――――――陽介たちの部屋
「んぅ・・・?」
めがさめてみるとゆいはまっくらなおへやにいました。かけてあったおふとんをどけてまわりをみてもははさまやととさまどころか、ににさままでいません。
「ににさま・・・?」
よんでみてもににさまのへんじはありません。ゆいはだんだんふあんになってきました。
「ににさま、ににさまぁ・・・!」
さっきよりもおっきなこえでよんでみてもまっくらなへやのどこからもへんじはありませんでした。なにもみえないおへやはこわいです。でも、みんないないのはもっとこわいです。
「ににさま・・・ふみゅっ!?」
びっくりしました・・・。ゆいがねていたのはせのたかいおふとんだったようです。おちたときにてをうってしまったみたいで、ひりひりします。・・・もしかしてすてられてしまったのでしょうか・・・?
「ふえぇ・・・。」
いたくいのとこわいのでめになみだがたまってきましたがここはがまんです。いたくてもににさまをみつけるのがさきです。おへやにどあがあるのはとうぜんです。なのでどあをさがすためにまっくらなおへやをまっすぐいくと、かべにぶつかりました。そこからすこしいくと、でこぼこにぶつかりそのさきがいまゆいがいるところとはちがってひんやりしていました。ここがどあなのでしょうか。どあがあればあのくるっとまわるのもあるはずなのでてをのばしてあのくるっとまわるのをさがしました。するとおにいさんゆびのさきにどあよりもひんやりとしたなにかがあたりました。
「う・・・んしょっ・・・!」
せのびをしてつかんでみるとそれはあのくるっとまわるやつでした。それをふたつのてでくるっとまわすと、どあがゆっくりとあきました。おそとのひかりがまぶしいですがいまはそんなことよりもににさまをさがすほうがだいじです。どあをでてかべにてをつけてゆっくりと
バタン!
「ひゃうっ!?」
おっきなおとにびっくりしたのでうしろをみてみると、どあがしまっていました。・・・だれがしめたんでしょうか。まわりをみてもだれもいないのに。・・・まさか、おばけ・・・?
「ににさまぁ・・・!」
おへやのなかでしたようにににさまをよんでもへんじはありません。みちはまだまだありましたがこわくてうごけませんでした。もしうごけばおばけがくるようなきがするのです。みちのむこうになにかくろいものがみえました。あれがおばけなのでしょうか。そのくろいのはだんだんおっきくなってゆいにちかづいてきました。
「ふえ、ぇ、に、ににさまぁ・・・!」
ゆいはこわいのでからだをひくくしました。このあいだははさまがこうすればいいとおしえてくれたからです。
・・・こわいですこわいです・・・!ににさまたすけて・・・!
「え、唯?何してんのそこで。」
「ふぇ・・・?」
あたまをあげると、さっきまでおばけのいたところにはににさまがいました。ににさまのかおをみたら、なぜかなみだがとまらなくなってきました。
「に、ににさまーーーー!」
――――――
「に、ににさまーーーー!」
「うわっ!?」
何故か床で蹲っていた唯に声を掛けると、突然大きな声を出しながら俺に飛びついてきた。
「ど、どうした?何かあったか?」
「ふえええぇえぇえん!」
腰にしがみ付いた唯を抱きかかえ理由を聞くも、俺の胸に顔をこすり付けて泣くだけ。一体何があったのだろうか・・・。
「よしよし、もう怖くないからな?」
「ふうっ・・・、ふぇっ・・・。」
背中を叩いてやると、唯は少し安心したのか大声で泣くのをやめる。いつの間にか唯は下半身を俺の鳩尾回りに巻きつけていた。強い力で締め付けてくるため地味に痛い。
「・・・で、何があったの?」
「ぐすっ・・・まっくら・・・ひっく・・・おへや・・・。」
「・・・・・・。」
「ふえっ・・・おそと・・・くすん・・・おばけぇ・・・。」
・・・多分言ってる事から察するに、起きたら真っ暗で誰も居ない部屋にいたから怖くて外に出たらお化けがいた・・・でいいのだろうか。一体部屋から此処までの数メートルの間でどんな大冒険を・・・。
「ふえっ・・・ににさまぁ〜っ・・・!」
「はいはい、怖かったね〜。」
――――――同刻・巡査本部玄関
「・・・なあ。」
「ん?何だ?」
「俺達も運が無いよな・・・。」
「どうしたんだよ、いきなり。」
「だってこんな反魔物地区にある巡査本部の門番だぜ?いつ死んでもおかしくねぇだろ・・・?」
「こ・・・のご時世、何処も雇っちゃくれないんだ。職があっただけ良いじゃねぇか・・・。」
「そうだけどよ・・・。ん?」
門番をしていた男性二人が話をしていると、道の向こうから十数人ほどの団体が見えた。
「誰だ?こんな時間に・・・。」
「・・・おい、何かおかしいぞ
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