…といってもう半年かー…
「どうしたの? クレナイさん?」
あ、い、いや何でもない…
「それにしてはボーッとしていましたが?」
…わかった正直に言う。君を攫ってきたときを思い出していたんだ。
「えっ、あ…あのときですか?」
うっ、紅くならないでくれ…コッチまで恥ずかしい//
「あぅ…すいません///」
幾ら早急な任務だからって前情報を十分に貰えなかった結果がこうだしな…
「…本当はその時誰が目的だったんです?」
…笑わないか?
「笑いません」
…ほ、本当か? 本当に笑わないか?!
「えぇ、本当です」
…そのぅ…お前の隣の部屋の右大臣だったんだよ…
「…あぁ、あのブヨブヨさんですか…」
最初に入った部屋を間違えて君のところに入ってしまったからな…
「あの時は吃驚しましたね。行き成り天井が割れて…降りてきたのがクレナイさんでしたから」
…うぅ…一生の恥だ…///
「ま、まぁまぁ…」
…でも幸いだったのは君が実質的な右大臣だったということか…
「まぁ…あのブヨブヨは仕事を押し付けてあとは豪遊しているダメ人間のお手本のような生き方でしたからね…」
だから私は『一応』任務を遂行することに成功したんだ。
「クレナイさん、言わせて頂きますが…」
なんだ? 我が君?
「…あんなブヨブヨにクレナイさんを盗られなくて良かったです///」
…///
「それにしても随分な早業でしたね…対峙して声を上げるまもなく口を塞がれて裸に…」
…そ、それくらいクノイチなんだっ、出来なければ要人暗殺なんてつとまらんよっ///
「そして繋がって…」
…は、初めて同士で暖かな性交が出来て…実は内心私もちょっと安心していた…///
「そして目的の人と違うことを知って…」
わぁー! や、やめてくれぇぇ!! 私の黒歴史ぃぃ…///
「いつの間にか連れて来られたこのクノイチの里での軟禁…かと思ったら忍びをやめたクレナイさんと同棲…」
…せ、責任は取らなければいかんだろう? …そ、それに離れたくなかったし…
「ふふ♪ クレナイさん可愛い♪」
なっ、か、可愛いとは何だっ! 可愛いとはっっ///
「ではクレナイさんをからかうのはこれくらいにして…弟子達や娘に字を教えてきますね?」
…わ、私も行くぞ!
「え?」
…わ、我が君を守るのが今の私の任務で…い、生きがいだから…そ、そのぅ…ぅぅ…///
「…ふふ、分かりました♪ クレナイさん、護衛お願いしますね?」
ーー承知いたした! 我が君っ! …この命に代えてでも…アナタを守るね♪ーー
【完】
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