さて、これで三つ全てを見たわけだけど……
まぁ、結果は変わらず、正孝くんはハッピーエンドを迎えたね。
これで、どんなに運命の歯車が変わろうが人への影響が少ない、というのは立証出来たね?
……ふむ、まだ納得いかない子がいるのかい?
では、まだ時間に余裕があるし、もう一つ、彼の話を見せようじゃないか。
今回は、彼とは初対面の人の話になる。
つまり、元々は関わるはずがなかった人の歯車を組み合わせることで、どう変化するのか見る……と言ったところかな?
あ、ちなみに最初の方は歌姫の子の話と全く同じだから、彼が二次会に行かず、帰宅するところから始めるからね。
めんどくさがったとか言わない。
本当に何もかも一緒なんだから、省略してもいいだろう?
え?そしたらその前の話だってそうじゃないか?
……いや、あれは細かいところが違う……
ああもういい!!
とにかく、始めるよ!!
××××××××××××××××××××××××××××××
カラオケが終了し、皆が二次会に居酒屋に移動する中、僕は一人帰路についていた。
理由は簡単。どうせ二次会に行ったって合コンみたいになるだけだからだ。
恋愛とかそういうのは完全に諦めてる僕からしたら、合コンなんてものには付き合う気になれない。
……にしても、本当に寒いな……
雪でも降ってきそうなくらいだ。
「寒い寒い……!!」
わざわざ口に出しながら僕はコートのフードを被って歩く。
……と……
「……ん?あれは……人……なのかな?」
僕の視界に、路上に寝転がってる……というか、倒れてる女性が見えた。
いや、壁に寄りかかってるから、座ってるようにも見えるかな?
ともかく、僕はその女性に近づいて、様子を見る。
わかったのは、その女性がとても綺麗なことと、今は気を失ってること、そして……
「……酒臭い……」
酔っ払ってること……
やばい、匂い嗅ぐだけで酔いそうだ……
この人、いったいどれだけ飲んだんだ……?
いや、ともかく、ここはほうっておくことにしよう。
と、思ってその場を去ろうとすると、雪が降ってきた。
「………………………………」
このままでも、少しの間はほうっておいても彼女は平気だろう。
平気……だろうけど……
「あー…………うー……」
散々悩んだあげく、僕は路上に寝転がってる彼女を背負って、自分の家まで連れて行くことにした。
まったく、僕はお人好しな気がしてきた……
別に彼女がそのまま雪の中で転がってたって、自業自得なんだから関係ないはずなのに……
でも、自分の家まで連れて行く。
はぁ……まぁ、でも仕方がない気がする。
それが僕なんだから……
××××××××××××××××××××××××××××××
「ただいま」
「あら、お帰り。遅かったわね」
「メールで伝えたでしょ?クリスマスパーティーやってたの」
「……ああ、そうだったわね。……ん?その子は?」
家に帰ると、居間に母親がいたため、軽く話し……て、僕が背中に背負ってる彼女の話になった。
ああ、予想はしてたけど、なんて言えばいいかな……?
……まぁ、ない頭絞って考えるより、普通に説明した方がいいか。
「いや、路上に寝転がってるところを拾ってきた。雪降ってきて、寒そうだったから……」
「あら?雪が?まぁ、それならしかたがないわね」
あ、いいんだ、そんな理由で?
「とりあえず、制服着替えちゃいなさい。お風呂いれちゃうから。その子は……まぁ、適当に寝かせておきなさい」
「はいはい。了解」
そしたら、僕の部屋で大丈夫なのかな……?
そんな心配をしながら、僕は居間から自室に移動するのだった。
机にソファ、ベットにコンポにテレビという、ごくごく普通の部屋が、僕の部屋だ。
自室にはいると、僕は女性をベットの上に寝かせて、制服を着替えてしまうことにした。
まぁ、目覚める前に着替え終わってしまえば見られる心配もあるまい。
そう思って、僕は早々に着替えていく。
が、しかし……
「う……うぅん……?」
「あ、やべ……」
僕が着替えている途中で、彼女は目覚めてしまった。
今の状態見られたら、なんか変態に連れ去られたとか勘違いされるだろうな……
いやまぁ、路上で倒れてたから自業自得だとは思うけど。
でも、なんか暴れられたりしたらこっちが悪いみたいなことになりそうだし……
などと考えているうちに、彼女はむくりと起き上がり、こちらを見てきた。
……ちなみに、いま僕は上半身は裸状態。
した着替えたけど、こっちは間に合わなかった。
うーん、これは詰んだかな……?
「……え、えと、起きたんだ?」
「……あの、ここっれどこですか?」
あ、まずそこを訊くのね?
あと、ちょっと呂律が回ってませんよ?
まぁ、ともかく、僕は上も着替えてから、僕は彼女
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