──ある時は、知らない店に連れ込まれた。カフェのような、落ち着いた雰囲気。
その中の木製の丸テーブルに向かい合わせで座り、目を合わせて、こう言われる。
「今日はね、ボクの一番得意なゲームに付き合って貰おうかな」
そうして用意されたのは……チェスだった。
程よくニスの塗られた白と黒の駒々。白とこげ茶色のチェック柄は、歴史を感じさせるほど深みがあり、それだけで気圧されてしまう。
しかも、盤の横に競技用タイマーも置かれて……完全に理解してしまった。
ガチ、だと。
「あぁ、ごめんごめん、説明も無しに色々と並べてしまって……これはチェスって言うボードゲームなんだけど、先輩さんは知ってるかな?」
最初、ビリヤードを教わった時の流れを思い出すようなやり取り。知ってはいたが、あやふやな部分があったので教えを乞うと、丁寧に駒の進め方を教えてくれ、基本的な考え方や戦術も教えて貰った。
「それじゃあ、基本的なことは教えたし……実際にやってみようか」
「おおっと、思いのほか上手だね、似たようなモノをやったことがあるのかな?」
正直、将棋なら多少はやったことあるので、完全な素人よりかは上手い自信はあったが
「あぁ、ボクのキングは逃げ場が無くなってしまった、これで君のチェックメイトだね」
だからといって
「それじゃ、次は本番さ、勝った方が何でも言う事を聞く罰ゲーム付きでやろうか……
#9825;」
彼女に匹敵出来るとは、一ミリも思えない。
一番得意だと豪語したことに加え、こうしてお試しで指した時も、実力を見定めるような優しい指し方であることを感じてしまったから。
何手先までなら読めるのか?それをテストするようかのように、徐々に強度を上げて……
「ハンデなんて要らないだろう?だって君はさっき勝ったじゃないか、だいたい同じぐらいの実力のはずさ」
これはあのビリヤードの時とは完全に違う。
勝たせるつもりも、楽しませるつもりも、一ミリも無い。
わざわざ凝った負け方をして、
#22099;だと分かりきっている強弁を押し通そうとする様子だけで、圧倒的実力差で磨り潰そうとする魂胆が見え隠れして、ゾクゾクとした感覚に陥る。
「持ち時間は……ま、長くしすぎてもだし、20分ぐらいにしておこうかな」
そうして始まった試合は……悲惨なものだった。
「あぁ、そこはダメだよ、こうやって詰めたら……ほら、クイーンが取られてしまった。君の隣を守っていた邪魔者のクイーンがいなくなってしまったね……」
「あはは、どこに逃げるつもりなのかな?君を守る駒は、もう残り三個、二個、一個……あーあ、裸の王様になってしまったね……
#9825;
#9825;」
「それじゃ、これでチェックメイトさ、ボクの勝ちだね」
少しは抵抗を……と意気込んだものの、意地悪な姑のように一挙一動を咎められては、丁寧に潰されて……全部の駒を取られてしまった。
詰められるであろう場面も敢えて逃して駒を取り、敗北を決定付けるように、わざわざ。
「さぁて、どうしようかな?捕虜として捕まえた君を、どうしてやろうかな……
#9825;
#9825;牢屋にでも閉じ込めてしまおうかな……
#9825;
#9825;」
その声と共に、ぎゅむり……と股間が温かい感触に圧し潰される。これは体験したことがある、足で踏まれている時の……
#9825;
ペニスの根元から先端まで、ぷにぷにとした肉感で包み込むように踏まれる快感。股間を足蹴にされてるという事実から沸き立つ被虐心。
そのどちらもが、一気に襲い掛かって、ぶるりと身体が震えてしまう。気を抜いたら漏れ出てしまいそうなほど、限界にほど近く。
「あはははっ
#9825;そんなに震えなくても大丈夫だよ、君の心を気持ち良く炙って、更に恋焦がれるようにしてあげるからさ……
#9825;
#9825;楽しみにしておいてね……
#9825;
#9825;」
その表情はとても優しげで……隠し切れない嗜虐心が滲み出ていた。
「まあ、もうしばらくは、このままチェスを楽しもうか、今の試合の感想戦もして、今度はしっかり教えながら打ってあげるよ」
「……この足はどけてあげないけどね
#9825;」
ぎゅむり、と押し付けられた足裏の感触が、脳裏にへばりついて離れない。
その後は戦術やら何やらを教わるものの
「そうそう、その通り、そうやって厄介な駒を釘付けにするのがとても大事さ、この気持ち良さと結び付けてしっかり覚えようか」
一つ理解する度に、にぢにぢと踏み扱かれて、ズボンの中で吐精を強いられる。更には、ご褒美だよ、と大きな胸を見せつけるように揺らされ、また吐き出して……もう、夢か現かすら分からないぐらい快感に侵され、ぐったりと机に突っ伏してしまった。
「ふふふっ
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