ゴスロリ爆乳パイズリ専用人形を買ったのに、逆にパイズリ奴隷にされちゃうお話

「なぁに、ワシは怪しいもんじゃないよ」

……怪しい。
非常に怪しい。

「なんじゃその目付きは、ただの訪問販売言うとるじゃろ」

「悪いようにはせん、押し売りもせん、変な壺を売ったりもせん」

「ただただ、ワシはお兄さんにピッタリの商品を持ってきたんじゃ」

そう言葉を発するのは、黒いローブに身を包み、山篭りでもするのかと思うほどの大荷物を背負っている怪しげな女の子。
……そう、女の子なのだ。フードの陰に隠れてあまりよく見えないが、その顔は恐ろしいほど可愛らしい女の子。童顔で目がクリクリとして、どこぞやの人気アイドルでもおかしくはないレベル。でも胸はつるぺったん。
だが、その見た目とは裏腹に、こんな大荷物を苦ともせずに背負えるほどの膂力を有し、さらには熟練の老婆のような訛りと話術、ふてぶてしさ。

全てがチグハグで怪しさしかない。

「おぅおぅ……嘆かわしいことじゃ……最近の若者は知らん人というだけで猜疑の視線を送り、話すらも聞いてくれんとは……およよよ……いつから世の中はこんな薄情に……」

しまいには袖で顔を隠して嘘泣きもし始める。居座る気が満々だ。
閉め出したいところではあるが既に玄関まで侵入を許してしまっているので、そうすることも出来ない。

自分の指先がトントンと肩をつつく。

苛立ちが募ってくる。
はやく、この億劫で意味の無い時間から解放されたい。

……というのも、俺はつい先ほどまで、喜々としてオナニーしようとしていたのだ。
本日は8/13、いわゆるパイズリの日。この日を待っていたかのようにネット上では色々なパイズリシチュのエッチ作品が放出されていて、まさにパイズリのバーゲンセール。これで抜かずしていつ抜く?
そんなこの日のためにお金を貯めて、滋養強壮に良いと聞くドリンクを飲み、ローションを買い、それ用の道具も色々と用意して、万全を期してパイズリ作品を漁りにいこうとパソコンの電源に手を伸ばした瞬間、鳴り響くインターホンの音。

あぁ、あの時、なぜ俺は、ろくに来客が誰なのかを確認せずに、玄関のドアを開けてしまったのだ。

……いや、早く抜きたいという欲望が焦りを生んだのは分かっている。
だが、その結果がこれだ。よく分からない胡散臭い黒ローブ美少女の皮を着たじゃけじゃけ喋りの押売りに玄関まで侵入を許して、話を聞いておくれやよよよよ……と泣きつかれるという無駄な時間を過ごしてしまっている。
まあ、理性的に考えれば、この後も時間はたっぷりあるので多少時間を潰しても全然問題はない。のだが……俺の欲望がぐつぐつと滾ってしまっているのが現状。
頭の中に理性というものは最低限しか存在しておらず、『早く抜きてぇ!』という欲望がぎゅうぎゅう詰めの満員電車になっていて、今にでもごった返して溢れてしまいそうだ。

肩に爪が食い込む。

頭がカァっと熱くなるのを感じ、ハッと我に返っていかんいかんと考え直す。
そう、ここでどれだけ俺が苛立とうとも、この謎の押売り問題は全くもって進展しない。
スー、ハー……と一呼吸を置く。股間の疼きは収まらないものの、怒りを引っ張り出すような焦りが徐々に収まっていくのが分かる。

……うん、ここは冷静に話を聞き、ドライに対応して、さっさと帰ってもらうのが吉だ。
そう思い直し、早速アクションを起こす。

「分かりましたよ、話を聞くだけなら構いません」

「ほんとかっ!!じゃ、早速……」

表上げてキラキラとした目つきを向ける押し売り。涙の跡はどこへやら。
その勢いのまま商談に入ろうとし始めるが、それを咎めるようにして言葉を割り込ませる。

「ですが、こちらも用事があるので、何個も何個も商品を出されると非常に迷惑がかかります」

話をさせる前に、制約事項を約束させる。
少々失礼で強めな口調になってしまっているが、こっちとしてはゴールデンタイムを邪魔されたのだ。このぐらいは神様も許してくれるだろう。

「ですので、多くても3つまで」

「さらに、その商品に興味が無い場合はチェンジと言いますので、すぐに話を切り上げてください」

こうやって約束をしておけば、だらだらと無駄な時間を過ごすことにはならないはず。それに、破った際には強硬手段に出る大義名分にもなるため、言っておくに越したことはない。
さあさあ、後はチェンジするだけの作業をこなせば、俺のエンペラータイムが……ふふふふ……!

「なぁに、元から紹介する商品は1つのつもりじゃ、お兄さんが気に入ること間違いなしじゃし、時間は取らんよ」

すると返ってくるのは意外な言葉。
紹介する商品が一つだけというなら話が早い、パパっとそのよく分からない商品を見せてもらって断れば終わりだ。

「それならいいです、ですが興味がない場合はすぐに帰って頂きますからね」

「まぁまぁ、そ
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