おててとあんよはニンゲンさんみたい。
でもでも、あんよはヒヅメがあるの。
あと、からだのあちこちがフワフワのモコモコ。
でもでも、おへそとかあちたこちツルツルなの。
ーーーZzz……
わたしはマモノというらしいの。
ワーシープ、とか。
わたしはマモノだからニンゲンさんにはキラわれてるの。
ニンゲンさんとちがう、から。
このまえぜんしんをキラキラなかたいモノでおおわれたヒトたちにおわれたの。
マモノはいきてはいけない、らしいから。
わたし、そんなにニンゲンさんとちがうかな……?
ーーーZzz……ぁ…
あれれ?
きがついたらもうおそらがあかいよ?
あ、しろいモコモコのみんながたちあがった。
いどうする、の?
あ、ま、まってぇ、わたしをまきこまないで……あ〜〜れ〜〜?!
ーーーカラァン!! カラァン!!
「さぁお前たち小屋に入っ……ん?」
わ、わわっ!
なにかオオキイこやにながされたとおもったら、おっきなベルをもったちっちゃなニンゲンさんがいました!
た、たいへん、たいへんたいへん!!
わたしにげなきゃ、でもでもこのこたちでうごけないぃ!
ーーーぐいっ
「君は……ワーシープかい?」
はわわ!?
くびをつままれましたぁ!
い、いたぃですぅ!!
「あ、ごめんごめん! それでワーシープなのかい?」
うぅ、ちいさなニンゲンさんちからもちです。
わたしとたかさ、かわらないのにぃ。
「そうか、ワーシープだったか。家は何処かにあるのかい?」
そんなものないですよぉ、だってわたしはへんなニンゲンさんからニゲテきたばっかりだもの。
こわかったです。
「あらま、大変だったなそいつぁ」
……なんでわたしをみてもこわがったり、さけんだり、いしをあてないのです?
「んなことするかよ。ここは親魔物領の一角だし、こんな俺と同じぐらいのガキに石投げつけるバカはここいらにゃ絶対いねぇよ」
……ニンゲンさんいいひとです。
「そんなキラキラした瞳で見るなよ、恥ずかしい。ん〜、ちょと待ってろ」
あれ、ニンゲンさんどこにいくのです?
あ、あかいモノのなかにはいっていっちゃいました。
はわわ、こんどはでっかいニンゲンさんたちがあのコと一緒にでてきたのですぅ!?
「おぉ、本当にワーシープの子だな!」
「あらかわいい♪」
「おぅ!? ふかふかだなっ!!」
「肌触りすんごいスベスベ!!」
「お、角は羊と同じだな。あ、尾切りしてないとこんな感じになるのかぁ」
「あら蹄が歪みかけているわ……直してあげるわね」
はわわわぁ!? お、おんなのこばっかりですぅぅぅ!?!?
あ、だ、だめぇシッポだめ!
あぅっ!? ミミ、くりくりしないれぇ!?
ひぃぃ!!
「おいっ!! ねぇちゃん達っ!!」
『あ、ごめん……』
あ、あぁ、さっきのちっちゃいニンゲンさんだぁぁ!!
うぇぇん!! こわいよぉぉぉ!!
「あぁほらヨシヨシ……すっかり怯えてるじゃねぇか!!」
『は、はぃ』
「いい姉さんたち? 貴方たちはいつもそう、やりすぎなの」
「で、でも」
「だまれよ?」
『は、はぃ……』
はわわ、なにかちっちゃなニンゲンさんおこっているのです。
ちょっとこわかったのです。
「ということで、このワーシープのはぐれっ子を『家族に』してもいい人?」
……え?
『異論なしっ♪』
「よし。んじゃコッチに来てテーブルに座れよ、ちょうど飯の準備中だったからな」
え、えっ、えっ!?
わ、ワタシはマモノだよ?
い、いいの?
「……? なにか問題あんのか? 」
「う、ううん! 何も…ないっ♪」
「ぉわぁ!? ちょ、抱き着くなよ!?!? っておぃ! なんだよ姉さんたちっそんな笑顔になりやがってぇ!?」
ーーーわたし、きょうからかぞくになりました♪
ーーーあ、かれのことなんてよぼうかな?
ーーー……『ダンナさま』にしようかな♪
【完】
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