(2)スライム

俺が冒険者を兼ねた傭兵になったのは、数日前のことだった。
先祖代々伝わる猫の額ほどの土地で、毎年毎年作物を作り続ける農民の生活に嫌気が差したからだ。
幸い、毎日鍬を振るっていたおかげで腕っぷしには自信があるため、冒険者化傭兵になるのに悩みはしなかった。
酒場で力こぶを見せ、商人の馬車についていくだけでそこそこの金がもらえたのだ。
これは傭兵と冒険者の素質があるとみていいだろう。
そこで俺は、自分の冒険者の素質を試すため、賞金のかかっている魔物の住む森を目指していた。
なだらかな丘陵には背の高い草が生い茂り、向こうの方に目指す森がこんもりと蹲っていた。
あそこに、賞金首の魔物がいるのだ。魔物を一匹倒すだけで、家が買えるほどの金が手に入る。
夢のようだった。
だが、軽かった俺の足取りが不意に止まった。傍らの草むらに、風とは明らかに異なる動きがあったからだ。
魔物だろうか?
怪訝に身構える俺の前で、草むらをかき分けて魔物が一体姿を現した。
透き通った青いからだに、半分溶けたような輪郭。スライムだ。
「ばあ」
彼女は俺に気がついてから、そう声をかけた。
「ねえ、せーえきちょーだい」
気軽に彼女は問いかける。透明ではあるものの、なかなか愛らしい顔をしているため、うっかり彼女の求めに応じそうだった。
だが、こいつは魔物、人間の倒すべき敵である。
魔物と遭遇するのは初めてであったが、幸いこいつはかなり下級の魔物だ。冒険者としての初魔物討伐には、ちょうどいい相手かもしれない。
俺はへらへら笑うスライムに向けて、腰に下げていた樫の棒を抜いて構えた。
「あーていこーするんだー」
彼女は笑いながら、その表面を波打たせた。
「だったらあたしも」
その言葉を最後まで聞く前に、俺は樫の棒を振り上げ、スライムとの距離を詰めながら振り下ろした。
髪の毛を摸そうとした努力のうかがえる頭部が、樫の一撃によって弾けた。
やタラ柔らかい手ごたえと共に、青い粘液の破片が飛び散る。
「んもー、ひどいんだからー」
首から上を失った彼女が、変わらぬ口調で言った。
直後、かろうじて人の形をしていた彼女の胴が、一気に膨れ上がり俺に覆いかぶさる。
全身にまとわりつく青い粘液の重さに、俺はその場に尻もちを突いた。
「つかまえたー」
まとわりつく粘液が形を成し、俺に跨る半分溶けた少女となる。
彼女は俺見下ろしながら、笑って続けた。
「ひどいことするひとには、むりやりしまーす」
直後、俺の衣服に染み入っていたスライムの粘液が、俺の身体を撫であげた。
直接跨られている腹や胸はもちろん、腕や背中さえもがスライムの蠢動に晒されていた。
「うふふーおっきくなってきたー」
彼女が、尻の下で屹立していく俺の股間のモノに、そう声を上げた。
手よりはるかに複雑に動き、手より圧倒的に柔らかな粘液の愛撫に晒されているのだ。
我慢しろというのが無理な話だ。
「うふふーうふふー」
彼女は笑いながら腰を揺すった。すると彼女の腰、スカート状に広がった粘液の下で、ズボンが内腿や腹を撫でまわしながら、脱げて行った。
ズボンの布地のガサついた感触がなくなり、粘液の柔らかな感触だけが、俺の下半身を包みこんだ。
布地に染み入った粘液による愛撫により、がちがちに固まっていた肉棒が、粘液による直の愛撫に晒される。
屹立をくるむ粘液が、細やかな波を織りなし、柔らかい愛撫を加えてくる。
揉みたてられるような感覚が、俺に快感をもたらした。
「あーしょっぱいのでてきたー」
不意に彼女がそう漏らす。
恐らく、快感により滲んだ先走りのことだろう。
「たくさんださせてあげるね」
その一言と同時に、股間を包む粘液がその圧迫を増した。強烈に締めあげられているような感覚が俺を襲う。
だが粘液は密着しながらも、もぞもぞと蠢動を続けた。
粘膜の表面に刻まれた細波が、肉棒の表面を擦り上げる。
強烈になった快感は、俺を容易く絶頂へ押し上げた。
低い呻き声と共に全身が痙攣し、腹の奥で渦巻いていた欲望が迸る。
「あーでたー」
スライムは俺に跨ったまま、心底うれしそうに言った。
どくん、どくん、と脈動とともに、彼女の青い腹の中に白い濁りが注ぎ込まれていく。
濁りはしばしの間、彼女の透き通った体の中を漂っていたが、次第に塩が水に溶けるように小さくなって消えて行った。
「うふふーごちそーさまー」
一通り射精を終えたところで、彼女がそう言った。
射精後の解放感と脱力感の余韻が、しばしの間俺を満たすが、すぐに股間に生じたくすぐったさによってかき消された。
彼女が、肉棒を包む粘液を操って、萎えた肉棒を責めているのだ。
俺は呻きながらやめてくれ、と懇願するが、彼女は粘液の蠢動を止めなかった。
「ひどいことしたでしょー?あたしもひどいことしてやるんだー」
無邪気な顔で、彼女
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