(・・・あれ? 私は・・・なんで海の底にいるの?)
マコは自分がおかれている状況に疑問を持っていた。なぜならば・・・
海の底から空を見上げているから・・・
(・・・私はどうして・・・ここにいるの?)
マコは過去を思い出そうとゆっくりと目を瞑り・・・思い始めた。
(私は・・・嵐の夜・・・家族の漁船が心配で・・・同い年の15歳の彼氏の・・・ナオ君の静止を振り切って・・・船着場に・・・それで・・・止め縄をしっかりむすんだ・・・あとに・・・・・・っ!!)
彼女はしっかりと思い出した!!
(そうだ・・・私・・・『流された』んだ・・・そしてそのまま・・・海に沈んで・・・あぁ・・そうか・・・)
私・・・死んじゃったんだ・・・・
(・・・でも・・・なんでか体の感覚があr)
ふと自分の手のひらを月明かりの空にかざした・・・・
「え ??・・・・な、なによ・・・コレ!!」
その手は・・・真っ青だった。
バッ!!
そして体全体を見るマコ・・・その眼でみてしまった・・・自分の姿を・・・
体全体が蒼く、足『だった』ものはヒレになり、尾ひれが生え、手を耳へ這わせると横に尖っていて・・・頭には角のようなモノが・・・
「わたし・・・人じゃなくなった・・・の・・・」
lt;
lt;怖がらないで下さい・・・
gt;
gt;
「っ!!・・・・だっ誰ですか!!?」
lt;
lt;貴女はあの夜、海に溺れて死掛けでした・・・でも貴女から必死に生きようとする気持ちとともに、誰かに謝るように叫んでいました。
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「・・・!! ・・・・ナオ・・・くん・・・」
少し涙ぐむマコ・・・
lt;
lt;おそらく思い人でしょう? そんな幸せな人をこのまま死なせてしまうのは忍びないので・・・『ネレイス』になっていただきました
gt;
gt;
「グスッ・・・ねれ・・・いす???」
lt;
lt;海の魔物の一種です。
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gt;
「・・・魔物・・・」
(魔物・・・か・・・街で見かけることが多かったけど・・・まさか自分がなるなんて・・・)
lt;
lt;・・・彼と一緒にいたいですか?
gt;
gt;
「っ!? モ、勿論です!!」
lt;
lt;ふふっ、正直ですね・・・ではココで少し力を付けて彼を迎えにいきなさい。今の貴女のままでは陸にすら上がれませんから・・・
gt;
gt;
「あっ、あなたは・・・?」
lt;
lt;わたしは海神ポセイドン・・・貴女の生みの親でもあります・・・
gt;
gt;
「・・・わたし、また・・・彼に会えるんですか ?」
lt;
lt;えぇ・・・ただ其の為にはココで魔力を貯めないといけないので・・・5年ほど居てもらいます・・・
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gt;
(5年・・・か・・・でも!!)
「・・・分かりました!! また、ナオくんに会えるなら!!」
そしてマコはソコから5年、海の底でひたすら思い人のために力を蓄えていた・・・
5年後、地上・・・ナオの家・・・
一階建ての海の見える平屋・・・そこのテラスにてを突き燦々と降り注ぐ太陽を仰ぎながら彼・・・ナオは思いにふけっていた・・・
(・・・あれから5年か・・・)
「マコ・・・オレあの時おまえにもっとキツく注意していれば・・・ずっとその後悔しか無かったよ・・・」
(本当に今でも思い出すと辛くなる・・・酷いときは海に身投げしそうになったり、首括りかけたりもした・・・でも・・・)
「・・・ナオ・・・」
と心配そうにナオを見つめる女性・・・同い年だろうか?
「・・・ぁ・・・ゴメン、ナナ。」
「・・・うぅん、私も時々思い出しちゃうもの・・・マコのこと・・・」
「・・・あの頃良く3人で遊んだな・・・」
「ふふっ、15歳になって幼馴染といっても女の子と遊ぶのはちょっと変わっていたかもね!!」
「ちょっ!! ナナ!! 」
そう、彼女・・・ナナはマコ、ナオの幼馴染であり・・・
「・・・でも、ちょっと悔しいな・・・」
「えっ? 」
「今『彼女』になってるアタシよりもナオの心に残ってるマコのこと・・・」
現、ナオの恋人だった・・・
「・・・ナナ・・・本当に今までありがとう、な・・・お前が傍で励ましてくれなきゃ今頃・・・マコのもとに逝っていたかもしれないから・・・」
「ナオ、それは言わない約束!!・・・さ、お昼食べましょう。」
「・・・うん。」
フフッと影のある笑いをするナオを心配しながらも微笑んで食事に誘うナナ。
・・・そのとき2人は気付かない・・・
『水面から顔を出していた何者かの視線に』・・・
チャプン・・・
そしてそれは静かに水中へと姿を消した・・・
夜・・・
リビングで暖を取っていた
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