ラヴ物語は突然に・・・

ここは大きな港町『カルタゴ』。近くに運河が流れていて『カルサス』とも(距離はあるが・・・)つながっている。名物は海の魔物達による新鮮な魚介と陸の野菜であるが、この親魔物領内では珍しい殆ど魔物しか居ない町としても有名である。

そんな街にふらりとあらわれた行商の青年ラヴィ・トラヴィは

「おおっ!! 本当に魔物娘しかいないように見える!!」
「おや? お兄さん観光かい?」
「いいえ、タダのミミフェチです。」
「会話がかみ合ってないぞ? 」
「おっと、失礼本音が・・・」

と、声のしたほうへ振り向くと・・・

「えらいストレートだね・・・ちょっとは慎んだほうがいいと思うが・・・」

いいえ慎みが無いのは貴女のむn・・・ゲフンゲフン・・・

そこにはいくつかの野菜と大きな牛乳ビンの入った大きなカゴを担いだホルスタウロスのお姉さんがいたのだ。・・・ほんとでかいな・・・

「おおい坊や。あまり見られて気分がいいモノじゃないんだけど?」
「あぁ・・・すいません・・・」
「んで? 観光かい? 」
「いえ、行商の仕入れで来ました。」
「そうかい。んじゃまずは商業中央商社(セントラル・ターミナル)にいくのがいいさね。」
「どうやって行けばいいですか? 」
「ん〜案内してやりたいけど・・・今売りに行く途中なんよ・・・ほら、そこに案内嬢がいるだろう? そこで聞くといいさね。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「いえいえ、じゃあ行商がんばんな〜!!」

そういって手を振り(乳も振れてる・・・)ホルタウロスさんと別れて受付嬢(ハーピーでした。)に聞き、案内通りに行くと・・・

「で、でかい・・・」

そう。城ほどの大きさの建物があり、それが商業中央商社(セントラル・ターミナル。以下CTで略)である。
(「すぐわかるよ。」ってこのことかい・・・)

ひとまずデュラハンとマンティスが守る門をくぐり、事務所へ向う。

運搬係のケンタウロス、ナイトメア、ミノタウロス・・・
書類整理のコカトリス、インプ、フェアリー・・・
荷物の仕分け係のアヌビス、イナリ、エルフ・・・

・・・ほんとに人が数えるくらいしかいないのね・・・

「っと、考えていたら事務所についちゃった・・・さて」

ガチャリ・・・

「あっ、いらっしゃいませ〜本日はどのようなご用件でしょうか?」

すげぇ綺麗な人・・・と思ったらアルラウネでしたww

「はい、野菜の買い付けをしたいのですが・・・」
「買い付けですね? それですと・・・」

と、書類をカウンター越に渡された。・・・今、胸から出てきたキガス・・・

「1つ目は直に農家との契約、もう一つはこちらで集めた野菜などを買っていただく仲介の2種類がございます。それぞれ・・・」

要約すると・・・
1.直契約は間がない分純利益につながるが、不作になることもあるということ。
2.仲介で買うと安定した供給量を約束されるが仲介料金が掛かるということ。
3.いずれの場合も年契約になること。途中で契約破棄する場合はそれなりの金額をはらうこと。
4.税は掛からないが、『その商品の専売商人(ソレしか売らない商人)』にならない限りは年四回、必ず安否確認の為にここにくること。専売の場合は1回とのこと。

「・・・ということで説明を終わります。なにか質問はございますか? 」
「いえ、大丈夫です。」
「では続きまして方法ですが・・・いかがなさいますか?」
「では『直契約』でお願いします。」
「畏まりました。続いて・・・どの野菜ですか?」
「人参でお願いします。」
「では少々お待ちください。・・・・人参の出荷は3件ありますが、いかがしますか?」
「一番良いm・・・ゲフンゲフン・・・3件ともお願いします。
「分かりました。では紹介状をお作りしますので暫くソファに座ってお待ちください。」

〜〜青年待機中〜〜

「ラヴィ様、お待たせしました。コチラが紹介状です。」
「はい。・・・ん? 一件だけやけに収穫が少ないんですが?」
「はい? ・・・あぁ『ミリア』さんの畑ですね? コチラは去年始まったばかりでまだそんなに採れていないんですよ。」
「あぁ、そうなんですか・・・」
「味はとても良いのですけどね・・・」
「そうですか・・・分かりました。では契約がなされた場合は? 」
「紹介状に農家のサインをしてもらい、それをお持ちいただければ『本契約』の手続きをコチラで致しますので。」
「分かりました。どうもありがとうございました。」
「良い結果をお待ちしております。」

と、笑顔で送られたオレは早速その3件へ向った。

〜〜青年商談中〜〜

・・・くっ。なんてことだ。
1件目(ドリアード夫妻)は契約飽和で受けられず、2件目(マンドラゴラ夫妻)は今年で人参の栽培終了と!!
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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33