『禁の封がされたテープは…』



遠くで朝の礼拝を告げる澄んだ音の鐘の音を聞き、やがて大通りは大勢の人でごった返し始めてくる朝方の昨今。
この大通りの一角をフヨフヨとおぼつかない感じで飛び回る魔物娘が一人。
その容姿から察するにピクシー…なのだがなんとも破廉恥な双丘をもっているではないか。

しかし、ただデカイだけではなくなんとも綺麗な形をしているのだろう…

その双丘をポヨン♪と揺らしつつ、明らかなやる気のなさを感じるがどうしたのだろうか?

「はぁ、遥々別世界まで来たんだけど…これが収録じゃなかったらもっと楽しめたのにぃ〜…はぁ、仕事しよぅ。」
徐に手を腰につけてちょっと不機嫌そう…。
だが溜息一つだけして気分を一気に引き締めると、どうだろう。
だらけていた先程の顔が嘘のようになくなり如何にも仕事してますっ、というまじめな顔に。

そして彼女は両手で持っているマイクのスイッチをオン…する前に少しばかりの発声練習をば行って…

ポチッ

「皆さんこんにちわ! キラキララジオの収録ということで今回、イロトワーホルという街にあるいろんな意味で有名なお店なのですが…あ、ありました!」
街のあちこちに視線を移し忙しなく動いて実況をするステラは如何にも場馴れしていますというかんじである。

最初は大通りの露天や店、行きかう人々を映していたのだがステラはどこかの路地へと入って行くと徐々に疎らになっていき終いにはほとんど人が来ないような裏路地ともいえる場所に…

どんどん歩を進めるステラはとうとう行き止まりに着いたが、果たしてそこがゴールだったようで。

行き止まりの左側、小さく看板が立てかけられているそのお店。
【雌キツネの巣窟】と書かれているのがみて取れるが…
ステラは不意に肩から提げているバックからメモを一枚取り出して読み始める。

「はい、そんなわけでおつかいのためにお店にやってきました。買うべきものは…

ローター、バイブ、自動亀甲縛りロープ、クリキャップ…

うう、どうしてこんな破廉恥な物ばかりなの?ローターとバイブは買ったことあるけど…」
収録の為とはいえやはり恥ずかしいのでしょう、俯かせてしまった顔に朱を帯びたステラはとても初々しいですね。

そしてハッとした表情になって…
「来たお店はうちのラジオのスポンサーさんでもある【雌キツネの巣窟】さんです。」
今回来たお店の紹介を抜いてしまっていたようだ。
案外お茶目かもしれませんね♪

そして一つ深呼吸をすると

「ごめんくださ〜い。」
重みのある木製扉を「うんしょっ!」と掛け声をかけながら開けるとカランカランと優しいベルの音と共にステラの来店を告げる。

すると少し広い店内のステラからみて真正面のレジカウンター前で白いブラウスに黒のミニスカート、さらには黒のニーソックスときわどい服装の稲荷が尻尾を振りながら掃除していたがステラに気付き振り返ると中々の美人であった。
…ステラほどの胸はないが(ボソッ

「いらっしゃ〜い。あら、これは可愛いピクシーちゃん。…って、あ! キラキラ☆星のステラちゃんじゃない♪宣伝してもらってありがとう〜。」
ステラの正体に早くも気付いた女店員の稲荷のナリィは小走りでステラに近づいてホバリングしていたステラの手をとり笑顔で宣伝に対する礼を述べるのであった。

「あ、あの…あんまり大きな声で言わないで…」
「あら、ごめんなさい。さて、今日は何をお求めで…」
声を殺してナリィへ「今回はお忍びの収録です。」という旨を伝えるとナリィは耳をペタリと下げて謝罪をする。
しかしすぐに耳をピンと立てて尻尾をゆっくりと振りながら商人の顔へと変わりステラの要望に応えんとしっかりとした口調で本日の用件を聞く。

「ええっと…あうあう、わざわざ買う物を言わなきゃいけないなんて拷問だよ…ローターとバイブと自動亀甲縛りロープとクリキャップが欲しいんだけど…」
顔を真っ赤にしてもじもじとしているステラに対してナリィは真剣な顔で時折うんうん、と頷きながら聞き入るも…

「う〜ん、ローターとロープとクリキャップは簡単ですけど、バイブはそう一口に言われてもですねぇ、いろいろあるんですよ。…どんなのがお望みで?」
これは困った、みたいに顎へ手を添えてもう一方の手を添えている手の肘へとつけて首をかしげるナリィへステラも真剣に要求を形にしていく。

「う〜ん…青の可愛らしいやつとこの間イチゴちゃんにもらった長さ25cm太さ6cmでオルハリコン製の物なら持っているけど…う〜ん、じゃあオススメのを見せてください。」
「そうですねぇ…じゃあ、今私も使っている、これなんかどうですか?サバトが加工に協力してくださった振動水晶です。」
それならば、とちょうどナリィのすぐ右隣にあるディルドー型や爪楊枝型、丸や卵型、果てはダブルヘッド(
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