わるぅ白蛇はんのハニトラにかかって、言いなりにされちゃうお話

何?お見合い?
しかも相手は魔物娘?最近、急に見かけるようになったあいつらか。異形の体に絶世の美貌、特異な能力、それで友好的ときた。更には人間との恋愛に積極的?
ふん、聞けば聞くほど怪しさしか感じられない連中だな。ネズミ講の誘い文句と何が違う?どうせ裏では悪巧みしているに違いない。大事になる前に、キチンと取り締まっておく必要があるかもな。

あぁ、もちろん、お見合いの話は断っておいてくれ。魔物なんて連中と付き合うつもりは無いし、君も分かっての通り、僕は忙しいからな。
……なに?これでもう七度目?断っても断っても連絡してくる?
一目でもいいから会って欲しいとしつこいだなんて……はぁ、分かった分かった、ちょうどいい機会だ。この目でしっかりと魔物娘と対峙して、やつらの本性を暴いてやろう。
下手に無碍にして逆恨みされても困るしな。時間と場所は……あぁ、その日ならちょうど空いている。場所は中々な一等地だな。ま、料理には期待しておこう。

――――

「お初にお目にかかりますぅ、私はハナリと申します。この度は、貴方様にお会いできたこと、とても嬉しゅう思います」

は、初めまして……

……話には聞いていたが、こんなにも美しいとは思ってもいなかった。真っ白い髪、肌、切れ長の目、どれを取っても一級品だし、三つ指ついて礼儀正しく挨拶してるのも良い……!儚げな美人という言葉が正に合う。
それでいて、かなり訛った話し方、凛とした瞳と芯のある立ち振る舞い、というのが、ギャップ萌えというか……相反した魅力を互いに際立たせて、とても惹かれてしまう。惹かれるが故に、緊張が……!
ただ……その下半身には、人の脚じゃなくて、真っ白い蛇の体が……

「あぁ、そら、ギョッとするでなぁ……私は『白蛇』という種族でしてぇ、見ての通り、下半身が白い蛇さんになってはります。初めて見る方にはえらい驚かれるんですがぁ……貴方様は、蛇、お嫌いですかぁ?」

い、いえ。嫌いではないですけど、あまり慣れてないもので……

「ふふっ
#9825;では、いっぺん触ってみまひょか
#9825;慣れんことには始まりまへん」

えぇっ!?いえ、そんな、そこまで……

「いーから、手ぇ貸しとぉくれやす
#9825;」

ぎゅっ

うわっ、手ぇスベスベ柔らか……見た目だけじゃなくて、感触も一級品だなんて……握られるだけでも惚れてしまいそ……

スリスリ……さらさら……
#9825;

「どないですかぁ、私の尻尾は……
#9825;スベスベ、さらさら、ひんやりしてて、気持ちぃ……そう思いまへんかぁ?」

鱗の一枚一枚はスベスベだけど、それらが沢山付いてるから蛇体を撫でるとザラっとしてて、その緩急ある感触が気持ちいい……
#9825;
しかも、間近で見ると、鱗がまるでプラチナのように、一片もくすむことなく白く輝いてて、見惚れてしまう。いつまでも撫で愛でて、眺めてられそうで……
#9825;

「ふふふっ……そない気に入ったなら、ぎょーさん撫でてええです……貴方様は特別さかい……
#9825;」

気持ちいい……気持ちいい……
#9825;
異形な部分もこんなに魅力だなんて、思ってもなかった。しかも物腰柔らかくて、こんなに優しい声で囁いてきて……
#9825;ずっと撫でていたい……
#9825;
でも、これって、人間で言うところの太ももを撫でてるんじゃ……
と、したら、とんでもなくはしたないことをしているのでは……

「あらあら、そない赤くなって……もしかして、緊張してはりました?」

うわっ、鼻と鼻がぶつかりそうなぐらい近寄られて、眼前にハナリさんの美麗な顔が広がって、頭が沸騰しそうになるっ……!
サラッサラの髪が腕に軽く当たって、しかも凄いいい匂いしてきて……顔立ちもすごい端正で、見てるだけでおかしくなりそうで、意識のやり場に困るっ。

「ふふっ、私もとぉっても緊張してはったんですがぁ……貴方様があんまりに慌てて、可愛らしゅう反応するさかい、かえって落ち着きました
#9825;」

うっ……そ、そんなに態度に出ていたか。いかんいかん、ここは襟を正してカッコいいとこを

「実は私は貴方様のこと知っておりましてぇ、前にいっぺん……そうそう、先日講演会に出てはった時に、お見かけしたんです。そん時は凛々しくて、誠実で、大層カッコいい方やと思ってはったけどぉ……今日こうして実際にお会いして、可愛い一面もあるんやと知って、今、心の臓が大変なことなってはりますぅ
#9825;」

え、あ、そうなんですかぁ……!

「えぇ
#9825;ワガママ言うてお見合いの席作ぅてもらった甲斐がありました……
#9825;しつこぅお誘いしてしまいましたが、ご迷惑やなかったですか……?」

いえいえ、迷惑だなんて。ホントにもう、
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