まずは味について、そんなに悪くない事は意外だった。むしろお代わりと言いたい位の味だった。
・・・・・・ん?
薬が腹に入ったかと思うと、即効性なのだろうか腕の痛みが消えた。
ほう、これはすごいと感心していると、ふと体が妙に熱くなっているのを感じた。
体にも力が入っていく。滋養強壮効果もあるのか?
「イナミ様、これは一体なんですか?」
「ん〜?何かしらね〜♪」
だめだ、この人絶対何か企んでる。まさかこれは・・・毒か!?いや、俺の知ってる限り一時的に身体能力を向上させて、かつ人を死に至らしめるような毒は知らない。
そう言えばこれを渡すときイナミ様なんか楽しそうだったな・・・。一体何を飲ませたんだ?
イナミ様の方を見てみると、イナミ様はゆっくりと歩いてきていた。
「い、イナミ様?」
「ん〜?何かな?スグロ君」
「何で近付いてくるんです?」
「なんとなく♪」
そう言うと、俺の隣に座り頬をつんとつつく。その途端、えも知れぬ快感が全身を駆け巡った。
「っひゃん!?」
「効いてきたみたいね♪」
「ちょっ!効いてきたって何ですか!?何を飲ませいひゃあ!」
もふもふの尻尾が俺の体に触れる度に背中がビクンと跳ねる。
まさか、あの薬は・・・。ふと股間の方を見るとムスコが猛々しく・・・。空気呼んでおくれよこの親不孝者・・・。いやこいつ、しっかり読んでるな。(色んな意味で)
「〜♪」
「い、イナミ様!何媚薬なんか飲ませてるんですかあひゃあ!?」
「?にーちゃん、どうしたの?おかおまっかだよ?」
「な、何でもない、何でもないふぁあ!」
「??」
いかんこのままでは『食われ』る!こ、この状態を打破するには・・・。駄目だ、良い考えが生まれない。
せめてこの幼子の前で醜態を晒す訳には・・・!その思いだけで何とか理性を保たせる。しかしこれもそう長くは続かないだろう。
助けを求めようとクノーのほうを見ると、クノーはズンズンと近付いてきていた。
そうか、イナミ様を止めようとしてくれてええええ!?
「ふふ、面白そうだな。私も混ぜてくれよ♪」
何・・・だと・・・?
クノーはイナミ様の隣に座ると、俺のシャツを捲り上げる。
「ちょちょちょちょ!クノーまで何を!?」
「ん?大丈夫だって、すぐに終るから」
「そう言う問題じゃなくて!」
こうなりゃ頼みはあの三人だけ!頼むから止めて!
少し前にいるサイの方を見ると、顔は無表情のままだが、どこか嬉しそうな様子で近付いてきた。
駄目だ、この人もヤる気だよ!!
「にーちゃんのおなか…」
足の上にいたルルナが露になった俺の腹をフンフンと嗅ぐ。もはや、かかる息でさえ背筋がゾクゾクとする。・・・もう駄目かも。
の、残る頼りはシャーリー、君だけだ!さあ、君が常識人な事を証明してくれ!
そう思い襲い来る快感の波に我慢しながらシャーリーのほうを振り向く。しかしそこにシャーリーはおらず。
しかしどこに行ったのかはすぐに分かった。・・・俺の背中だ。
「す、スグロさんが悪いんですからね?」
ピットリと張り付いたシャーリーは小さな声で呟いた。俺が何したって言うのさああああ!!
「♪」
「ひみゃぁっ!?」
突然、ルルナが俺の腹をペロリとなめた。
・・・もう無理。もう自制が効かなくなってきた。せめて、せめてこうなる前に逃げたかった・・・。
・・・逃げる?・・・逃げる!?
なんて事だ、俺はあまりの快感にこんな当然の事に気付かなかったらしい。そうさ、よく言うじゃないか、にげるが勝ちよお!
「みんなストーップ!」
「?」
俺の叫び声で全員の手が止まる。
よし、後は立ち上がってあのドアに走っていくだけだ!
・・・っと、その前に。
ふっ飛ばされてはいけないので足に乗っていたルルナを床に降ろす。ルルナは?をうかべたまま、為すがままに降ろされてくれた。
「すまん、今は無理なんだああああああ!!」
「!?」
俺はそのまま勢い良く立ち上がり、サイの隣をすばやく駆け抜けた。
これで何とか逃げ切れるはず!さっきのは男としては嬉しいが、故に羞恥プレイには耐えられん!
「うおおおおおおお!」
一直線にドアへと向かう。ドアまで後10m、と言う時。
「パ、パライズ!」
「な!?みぎゃん!!」
後ろでシャーリーの声が聞こえたかと思うと、突然体から力が抜けた。走る勢いをそのままに床へ倒れる。
何事かと思ったが原因はすぐに分かった。真後ろにいるシャーリーが魔法を使ったらしい。
「んふふ、逃げちゃ駄目ですよぉ?」
後ろから嫌に含みのある笑いと共にシャーリーが近付いてくるのが分かる。動けないので耳を欹てると、どうやら他の皆様も来ているようだ。
オーケーまずは落ち着いてくれ。そう言いたかったが口まで麻痺しているようで動かない。
「スグロ君は男の子
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録