砂漠の一角に緑の園があった。日干し煉瓦を組んで作られた建物の並ぶ街を囲むように、作物のたわわに実る田園や、木々の生い茂る森林が存在していた。どこまでも続く褐色の砂漠の中にある緑の園は、オアシスと言うには広すぎた。
それもそのはず、この緑の園に囲まれた街こそ、太古から蘇ったファラオが治める年なのだから。だが、街に人通りは無く、建物の窓に灯る光も少なかった。朝と言うには早すぎる、太陽の昇る前であるためだ。
しかしよくよく目を凝らし、耳をそばだててみれば、街のあちこちから微かな声や物音が聞こえるだろう。街に住む人や魔物の愛の呻きだ。ファラオの治めるこの街で、水も食べ物も満ち足りた生活を甘受する人や魔物が、最も幸せを感じる時間である。
そして、街の中心部にある平屋の宮殿においても、幸せを感じる時間に変わりはなかった。
宮殿の奥、王族とその配偶者にのみ許された一角に、ファラオの寝室があった。寝室とはいう物の、彼女が現世に戻ってからというものの、夫婦で夜を過ごすための一室となっている。
「はぁ、はぁ…」
窓から差し込む星と月の明かりによってのみ照らされる室内に、小さな喘ぎ声が響いていた。声の主は部屋に置かれた寝台に横たわる男だった。仰向けになった彼は断続的な、にちゃにちゃという水音に合わせ、小さく体を痙攣させつつ喘いでいた。
「ふふ…」
男の姿に、同じベッドに座った女が笑った。褐色の肌に、腰まで届きそうな艶々した黒髪を広げた美女だった。彼女の二の腕やわき腹、そして太腿には亀裂のような模様が浮かんでおり、彼女がただの砂漠の民の女でないことを示していた。
そう、彼女こそこの宮殿の主であるファラオだ。そして彼女の向かい、ベッドに仰向けになって両脚を広げている男こそ、ファラオの夫であった。ファラオは寝台の上に座ったまま片脚を伸ばし、夫の股間に足裏を触れさせ、小さく上下させていた。
彼女の足の裏で屹立した男性器が擦られ、そのたびに彼の口から声が漏れる。
「ふふ…そうだお前、知っておるか…?」
ファラオは足の動きを緩めることなく、ふと思い出したように口を開いた。
「お前、民草からそこそこ人気があるらしいではないか」
「そ、そんなこと…あぅ!」
「謙遜するな。アヌビスの奴から聞いたぞ?仕事は早いし、部下の変化にいち早く気が付くしで助かっていると」
彼女は口では夫をほめながらも、足の裏で屹立を刺激し続けた。
「妾というものがありながら、部下の魔物どもに目を光らせておるとは…」
「そ、そんなつもりじゃ…」
「ほう?じゃあなぜマミィの一人が夫の病気で悩んでおって、碌でもない金貸しに頼ろうか悩んでおることに気が付いた?見ていたから、であろう」
部下が口外できないような場所で金を借りるのを未然に防げたことに対し、ファラオはそう言った。無論、そのことについては既にほめてはいる。だが、国の規律を保つのと、夫がよその女を細かな変化に気が付くまで見ていたこととは別なのだ。
「ふふふ、妬けるのう…」
幾ばくかの嫉妬を込めて、彼女はお仕置きとばかりに足に込めた力を強めた。すると彼女の足裏で屹立が大きく脈打ち、先端から先走りを滲ませた。
ファラオは足指を曲げると、亀頭の先端に滲んだ透明な滴を指の腹にとり、そのまま赤黒く膨張した屹立の先端に塗り広げた。
「うぁぁ…!」
肉棒を襲う鋭い刺激に、男は呻いた。痛いわけではない。むしろ、彼女のすべすべとした足裏の肌は心地よかった。だがそれでも、敏感な先端を擦られる感触は、男の腰を震わせるほど強いものであった。
「ふふふ、泣くほどよいのか?」
夫が思わず目元に滲ませた雫に、ファラオは笑った。
「お前がこんなに足が好きなんて、部下たちはしっとるかのう?」
「し、しらな…い…!」
「そうだのう。お前は昼間、妾の良き右腕として働いているからのう。有能な副王が、女の足裏で責められるのが好きなどと、誰が思うだろうか?」
ファラオは言葉とともに、土踏まずの部分で屹立の裏筋を圧迫しつつ擦り上げた。肉棒全体が固くなってもなお、根元に幾ばくかの余裕を備えているため、屹立は男の下腹に押し当てられた。興奮によって体温の高まった彼の肌と、火傷しそうなほどの熱を備えた屹立が触れ合う。自分自身のものとはいえ、肌と屹立が触れ合う感覚は、男にとって心地の良いものであった。
「こうやって踏みしめてやるとよいのであろう?ほれほれほれ」
ファラオは下腹に押し当てられた肉棒をさらに圧迫し、下腹と足裏の間で屹立を潰すように足を前後左右に揺すった。ファラオの足の下で、肉棒が転がるように擦られ、主に快感をもたらす。
注ぎ込まれる快感に、男の意識は打ち震えつつもいくらかの屈辱感を覚えていた。愛する妻とは言え、女に足蹴にされているのだ。
「ほれ、気持
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