「どうやったらママが屈辱に塗れた状態でパンツをたくし上げてる姿を見られるのか、パパから何かアイデアとかある?」
ストレートに聞くけどどうしてその考えに至ったの?
「わたしがダンピールでママはヴァンパイアだからだよ、当然の帰結」
もうちょっと詳しく教えてくれるとパパ嬉しいなあ。
「んっとね、ママっていつもぷりぷり怒ってるでしょ?」
そうかなあ、あれはあれでノロケみたいなもんだし別にパパは何も気にしてないぞそれはそうと昔のママは凄かったんだよいや勿論今もすご――
「そんなママを見てると鼻っ柱をへし折ってやりたくなるんだよね」
一応あなたのママなんだけどなあ、反抗期?
「ううん、ママのことは大好きだよ」
大好きなのに鼻っ柱を折りにいくの? あとパパのことは?
「大好きだから目に余るってのもあるし、むしろ好きだからこそ自分に従わせたくならない?」
その情熱は将来の伴侶となる男の人に向けてほしかったなあ。あとパパのことは?
「ママとパパがイチャイチャしてるのは分かるよ。でも物心ついたころから見てきた身としてはもう少しノーマルなイチャつきになってほしいの」
気持ちは嬉しいけれど愛の形は人それぞれなんだ。あとパパの――
「パパはママのパンツ見たくないの?」
う。それは。
「あの高慢で意地っ張りでわがままなママが屈辱に怒りの炎を瞳に灯しながらぷるぷる震える手でドレスをたくし上げてパンツを見せるんだよ?」
え。あ、あの。
「『くっ、貴様……よくも私にこのような辱めを……』とか言いながらも何もできないママのパンツに鼻先をくっつけてクンカクンカできるんだよ?」
ちょっと。おいこらっ。
「それでパンツの匂いを嗅ぐとそのくすぐったさにママが悶えて繰り返しふんすふんすしてると段々と性器が湿り気を帯びて発情したメスの匂いが漂ってきて気丈なママが顔を赤らめながら悩まし気な吐息を漏らすんだよ?」
ストップ。ウェイト。待って。
「なにさ」
単刀直入に聞くね。どこから覚えたその言葉。
「血筋」
……。
「パパは変態だってママがよく言ってたし、そんなのとくっついたママも同類で、だったら二人の血を継いだわたしはスーパーハイブリッド変態かと」
念のため聞くけど冗談で言ってるよね、そうだよね!? 家族会議ものだよ!?
「当たり前じゃん」
…………。
「ママを辱めるためならわたしはどんな汚れ役をも厭わない」
そんな姿を見たお前のお父さんは泣いてるぞ。
「別にパパはどうでもいい。知らんぷり」
とうとう娘が反抗期に……。よよよ……。
「べ、べつにパパのことなんて好きじゃないんだからねっ! ただパパをいじめるとママが血相を変えてやってくるからいじめてるだけなんだからね!」
今ママはお昼寝中でよかったね。
「でもちょっと嬉しかったりするんだよね」
ママの説教が?
「ううん、パパがいじめられてるとちゃんと助けに来てくれるところ」
……。
「普段はツンツンしてるけど本当はパパのことが大好きなんだって分かるから」
…………。
「もしわたしがパパとママが愛し合って生まれた子供じゃなかったらどうしようって、不安になるときだってあるの。いつもママがパパに優しくしてくれれば、そんなことも考えなくて済むんじゃないかなって、そう思ってるんだけど」
………………。
「でもパパは今の関係で満足しちゃってるから、わたしがどうにかしなくちゃいけないんだって……どうしたのパパ? 急に泣き出しちゃってさ」
ごめんよ……そんな辛い思いをさせていたなんて気づかなかった……。パパ失格だな……。
「そんな、パパが謝ることじゃないよ。だって悪いのはママで――」
それでもだ。すまなかった。パパからもママに話してみよう。
「えっ、本当?」
ああ、パパに任せてくれ。きっとママも分かってくれるはずだ。
「わたしも一緒に行くよ、パパ一人じゃ頼りないからね」
そうと決まれば善は急げだ、そろそろママが昼寝から目を覚ます頃だろう。早速相談してみよう。
「うん!」
§
ということがありましたので是非とも私たち二人の前で嫌な顔してパンツを見せて下さると嬉しいです。
『死ね』
「ひどい! わたしとパパが一生懸命考えて出した答えなのにそんなのあんまりだよ!」
『お前は黙っていろ! それよりも貴様は何を簡単に丸め込まれているのだ! 家族の仲を取り持つことと私がパンツを見せることにどんな因果関係があると言うのだ!』
私が喜びます。それを見た娘も喜びます。
『貴様を八つ裂きにできれば私も喜ぶだろうな……』
「ママが殺気だってる……こわい……うぅ……」
『な、泣くな! 別にお前の言う事に理がない訳ではなくてだな、
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