「ほら、全員席につけよー!!」
『はーい!!』
娘と娘の友達、計10人程を俺は席につかせる。
「……ヴァン、ケーキが出来たわよ」
「おう、了解。運ぶの手伝うぞ」
タイミング良くウィナが出来たてケーキを持ってきてくれたので、俺は奥に行って皿やら何やらを準備する。
「パパ、何か手伝うことある?」
と、娘、レンカが訊いてきた。
うむ。我ながら出来のいい娘だ。
「いや、大丈夫だ。お前は友達を話して時間でも潰してればいい」
「うん。分かった。ありがとう」
娘が出たところで、準備を再開する。
カップと、フォークと……飲み物は、何がいいだろうか……
…………ここは、鍛冶屋“レギンス”。俺ことヴァン・レギンスと、俺の嫁さん、ウィナ・レギンスは、娘のレンカのためにハロウィンパーティーを開いた。
参加するのは、レンカの学校の友人。
ハーピーにワーウルフ、ミノタウルスにエルフ、残りは全員男。もちろんなんかしらの仮装をしている。
男女比半々だが、男の中で誰かがうちのレンカをたぶらかさないか心配だ。
「……それじゃあ、準備も済んだことだし、皆で言うぞ!?」
『おー!!』
リーダー格であるミノタウルスの号令にレンカ達は答える。
まぁレンカ達のついでだ。俺達も言っていいだろう。
「じゃあ、行くぜ?…………せーの!!」
『Happy Hlloween!!』
全員がそう言って、ハロウィンパーティーが始まった。
さっきウィナが作り終えたケーキや、近くの喫茶店で買ったパイを全員になるべく均等になるように分ける。
子供達は皆はしゃぎながら喋ったりしている。
「クスクス……皆、楽しそう」
「ああ、そうだな……」
俺とウィナはそれを見ながら微笑んだ。
「……ここに来て、よかった」
「そうか。それはよかった」
「あなたと結婚出来て、よかった」
「ああ、俺もそう思ってる」
ウィナが首を傾けて俺の肩に頭を乗せる。
俺は片腕でそっとウィナの肩を抱く。
子供達は楽しそうにはしゃいでいる。
これが俺の望んだ、夢見た未来。
ああ、今俺は……幸せだ。
「……ほんと、お前と結婚出来て、俺は幸せだよ」
「……あ、ありがとう……////」
その日、俺達の間にもう一人、子供を授かることになるが、それはまた別のお話……
××××××××××××××××××××××××××××××
「……ところで、貴様ら、俺の娘にちょっかい出したら……分かるな?」
『は……はい!!』
「……ヴァン、少し、頭冷やそうか?」
「え?ちょっとウィナさん?…………ああ!?」
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