宿の一室に一人の男がいた。
備え付けのいすに座り、小さなテーブルの上で本を開いている。
本の内容は、魔界や魔物について記されたもので、教団関係者に見つかればタダではすまない代物だった。
男は、ならぶ文字を目で辿り、時折ページをめくった。
窓の外から、街の喧噪が響く中、彼は静かに本を読んでいた。
すると、不意に彼の膝の上、テーブルと腹の間に何かが乗ってきた。
「お?」
「・・・」
男が視線を本から外すと、彼は自分の膝の上に、緑髪の幼い少女が乗っているのに気が付いた。透き通りそうなほど薄い布を身に纏った、扇情的な格好の少女だ。
「私が本を読んでいるときに、邪魔はするなと・・・うむ、邪魔はしていないな」
少女の頭は男の胸ほどの高さにあり、膝の上に乗っている他はなにもしていない。
その上、膝の重みも彼女が本当に乗っているのかと疑いたくなるほど軽いものだった。それもそのはず、少女は風の精霊だ。
男があえて無視をすれば、問題なく読書は続けられる。
「まあ仕方ない。大人しくしていなさい」
「♪」
男の言葉に、シルフはにっこりと微笑んだ。
男は、少女の緑髪に手を乗せると、軽く撫でた。
ふわふわとした髪の感触が、彼の手のひらをくすぐり、シルフは頭を撫でられる感触に目を細めた。
(これで、ごろごろと喉でも鳴らせば、まるで猫だな)
文章を目で追いながら、手のひらの柔らかな感触に男はそう考える。
まあ、猫と言うには少々大きすぎるし、シルフ自身も猫に例えられるよりは猫と遊んだ方が楽しいだろう。
シルフの髪の毛を撫でながら、男は読書を続けた。
やがて、彼は切りのいいところまで読み進めると、頭を撫でる手を止め、本を閉じた。
「はい、おしまい」
「・・・・・・」
男の手が止まったことに、シルフは一瞬不満そうな表情を浮かべるが、すぐに読書の終わりの意味に気が付いた。
これで、本格的に構ってもらえるのだ。
「さて、それじゃあ何をしようか?」
男がシルフに目を落とすと、彼女はテーブルの上の本を指さした。
「これは何だ?だって?」
「・・・」
シルフは頷く。
「これは、とある精霊使いが記した魔界や魔物についての本だ。単純な読み物としてもおもしろいが、私より優れた精霊使いだけあって、魔術的にも非常に興味深い内容だ」
本の表紙を見ながら、彼は説明する。
「だが、重要なのは文章の表面通りの意味ではない。文中にちりばめられたメッセージにこそ意味があるのだ。私たちがこのメッセージに気が付いたのは偶然だったが、著者のメッセージに応えることが気が付いた者のつとめだ。だから私たちは彼女の助けを求め・・・ん?」
男は不意に言葉を断ち、シルフを見た。風の精霊は、男の言葉に疑問符を浮かべ、首を傾げていた。
「まあ、簡単に言うと、本の著者が助けを求めている、ということだ」
シルフには難しい話だったな、と男は内心反省した。
「さ、面倒な話はおしまいだ。何をする?風の使役の訓練か?それとももう寝るか?」
「・・・・・・」
男が選択肢を並べるが、シルフは顔を左右に振り、男を見上げた。
彼女の頬には微かに朱を帯びており、どこか恥ずかしげな表情を浮かべている。
「・・・」
彼女は目を閉じ、軽く顎をあげて、唇をつきだした。
「そうか」
男は彼女の求めに、軽く背を丸めて身を縮めると、シルフと唇を重ねた。
軽く触れては離し、軽く吸うっては離す。まるで、小鳥がついばむような、穏やかで静かなキスを、二人は何度も繰り返した。
宿の一室に、小鳥のさえずりのような小さな音が響いた。
そして、どれほどキスを繰り返しただろうか。男が顔をシルフから離すと、彼女の表情が蕩けているのに気が付いた。
普段からシルフはぽわーっとしたところがあったが、それに拍車がかかっている。
「気持ちよかったか?」
「・・・・・・」
男の問いに、シルフは頷いた。
「これで終わりにしておくか?」
「・・・・・・」
もちろん、続く問いに彼女は顔を左右に振った。
「じゃあ、ベッドに・・・」
「・・・」
男がそう言ってシルフを抱えあげようとすると、彼女は男の腰の上で、小さく尻を動かした。
風の精霊のためか重みはないが、それでも小ぶりながらも柔らかな彼女の尻が、男の分身をズボン越しに擦った。
キスの快感に、静かに興奮していたのは、シルフだけではなかった。
「ここでするか」
「・・・」
男の言葉に、彼女は小さく頷いた。
すると二人は、言葉を交わすことなく動いた。
シルフが尻を浮かし、男が股間に手を伸ばす。
男がズボンの合わせ目を開く間に、シルフは空気をかき回すように指を回し、布の形で体に纏わせていた風を解除した。
シルフの幼い体が露わになる頃、男の屹立が下着から取り出される。
「準備は・・・大丈夫だな」
男は屹立を一方の手で握り、もう一方の手をシルフの両足
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