#160;
#160;他人が怖い。だから遠ざかる。その癖、他人が居なきゃ何も出来ない。
#160;
#160;自分が嫌い。だから卑下する。その癖、誰よりも自分に甘い。
#160;
#160;希望が無い。だから考えない。その癖、今の場所は自分の居るべき所じゃないとワガママを言う。
#160;
#160;纏めると、俺はこんな人物だ。自他共に認める、コミュ障身勝手クソ甘えヘタレ野郎である。救いようがない。しかもその事を認めておきながら放置し、面倒という理由で努力も成長もない停滞を望んでいた。
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#160;そんな俺がある日、強制的に連れて行かれた場所で、彼女と出会った。
『ご主人様は、自分がどうやっても変わらないと、本当にそうお思いですか……?』
#160;
#160;あの日、俺はその女性、フィネアに問いかけられた。
#160;
#160;この言葉をきっかけに、俺の人生は一転。恋人兼従者が出来るわ女性を喫茶店に誘えるようになるわ彼女の家に上がりこんでベッドで爆睡するわ、童貞と処女を物々交換したりするわ人間以外の知的生命体の存在とE.T.するわ、まあそんな感じでいろいろと想像もしていなかったイベントオンパレード状態となったのだ。
#160;
#160;おいおい童貞の痛い妄想か、と思うようなご都合展開と思うだろう。実際、当事者の俺だって途中まで内心半信半疑、いや2信8疑だったんだよ。
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#160;でも、フィネアが居るって事は事実で、彼女が俺を、俺が胸張って生きれるようになる為に支えてくれる、って事もまた現実だった。実際に、フィネアと会う前と今を比較すると、かなり違うと思う。単行本十冊くらい飛ばしたかのような変化ぶりだ。たぶん。
#160;
#160;そうしてる内にちょっと余裕が出来たのか、俺はフィネアの事に意識を向けられるようになった。俺を支えてくれる彼女は、二次元にしかハッスル出来なかった俺をリアルに引き戻した彼女はどんな子なんだろうか、と。
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#160;第一印象は献身的で、清楚で、芯の強い女性。それが彼女の一部分でしかない事を、俺はすぐ知る事になった。
#160;
#160;本当のフィネアは、俺以上に自分にコンプレックスを持っていた。自分の種族にそぐわない体質の所為で、自分を信用出来ないでいたのだ。妄想癖のあるちょっと耳年増なメイドかと思ったら尋常じゃないくらいに淫乱なメイドだったというね。
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#160;自信喪失する彼女を見て、俺は思った。
#160;
#160;俺はフィネアから、何かはまあ、それが何かはよく分からないが、確かに大切なものを貰った。だから、今度は俺が彼女にあげる番だ、と。いやぁ、あの時の告白は強敵でしたね……。自信取り戻させたのはいいけど、アレ完全にプロポーズじゃないか。後から考えると身悶えする内容だった。正直死にたい。
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#160;何はともあれ、俺はフィネアとこの世界を生きる事にした。ぶっちゃけ魔界とやらも超気になるが、まあ、それは人生二周目のお楽しみという事で。
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#160;辛い事もある。悲しい事もある。そんなの分かってるさ。現にもうすぐ俺達の身に降りかかるんだよチクショウ。どうして俺は魔界産じゃないんだよ。
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#160; それでも、俺は。
・・・
#160;
#160;穏やかで、安らかな微睡みの中をフワフワと浮かんでた俺の意識は、粘質な水音と心地良い快感を捉えながら上昇してきた。
「はむっ、んむっ、れろっ、ぺろっ、んるる、ちゅぅっ♪」
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#160; ……何つーか、今現在何が起こってるのかすげぇ容易に予想できる。
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#160; 問題です。目を開けた先に何が待っているか、次の内から答えなさい。
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#160; 1、全裸のメイドにフェラチオされている。
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#160; 2、半裸のメイドが口でご奉仕している。
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#160; 3、俺のヨメイドがチンーコをペロペロしている。
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#160; さあ、どれだ!?
「ーーおはようございます、ご主人様♪」
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#160; 何と。答えは『4、服を着たメイドが俺の息子を熱烈に舐っている』だった。
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#160; ……着衣の度合いが違うだけで全部同じじゃねぇか。まあいい。
「朝食の用意が出来ましたので、それをお知らせに参りました」
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#160; おk把握。でも起こすんだったら肩を揺らして起こしてもいいんじゃないかな。
「もちろん、朝一番のご主人様の滾りを身に受けたいと思いまして……♪」
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#160; うむ。正直でよろしい
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