好感度→→→→→→→↑↑↑

 何故分かってくれないんだ、フィネア!

「ご主人様こそ、どうして分かっていただけないのですか!」

 確かに役割だけ見ればその役目は君が担うべきだ。しかし、コレに限っては例外だろう!?

「そんな事ございません! 第一、ご主人様は私を何だと思っているのですか!?」

 そんなもの決まっている! 俺の、エロエロピンクなヨメイドさんだ!

「……っ! そ、それは……、ち、違います! 今話しているのはそういう事ではありません!」

 じゃあ何だというんだ!? 君は俺の認識が間違っているというのか!?

「そうは申していません! ですが、それとこれとは話が別です!」

 何おう!?

「コレばかりはご主人様でも譲れません!」

 こんなに言っても分からないのか!?






 カ○ビィはどう考えても君が操作するべきだろう!

「いくらピンク色だからってその判断は賛同しかねます! そもそも2Pの名称がヘルパー、つまり従者である以上、私が2Pを勤めるべきです!」

 ぐぬぬ……。……似合うと思ったんだけどなぁ。
 いやー、ガチ話するとさ。俺、結構ヘタクソだから君に1Pやってもらった方がゲームオーバーになりにくいんだよねー。昔のナンバリングタイトルで、俺がカー○ィやって残機減らす度に姉ちゃんに残影拳ハメを顔面に叩き込まれたくらいだし。何でいきなり星のピンク玉のゲームから餓えた狼の伝説が始まるんだっての。

「ご心配ありません。ご主人様に近付くモンスターは私が排除しますから。――見てください、この動き!」

 うわっ!? キモッ!? フィネアが動かしてるヘルパーがキチガイ染みた動きを!? 多段ヒットしてボスが動く暇もなく消し飛んだ!? 無敵時間も一緒に休暇取ってるの!?
 ちょ、待って! その操作十字キーを酷使しすぎ! さっきからヤバい音鳴ってるって!

「大丈夫ですとも。この携帯ゲーム機は一見ご主人様の所持していらっしゃるものと同じに見えますが、魔物用に特別に作られた超魔界銀仕様です! ワームの握力にも耐える耐久力と、サンダーバードやウンディーネといった、種族特性の所為で所持出来ない者でも安心してゲームが可能です!」

 赤い帽子のヒゲ配管工がイメージキャラな花札売りのゲーム会社ぁぁぁ! もう魔界傘下になってたぁぁぁ!?
 ちょっとちょっと! あんまりガチでやらないで!? せっかくこうしてイチャイチャ協力ゲームしてるのに、何もしないままクリアまでの最新記録叩き出しちゃうぅぅぅ!

「あ……。そうでした、申し訳ありません……」

 まあ、テンション上がるのは分かるよ?
 今、この揺れる空間には俺らしか居ないし、目的地まであと三時間は掛かるし、ほぼ完全に隔絶された空間だしさ。

「はい。……しかしよろしかったのですか? 今回の行き先は非常に都会から離れていて、施設もほとんどありませんが」

 そういう田舎がまたいいのさ。静かで、豊かで、何ていうか、救われてるじゃないか。そもそも人気スポットとか、娯楽施設とかはこの時期何処も混んでるし。

「確かにおっしゃる通りですが……」

 社会人一年生の諸君ならば待ちに待っていた、長期休暇。
 二年生になった俺も楽しみにしていたのは例外ではなく、ご覧の通り廃線寸前で客の姿がまったく見えない長距離列車にフィネアと共に乗車していた。
 二人で何処かに行こう、という話は前々からしていたのだが、よく考えるとこの時期レジャースポットは大概人間のバーゲンセールになる為、何処に行っても疲れる。ついマップ兵器を使いたくなるほどに。
 ならばいっそ、誰も来ないであろう超山奥の廃村目指してプチ旅行をしよう、という話になったのだ。
 目的地は、かつて天然の温泉が沸いていたのだがあまりにも交通が不便な為に寂れ、村人も居なくなったという小さな村。もちろんタダで使わせてもらうのはいろいろヤバかろうとフィネアが手を回しており、その周辺の土地を有澤コーポレーションに買い取ってもらったとの事だ。社長パネェ。
 で、俺達は今後この土地にどのような施設を作るか、という事の調査、という名目で向かう。決して安くない筈の旅行がほぼ経費で落ちるって気持ちがいい。
 さて、そんな俺と同じくらいテンション上げ上げになっているであろうフィネアはどんな事を考えているのやら。

「(周囲には風の音、自然の声。それだけしかない空間で、首輪に繋がれ、愛玩動物のような扱いを強要されて、……ああっ!? ダメですご主人様! 足を上げて粗相など……、そ、そうでした。私は犬なのですから、言葉を喋っては――)」

 ……前言撤回。俺よりテンションバリバリになってた。

・・・・・・

ドヒャァァァァァァッ!!!

「(なっ……!? 今の車、何考えてやがる! いくら田舎の峠
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