ここは小さな料理店。
場所は駅の地下の食堂街の一角でもあり、人気のない山の中の道沿いでもあり、あなたの街の表通りに面した通りの間でもある。
家から歩いてか、電車に揺られてか、自動車で山道を迷いに迷ってか、道順はともかくあなたは小さな料理店にたどり着く。
時刻や日時は関係ない。
営業日時はいつも、いつでも。
あなたが訪れれば昼でも夜でも、平日でも休日でも開いている。
「Welcome!」と書かれたマットを踏み、扉を開いて、店内を見回せば、あなたは厨房に面したカウンター席しかないことに気が付くでしょう。
お客様との一対一を望むシェフの方針で、テーブル席はないのです。
他のお客様を横目に見ながら、椅子を引いて席に付いて下さい。
すると、シェフはカウンターの向こうから聞いてきます。
「何にしましょう?」
ここは小さな料理店。
ですがあなたが欲する大体のものが用意できます。
とは言うものの、いきなりご自由にご注文をどうぞ、といわれても困るはず。
ここは「ちょっと考えさせて」といって、シェフに待ってもらいましょう。
そしてこの間に、他の客の注文に耳を傾けてみましょう。
あなたの右隣の客は、椅子に座るなりこう声を上げました。
「アカオニ人里襲撃、戦利品として持ち帰られ時間無制限五本勝負」
え?
何のことだか分からない?
それもそのはず。
ここは小さな料理店。
ですが出てくるのは、食べる料理ではありません。
お客様の出されたアイデアを、シェフが料理した文章が出てくるのです。
ですが、あまりお客様が自分の好みのアイデアを長々と語ってはいけません。
シェフが痺れを切らして鉛筆を投げつけ、「そこまで思いつくのならお前が書け!」と声を荒げてしまいます。
ですからご注文は出来るだけ短く、それでいて内容を色濃く指定するようお願いします。
どうです?
ご注文はお決まりですか?
もしまだだとしても慌てなくて結構です。
他のお客様のご注文を聞きながら、ごゆっくりお決めになって下さい。
「セイレーンの群れに捕まり、未熟なセイレーンの特別な歌の練習相手にされながらも手を出されず寸止め」
「家畜のホルスタウロスと、獣臭漂う牛舎で真夜中のデート。乳搾り体験つき(両方の意味で)」
「妖狐を退治しようとして返り討ち。金縛りで身動きが取れないところを尻尾で全身くすぐり。本番ナシの射精アリ」
「ミノタウロス身長マシマシのダラダラ日常鬱抜き!」
「アヌビスと遺跡に同居で仕事中イチャイチャ夜もイチャイチャ。このバカップル死ね、と笑顔で言いたくなるぐらいアマアマ」
「アルラウネ触手コキの全身ぶっかけ本番ナシ、芳香マシマシ」
「吊り目ダークエルフの顔面騎乗プラス足コキ、匂いサドッ気めいっぱい!」
「上のヤツの事後で、キスとボディタッチオンリーのアマアマ同衾三時間で!」
「幼馴染のおっとりお姉さんが久々に会ってみればサキュバスに!経験人数は三桁越えで、主人公の童貞を馬鹿にしながら頂きます!乳輪ビラビラ共に色濃くマシマシで!」
「ヴァンパイア強烈な便意に襲われ、必死に我慢しながら便所へ。顔色の悪さに従者の男が気遣いを見せるが、ヴァンパイアとしてのプライドが便意を露にすることを許さず、結果便所まで遠回りに。忍耐と便意を従者に伝えることに対する葛藤の精神描写マシマシで、便所一歩手前で堤防決壊めいっぱい!」
「ケサランパサランほのぼの日常会話、エロナシナシ」
「生意気インプ前半足コキ素股、後半形勢逆転しておねだりめいっぱいで」
「ふたなりサキュバス二体のおちんぽフェンシング、敗者は勝者の鞘になって悔しい・・・でも分マシマシ、あらコッチが寂しそうねと手コキつき添え」
「堅物デュラハンとの純愛お散歩デート中に首が取れて本音と本能の赴くままに公開だだ甘セックス、観客マシマシ」
「ベルゼブブアナル弱点の隠れドM、前半強気責めの後半逆転、最後はおちんぽ奴隷宣言するけど下半身は本気の搾り取り」
「バフォメット、ケモノ分三割増しの体臭マシマシ」
「おっとりシースライムねっとり逆レイプ、おねだりするまで寸止めで」
「ナイトメア監禁調教!しかし主人公が眠ると立場逆転の監禁逆レイプ!言葉責め両方めいっぱい!」
「無口無感情系魔女、拡張オナニー狂いの汁だくだくのお漏らしマシマシ」
「サキュバスのお嬢様と従者のインプの百合背徳感マシマシ恋人同士のキスめいっぱい」
さて、これぐらい他の方のご注文を聞けば、何かがあなたの心に浮かんでいるはずです。
後はそれを言葉にし、打ち込むだけでよいのです。
ですが、一つだけ覚えておいて欲しいことがあります。
ここは小さな料理店。
それゆえシ
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