十二屋月蝕さんの作品一覧
大陸東部風料理店のスープと揚げ物とフルーツポンチ
「アハハハハ!元とはいえ王都の宮廷料理人も、こんなもんか!」
鍋に頭を突っ込み、満たされたスープを啜る男を見降ろしながら、彼女は笑った。
男も女も調理師の着る白衣を身につけており、二人がいる場所もかなり広い調理場であった。
調理台の上に並ぶ肉や野菜の切れ端や、かまどの上に置かれた鍋から、二人が料理を作っていたことはうかがえる。
だが、男が顔を突っ込んでいるのは、つい先ほどまで女がかき混ぜていた鍋で、男の鍋には本人さえも触れていなかった。
「あぁ〜〜〜美味い、美味いよぉ〜…ただの肉と野菜を適当に煮込んでいただけだったのに、何でこんなに美味いんだよ〜」
男は鍋のスープをすすりながら、時折声を漏らしていた。
だが、女は男の問いに答えることもなく、ただ笑っているだけだった。
「さて!気もすんだし、そろそろ帰らせてもらうよ!」
一通り男の醜態を眺めながら笑ったところで、女はくるりと向きを変え、厨房の出入り口へ向かっていった。
「あぁ、ま、ま、うまぁい…!」
待て、と呼びとめるより先に唇がスープに沈み、男は思い通りの言葉が出せなかった...
[魔物娘いろいろ/微エロ/いろいろ/不明]
読切 3609view 22vote 感想(8) 10/09/08 17:29
染み入る粘体 【完結】
人間可愛い
人間の何が可愛いってほんのちょっと撫でまわしてあげるだけでいろいろ漏らすところが可愛い。
私で包んで、私を挿しこんで、体の表から裏から撫でてもんであげるだけで、体震わせながらアンアン鳴くところが可愛い。
それでどんどん搾り出してやって、口に私を突っ込むと素直に飲み込んでくれるの。
私から切り離されても私は私なのに、出された分だけ体に取り込もうとするの。
表向き怖がってたのに、こんなに私を欲しがってくれるところが可愛い。
食べたくなっちゃうぐらい可愛いけど、食べない。
食べるといなくなるから。
人間可愛い。
[スライム/エロあり/百合/寄生/図鑑世界(中世)]
読切 24217view 44vote 感想(4) 10/09/14 17:31
小さき者のささやかなる願い
「ひまだな」
「ひまだね」
「ヨーガンとアルベルトが出かけているからな」
「本編で出番がない僕達はここで何かしないといけないらしいけれど」
「何も思いつかねえよな」
「うん」
「ならアレでもやるか?」
「アレって?」
「あらすじ名物、『途中でぶち切れるエロ小説』」
「今回本編中にもエロ要素あるらしいからいらないって」
「畜生」
「だったら、僕達による『あらすじ超短編 エルンデルスト料理列伝』とか」
「料理小説は『オークの料理人』でやる、だってよ」
「なんてこった」
「ちなみに、『魔物娘サイコシリアルキラー小説』もネタを揃えてるらしいな」
「『浄罪士のお仕事』も書くつもりなんでしょ?書けるの?」
「知らん。でもこうやって書いて置けば、書かざるを得なくなるから丁度いいらしいぜ」
「後で自分の首絞めることになるのに、良くやるよね」
「実は馬鹿なんじゃねえの?」
「ま、とにかく今回はこれで行数も稼げたし、そろそろあらすじも終わりにしようか」
「そうだな」
「というわけで、...
[ヒ・ミ・ツ/エロあり/バトル/魔物化/憑依/ホラー/ややシリアス/いろいろ/図鑑世界(中世)]
読切 5138view 17vote 感想(5) 10/10/06 15:31
『クロビネガの娘たち』 【完結】
お客さん帰ったわね」
「やっぱり刺激が強すぎるのよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「でも、ボクたち見て回れ右って言うのは繊細すぎると思うよ?」
「・・・・・・・・・・・・ふーっ、ふーっ・・・・・・・・・・・・」
「このままだと転職するしかないわねー」
「アンタは他に行ける所があるからいいじゃない。あたしらみたいなマニア向けはどうすればいいのよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「少なくともボクよりはましだと思うよ」
「・・・・・・・・・・・・ふーっ、ふーっ・・・・・・・・・・・・」
[魔物娘いろいろ/微エロ/ダーク/図鑑世界(中世)]
読切 11998view 13vote 感想(34) 10/10/07 12:21
西行紀行『密林に潜む小さき首を持つ狩猟者の一族』
どんが どんが どんが どんが
力強く、リズミカルに太鼓が辺りで鳴っている。
腹の奥に響き、頭の中を揺さぶる太鼓の音は、俺たちの本能を呼び起こす音だ。
戦いのときに鳴らせば、力が沸き起こり、痛みが和らぎ、恐怖が薄れる。
そして、祭りのときに鳴らせば、疲れが引き、思考が鈍り、己に正直になる。
そう、今の俺の様にだ。
「んぁ、あぁ…!」
腰を突きだすと、俺の下で地面に仰向けに横たわった女が、甘い声をあげた。
褐色の肌に銀色の髪の、傷と入れ墨を身体に刻んだアマゾネスの女だ。
数年前、俺が護衛として付き添っていた商隊を襲撃し、俺を含む男数人を連れ去った集団の一人である。
あの日から俺は、この女の夫としてアマゾネスの集落に囚われ、部族の未来を担う子を作るため、毎夜組み伏せられながら契りを交わすことを強要されていた。
傭兵としてそこそこ力に自信があったのに、魔物とはいえ女に組み伏せられ、犯されるのは実に屈辱的だった。
だが、年に数度の祭りのときだけは、俺たちの立場は逆転した。
「ぁん…ん、あ…」
いつも俺の上に跨る彼...
[アマゾネス/微エロ/シリアス/バトル/暴力表現/図鑑世界(中世)]
読切 8315view 21vote 感想(1) 10/10/13 17:03
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