『シスコンすぎる姉・・・』

「カルディナさーん! 郵便でぇす!」
「うむ、いつもご苦労」
「はい! ではまた朝にでも!」
「おぬし、朝は石になっているだろうに…」

私はその日、優雅な朝食…あぁ、一般では夕方だから夕食か。
それを食べ終えて母上から送っていただいたハーブティーを蒸らしている最中だった。
600年間ずっとイロトワーホルという町で看護婦をしている母上はこれ以上ないくらいに人望が厚く、未だにそこら一帯から患者が母上の看病目当てにやってくるほどでありそれは娘である私の自慢でもある。
そんな母上は時折こうして貰いすぎた物を手紙とともに空輸でジパングの私の所までおすそ分けしてもらっている…本当に感謝してもしきれない。

そんな私の元へはいつも決まった配達員が届けてくれる。
…何? 執事がいないのか、だと?
…悪かったなっ! まだそういったものはいないのだよ!

おっと失礼、話を戻そう。

その日貰った手紙を受け取り、笑顔で帰っていくガーゴイルの配達員を送り出した私は手元の郵便物を確認していくと…気になる人物からの手紙があった。

『親愛なる妹へ  ヴィラ=バルドラシー』

「…え? 姉上?」

柄にもなく驚きの声を上げ少し気恥ずかしくなって頬が染まってしまう…。
まぁ、誰が聞いているというわけでは…




「そうでぇす! お姉ちゃんだよぉぅ! 」
ーーーむにゅぅぅっ!



「ひゃわぁぁぁ!?」
「おぉ! 相変わらずのデカっパイ! お母さん譲りよねぇ〜ww」

えぇ?! な、なにっ!?
っていうか胸もまれて…っあん♪
…じゃなくてぇぇ!!

「ね、ねぇさぁぁん!!」
「え? 怒った? ゴメンゴメン♪ あ、呼び方♪」

思わぬ声に体が激しく痙攣した…ついでに感じた…のは秘密だっ!
玄関先で後ろを見せたのがいけないのは分かってても…いきなりコレだから姉s…んんっ…姉上は嫌いだっ!

「…んで? 姉上は如何様でこちらに?」
「あれ? 手紙読む前に襲っちゃった? …まぁいいや。私こっちにしばらく滞在するから家に泊めて♪」
「……はぁぁぁぁぁ!!!!???」

な、何を言っているのこの馬鹿姉はっ!
…でもこんなにフリーダムな姉でも私以上に才覚持っているのよね。
10年前は自動車国際免許、8年前は小型船舶操縦、7年前は一等航海士、6年前は弁護士、5年前は…たしかセスナパイロットとヘリ操縦。
挙句一昨年には医師免許まで…
でも本人は主軸に看護婦をしたいらしくて趣味で取った程度…はぁ…

「いいじゃなぁい♪」
「…本音は?」
「可愛いツンツン妹に性的嫌がらせができ…」

「帰れっ! 全力で拒否するっ!!」

…まったく、この重度のシスコン癖直らないものか?
でも種族的にはあっているんだが…

「そんなツンツンしたこと言うと…『ダンピール』が調教しちゃうぞ♪」
「冗談でもやめてっ!?」

くっ…これだからっ!
父上が人間の時に妊娠した姉上はダンピール、その後インキュバス化したのでその後はヴァンパイア。
種族的にも立場的にも弱いというのに…っ!
姉上も最初はヴァンパイアと思われていたみたいだが日中もまったく問題なく歩いていた蓮先生が診察したら…突然変異。
この診断結果を聞いた私は幼いながらに「本能的に」震えたのは…きっと…うぅぅ…

「わかった…わかったわよ!」
「おぉ! 流石ね♪」
「…はぁ…母上からのハーブティーが届いているけど飲むか? 姉上?」

もうあきらめた私は仕方なく姉上を自宅へと招き入れたのだ。
…大いに不安だがっ!




そして案の定、姉上は期待を裏切らなかったよ…うぅ…




「へぇ〜男の子と男の娘か…」
「なっ!? 何を見ているっ!!」

茶を用意するため台所へ少しいた結果、姉上が某怪盗3世よろしく驚異的なスピードで書斎へ移動された上に物色され…それを発見された。
そう…コミケの戦利品貯蔵棚をッッ!
こういう人のプライベートな物を見つけるのが昔から得意だった姉上。
…ぁぁ!  そ、その本はっ!?

「や、やめてぇ!」
「…『そして僕はアツアツになったチンc』」
「うみゃぁぁぁ!?!? 読まないでぇぇ!!!???」

よ、よりによって一番旬な最近手に入れたショタ×ショタ本を声を出して朗読しやがりましたよっ!
しかも心籠って読むから余計に恥ずかしいっ…!
って、私より背高いんだからお姉ちゃんっ!
高く上にあげないでっっっ!

「えぇ〜面白そうなのにぃ〜」
「か、返せっ! お姉ちゃんっかえしてっ!」
「お! いいね、いいねぇ♪」

くっ! と、届かないっ!?
これだけは…この趣味だけは知られたくないのにっ!

「もっと言って…ねぇもっと言ってぇ♪」
「や、やめっ…ダメっ!」
「…男の子同士もいいけど、ふふ♪」

あと少し…あと少しっ!

「チュ
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