年明けですね

はい!ということで始まりますよ!

“ライン年始福男・福女レース”!

ルールは簡単!
スタート地点であるここ、ヤバザ通り外周付近から真っ直ぐ走り、中央左右の道どちらかを抜けてハラバ通り外周付近まで行き、そこから外周を走って西、ツイア通りへ。さらにそこから真っ直ぐ進み、ゴール、アダマ通り外周付近まで、そのコースを参加者全員で走って競い、真っ先にゴールした方が優勝です!
優勝した方にはなんと!ライン領主テベルナイト家から、ある程度のお願いなら一つだけ叶えてもらえる権利が贈与されます!!
微妙な感じに聞こえますが、叶えてくださるのは異世界貿易街の領主!かなり期待出来ますね!
ちなみに、コースの一部には障害があり、簡単にはゴールできないようになっています!
参加者は全員この街の住民です!
いったい誰が優勝するのでしょうか!!
あ、申し遅れました。わたくし、今回司会を務めさせていただきます、烏天狗の凍丸 文々でございます!
そして解説には喫茶店“アーネンエルベ”の従業員、星村 空理さんを及びいたしました!

「どうも、星村です。みなさんよろしくお願いします。」

さてさて星村さん、今回のレースには街の住民の大半が参加されているらしいですが、有力なところはどなたでしょうか?

「そうですね、やはり、自警団のデューナ・ダランさんでしょうか?レースと言えば、体力勝負ですからね。
しかも今回は妨害あり……やはり、実力者が有利でしょう。」

なるほど!
実力者というと、魔術学担当のアーシェ・ミラー先生も有力ですね。

「ですね。個人的にはナイトフィア家の方も参加してくださったら面白いと思いましたが、どうやら却下されたようですね。」

ほうほう、それは残念ですね……っと、そろそろスタート時間になりますね。
スターターの方丈さーん!どうですか〜?

『……ほらほら、呼ばれたからおとなしくしてて……はい!こちらスタート地点!やっぱり優勝商品がいいためか、すごい熱気に包まれています!というかなんかみんな暴れ馬みたいで怖いです!!』

それはご愁傷様です。
というか、最初の方の会話は何だったんでしょうか?

「たぶん、嫁さんたちと話してたんだろうね。あの子達もたしか結婚式をあげるために参加するらしいよ」

なるほど羨ましいですね!
爆ぜろと言わせてください!!
なんですか嫁さん五人って!
ハーレムですかこの野郎!

「はいはい。私情はそこらへんにして、進行してください」

……失礼しました。
ちなみに今回は私がパーソナリティーを勤めさせてもらっているフミフミ☆ラジオなどの協力を得て、特設の解説室を設けさせていただいてます。
レースの状況もカメラで送ってもらってますので、放送はすべてここから行わせてもらいますよ〜!
……さて、レース開始1分前となりました!みなさん、準備は出来ましたか〜?

「レース開始合図は方丈君の空砲によって行います。じゃあ方丈君、頼んだよ」

『わかりました!それではいきますよ〜!

位置について〜

よーい……


スタート!!』

パァン!!

『いぃぃぃやっっっほぉぉぉぉぉお!!』

さぁ始まりました!!
って早速自警団のデューナ・ダランさんが飛ばしました!
しかもなんですかあの速度!?
あの人大人げないですね!?

「あー、あれでも制限はしてるんですよねー。たしか二割に抑えてもらってるんですよ」

あれで、二割……?
いやいや、それはないでしょう?
約束破ってるんじゃないですか?

「いや、それはないよ」

なぜですか?

「三割以上出したら弟君の親権なくなっちゃうから」

………………
あー、はい。
あれは二割であるとしか言えません。
ちなみに姉弟なのに親権うんぬんはスルーの方向で。
……さて、続いて現在デューナさんを追う二位は……ん?
あれはなんでしょう……?
狐?
星村さん、あれはいったいなんでしょうか?

「あれは……ああ、美核ですね」

なんと!二位はアーネンエルベ店員、稲荷の美核さん!

「たぶん、変化系統の魔術で走りやすくて自分と相性のいい狐の形になったんでしょうね」

なるほどなるほど。
たしかに早いし疲れにくそうですね〜。
というか、彼女は優勝したらどんな願いをするんでしょうね?

「さぁ……まぁ、大方珍しい人形とかそういうのじゃないですか?」

いや、意外に好きな人とデートしたいとかじゃないですか?

「……いや、ないわ〜」

『あんたたち!なに勝手にいろいろ言ってるのよ!?』

おお、怖い怖い。
あ、ちなみに今は一月一日。
クッキーの前の時系列なんで、二人は“まだ”ですよ〜!

「ん?わけがわからないんですけど……?」

あ、気にしないでください。
メタ発言が許されるのは、舞台裏と私だけ☆

「\うぜぇ丸
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