メイドとしてやってきたオートマトンにエナジータンク化調教されちゃうお話

それは唐突だった。

「お父さんとお母さん、今日から数日間家を開けるの」
「だから、お留守番よろしくね♪」

「……へ?」

父さんと母さんから呼ばれたかと思ったら、母さんから突然そんなことを言われた。
母さんはニコニコとしており、それに反して父さんは神妙な顔つきで黙っている。
突然の報告にあっけに取られていると

「……不満か?」

父さんがじろりと睨むように視線を合わせて、そう言ってきた。

「いえ、父さんが母さんと出かけるなんて、珍しくて……」

父さんは非常に厳格で典型的な仕事人間だ。
監獄都市国家と呼ばれるこの国において、最も大事な機関である監獄に勤めていて、しかもトップクラスの役職に就いている。
志はとても高く、国の治安を守り、その上で囚人たちを更生させることに尽力を注いでおり、自他共に非常に厳しい。
家のことを完全に放置しているわけじゃないけど、人生の大半は仕事に注いでいる……とはいえ、それは大事な役目を果たすためであり、僕も母さんもそんな父さんを誇りに思っている。
……だから、仕事を放って二人で旅行するなんて思いも寄らなかった。余りに不思議で、唐突で、厳格な父の前にも関わらずそんな言葉が溢れてしまう。

「いや、そのだな……」

「あなた?」

「……っ、まあ、暫くお母さんを放ってたからな」
「家のことを全部任せていたし、労わってやろうと思って――」

「あなた?」

「……っっ!」
「お、お母さんと久々に二人きりになりたいんだっ!だ、だから家を開けるっ!」

父さんが何か話す度に母さんがニコニコしながら問いただし、何故か父さんは余裕がなくなっていって、最終的にはヤケクソのような叫びで締められた。
なぜ父は顔を赤くして切羽詰まっているのだろうか?今日の父さんと母さんは肩が触れ合うほど近寄っているのは何なのだろうか?そもそも、あの父さんがそのような理由で家を開けるだろうか?そして母さんのこの謎の威圧感はどうしたのだろうか?
疑問点しかないこのやり取りに困惑して、「はぁ……」という曖昧な返事をすることしか出来ない。
だが、そんなことはすぐに記憶の彼方に吹き飛んでいった。

「それで、お母さんとお父さんが家に居なくて困ることあるでしょ?」

「ま、まあ、あるけど」

「だから、お手伝いさんを雇ったの」

「へ?」

その言葉と共にガチャリとドアが開かれる。
そこから現れたのは、メイド服姿の女性だった。
メイド服にも関わらず浮き上がっているボディーラインは彼女の体つきの良さを表していて、そしてその身長はまだ子供にすぎない僕よりも遥かに大きく……父さんの身長すら超えていそうだった。
そして、その顔は凜としていて、まさしく美麗という言葉がピッタリだった。キリリとした目元、みずみずしくて引き締まった唇、どれを取っても魅力的な女性。
そんな絶世の美女とも言えよう人物が突然現れ、心臓がドキリと跳ねる。

「初めましてご主人様、『フェルリダメーラ』と申します」

流れるような動きでロングスカートの裾を持ち上げ、頭を下げて優雅に挨拶をする彼女。
その胸部は溢れんばかりに大きく実っていて、重量感を伴って揺れる。ぷるるんと、蠱惑的に揺れる果実に視線が吸い寄せられ、無意識のうちに凝視してしまっていた。
そうしていると、顔を上げた彼女と目が合ってしまった。どこか無機質な瞳に射竦めてられ、罪悪感や羞恥心がこみ上げてきて、すぐさま顔を逸らす。

こんな綺麗な人が急に来たら驚くというか、どうしたら分からないというか……

出会った際の仕草だけで彼女がとても優秀だということは分かる。仕事の面ではまず問題はないだろう。
でも、この冷たい表情を見ていると……仲良くなれるか分からない。取っつきにくそうで、どう接したらいいのか分からない。
だから、母さんにもう少しだけ紹介してもらおうと思ったけど

「じゃ、お母さん達は出かけるから、後はよろしくねー♪」
「ま、待て!こんなの聞いて……うぅっ!」
「ほら、あなた、早く行きましょうね♪」

母さんと父さんは、そんな僕を放って、荷物を持っていそいそと家から出て行ってしまった。残されたのは、突然現れたメイドさんと僕だけ。

「え、えーと……よろしくおねがいします?」

「はい、よろしくお願いします、ご主人様」

そうして、僕と彼女の共同生活が始まった。

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彼女はすごかった。
想像していた通り、仕事はまさに完璧だった。
部屋はいつも以上にキチンと家具が揃えられ、洗濯では昨日僕が汚してしまった服すら新品かと思うぐらいピカピカになり、料理は思わず舌鼓を打ってしまうほど絶品だった。
非の打ち所がない彼女。どんな
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