「…一応確認するけど、あなたは教団の人間?」
少年の言葉に、女性はなぜか複雑そうな顔になる。
そう問われた少年は首を振る。
自分はそう教えられただけで、教団の人間ではない。
そう教えてくれたのは両親のどちらかだったから、もしかしたら父か母のどちらかが教団にいたのかもしれない。
今となっては確認することも出来ないが。
「とりあえず、自己紹介しましょうか。私はミリア、よろしくね」
女性はそう名乗ると穏やかに微笑む。
その笑顔にドキリとしてしまうが、少年も慌てて名乗った。
「あ、ギルバートです」
「そう。じゃあ、ギルバート君。奴隷の話はひとます置いておいて、私が魔族だということはわかるわよね?」
ミリアにそう問われ、ギルバートは頷く。
ミリアには翼やら尻尾といった、人にはないものがあるのだ。これで魔族だとわからない者はいないだろう。
「わかった上で言ったわけか。ところで歳はいくつ?」
「…14です」
よくわからない問いかけだったが、ギルバートは素直に答える。
「14か。さすがに若すぎるわね…」
ミリアは困ったように笑う。
「話を戻しましょう。魔族にお願いをするのだから、当然あなたはあるものを差し出さなくてはならない。それがなんだかわかる?」
ミリアの問いに、ギルバートは少しの間を置いてゆっくりと頷いた。
先輩二人が部屋で興奮混じりに話しているのを聞いたことがある。それがどこから出るのかも・・・。
「…精、ですよね?」
「その通り」
嬉しそうにミリアは笑う。
やはりこの人もそれを要求するのか。
ただ、ミリアが魔族である以上それは覚悟していたことだ。
「じゃあ、どう―」
「でもね」
覚悟を決めてどうぞと言おうとしたら、ミリアに遮られた。
「実は昨日、たくさん食べたばかりなのよ。だから、あなたの精はいらない」
予想外の言葉にギルバートはわけがわからなくなる。
精がいらない?
それでは自分が差し出せるものなど何もない。
「じゃあ、僕はどうすれば?」
ギルバートがすがるように問いかけると、ミリアは嬉しそうに笑った。
「今言ったように私の性欲は満たされてるから、あなたが別の欲を満たしてくれたら、願いを叶えてあげるわ」
「どんな、…欲ですか?」
「嗜虐欲♪」
「しぎゃく、欲?」
難しい言葉を言われ、ギルバートは戸惑う。
「そう。簡単に言うと、私にあなたをいじめさせてくれたら、あなたの願いを叶えてあげる」
「え・・・」
楽しそうなミリアとは対照的に、ギルバートはいじめという言葉にびくりと反応する。
気がつけば、半歩ほど後ずさっていた。
「?」
首をかしげるミリアから目が離せないまま、ギルバートは更に後ずさる。
もう痛い思いをするのは嫌なのに、また?
自分から言い出したこととはいえ、また痛い思いをしなければならないのか?
先輩にいじめられるのでさえとても痛いのに、魔族に同じことをされたら痛いでは済まないかもしれない。
「その顔は何か誤解しているようだけど、私はあなたを痛めつけたりなんてしないわ。それどころか、気持ちいいことをしてあげるつもりだから」
「気持ち、いい?」
「そう」
甘く囁きかけるようなミリアの言葉に、ギルバートの頭はぼんやりとしていく。
気持ちいいことがいじめること?
ギルバートにはもう理解できない。
「さあ、どうする?私に気持ちいいことをしてもらった上で願いを叶えてもらうか、お願い自体を言わなかったことにしてここから去るか。好きなほうを選んで?」
まるで子守唄のような声に、ギルバートは意識が遠のいていく。
「いじめて下さい…」
「いい子ね。じゃあ、おいで」
ミリアが手招きすると、ギルバートの足が歩き出す。
そしてミリアの前まで行くと、ミリアは指をぱちりと鳴らす。それが合図だったかのように、ぼんやりしていた意識が戻ってきた。
「え?あれ?」
「ふふ。あなたが考えることを放棄しちゃったから、魅了しちゃったのよ。でも大丈夫。それはもう解いたから」
優しく微笑むミリアはそっと、人差し指をギルバートの額に当てた。
「じゃあ、ここからは自分の意思で服を脱いでね」
「え、服を脱ぐんですか…?」
「そう。あなたの裸、私に見せて?」
服を脱げば体中のアザが見えてしまう。
それでも、ミリアが願いを叶えてくれるなら。
ギルバートは少し躊躇ったのちに、ズボンを下ろした。
そこで初めて気づいた。
自分の肉棒が今まで見たこともないくらいに大きくなっていた。
「あら、下からいくんだ。ふふ、こんなに大きくしちゃって」
大きくなったそれをミリアに見られ、ギルバートは急に恥ずかしくなってしまう。
出来ればもうやめたい。
しかし。
「じゃあ、こんどは上着を脱いで?」
ミリアの言葉に逆らうわけにもい
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