−−−いま、ここに居る side B

きっと、この夜は長いんだろうな。

そんな事を、思った。愛しの女と一緒に浸かる、浴槽の中で。
自分の体に包まれて、優しい笑みを浮かべる彼女を見ながら。
我ながら、風呂の中でなんという事を考えているのだろうという自覚はある。

けれど、きっと彼女も同じ事を考えていたのだろう。

「――――ったく。しょうがねぇなぁ……♪」

こちらを振り向く彼女の、優しい表情は…………一瞬にして、獲物を狙うそれになったのだから。

「お風呂の中で、こんなに大きくしやがって……お前も、とんでもない変態だなぁ……♪」

厳しい言葉を、楽しそうに口角を緩ませて言う。
同時につんつん、と……オレの『男』を、何かがつつく感覚。

いつの間にか、彼女はその体から尻尾だけを器用に生やしていた。
そのハートの形をした先端が、オレのモノを刺激しているのだ。

もっとも、その前から既にそこの準備は整っていたのだ。彼女がそう言うのも、仕方がない。

「んくっ……明らかに、キミが魅力的なのが悪いだろう……」
「ははっ、嬉しい事言ってくれるじゃねぇか……♪」

軽く言い返してやると、彼女は笑って湯船から立ち上がる。
湯が滴るその肢体が露わになる。
きめ細やかな、白い素肌。なだらかながらに形成された山とくびれが織りなす、極上のライン。
先から水滴を垂らす、流れるような髪。
そして――――

「ほら、来いよ。我慢できないんだろ……?ここで相手、してやるよ……♪」

――――翼などなくともわかる、淫魔の表情。

くちゅり、と音がした。
白く細い指が、自らの大事なところを広げた音だった。
綺麗な桜色の肉の間から溢れるのは、情欲を示す粘ついた液体で……彼女の方が我慢できないのは、明らかで。

男たるもの、その気持ちを受けとめてやるべきだ。
そうでなくとも……こんなものを見て、我慢なぞできるものか。
ゆっくりと、彼女を追うように 自分も湯船を出る。

洗面台を兼ねた鏡の前に立ち壁に手をついて、準備万端の彼女。
今か今かとこちらを待ちわびて尻尾を揺らす、彼女のしとどに濡れそぼった『そこ』に……思いっきり、いきり立つものを突き上げる。

「かは、っ……キタぁっ……♪」

ずぶり。
その膣内(なか)は、抵抗なく侵入する異物を受け入れた。
何度もオレのモノを受け入れたからか、それだけ待ち遠しかったのか。
はたまた、その両方か……ぐんぐんと進んだオレの先端が、こつりとその最奥を叩く。

「んはぁぁぁっ……♪これ、やっぱすっげぇ……♪」

歓喜の声をあげるとろけた表情が、鏡に映る。
バックながらも相手の顔が判別できるように、狙って鏡の前に立っていたのだろう。
男の口調ながら、完全に男を悦ぶ雌の顔。離すまいと、精を逃すまいと、絶妙に締め付けてくる肉の壁。
普段生活を送っている場所が、淫らな空間になっている事実。

全てが興奮のスパイスとなって、極上の快楽が下半身から走る。

「なんだよ……これで、終わりかぁ……?だらしねぇなぁ……♪」

しかし、この淫魔はまだ満足してはくれないらしい。
男と女の関係になってもなお、軽い口ぶりで挑発をしてくる……もっとも、その口元は緩みきっているのだが。
だがそこまで言うなら、お望みに答えてやろうじゃないか。

ずるずると、引っこ抜く。
逃さまいとする壁が擦れる快楽に、体が震える。

「んあぁ……」

名残惜しげに、淫魔の吐息が口から漏れる。
しかしそれでも、肉棒は先端以外を引っこ抜く事に成功した。
亀頭と秘裂が、キスのように触れ合うだけの状態……から、一気に腰を叩きつける!!

「あひぃっ♪」

虚をつかれた、余裕のない声。
奥を突くその感触が余程たまらなかったのだろう、舌がだらしなく垂れている。
畳み掛けるように、引いては突いてを繰り返す。
ビクンビクンと、彼女の体はその度に小さく痙攣する。
その姿に、オレの中ではちきれそうな欲望が少しずつ下半身を登ってくる。
もう少し、という所でまたしても、軽口。

「ん♪んぅっ♪は、ははっ……やるじゃ、ねぇかっ♪あんっ♪」
「お、お前、が……可愛すぎる、からだっ!!」
「〜〜〜〜っ♪♪それっ……はんそ、くっ……♪」

軽口に対して、ついムキになって声を張り上げてしまった。
鏡に映る表情が、真っ赤になる……お互いに。
淫魔の表情は、まるで乙女のする表情のようにほころぶ。

「やば っ、こ んなの ……我慢、できねっ……っ♪♪♪♪」
「ぐっ……!!」

鏡の彼女がぎゅっと目を閉じると、一際強い締め付け。
準備万端だったオレも、当然に限界を迎える。

『それ』が、はちきれた。

「あぁぁっ……あぁぁぁぁぁぁ……♪♪♪♪」

ぐちゅりと音を立てて、女体の中を白濁が汚す。
受け取る度に、彼女はその体を嬉しそうに震わす。

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