セツナとユウ

スズメの囀りがチュンチュンと外から聞こえる早い朝。

『おはようございます。今日は一日中快晴で日差しが強く、真夏のように暑くなる事でしょう!みなさん熱中症には気を付けましょう!』
「へへへー、そそ、そうなんんだだだあ!」

ガタガタを寒さで体を震えさせながら家で朝テレビを見ている男がいた。
彼の名は尾前ユウ。どこにでもいる男子高校生だ。
彼は普段寒がりでもないし、むしろ寒さに耐えたりするのはロシア人並みに自信がある。
因みに今は春の季節で外はポカポカ陽気だ。
なのに部屋の中は外に比べてめちゃくちゃ寒い。まるで冷凍庫の中にいる様で天井にはいくつもツララが垂れていた。
その理由は

「おはようございます!旦那様
#9825;」
「おはよよよよ…」

リビングに入ってくる一人の魔物娘がいた。
彼女の姿は和服と氷柱が融合した大和撫子のような姿をしており、氷柱に似た透き通るような肌は全て人を釘付けにするような美しさがあった。
彼女の名前はセツナ、氷柱女の魔物娘あり、最近異世界からこの現実世界へやってきた流れ者である。
ある日突然セツナとユウは出会い、ユウが家に来ないかと誘うとセツナはそれに応じて毎日一緒に家に同居する事になった。
その毎日が、

「まだ少し暑いので部屋を冷やしてよろしいでしょうかぁ?」
「やめて!俺が凍死するわ!今部屋の温度マイナス30℃だよ!!」

ユウはまるで我が家では南極にいるかの様な日々を送っていた。



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部屋の温度を暖房で温め直して20℃まで上げて一息つく。
ぶっちゃけマイナス30℃は人が凍死してしまう様な温度である。

「はーー、死ぬかと思った。」
「申し訳ございません旦那様、次から気温はマイナス29℃までにしておきます…。」
「さしてマイナス30℃と変わらなくない!?」

セツナは氷柱女の為かいつも寒い部屋を好んで、魔物娘特有の魔法の力を使って部屋の温度を下げる癖がある。
そのせいか、最近ユウは暑がりになってしまっている。

「なあ、毎日朝に部屋の温度を下げんのはやめてくれないか?下手したらいつか俺、凍死してしまうぜ。」
「大丈夫ですよ♪その時はいつも通りに蘇生させます
#9825;」
「いつも通りッ!?」

いつも死んでいた様だ。



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朝食、この家の食事は氷柱女、もとい、セツナが主に作っている。
ユウはいつもその事に感謝しており、極寒な毎日を送ってるが和風人外美少女の手料理が作れるならお釣りがきてるようなもんだと思っていた。

「氷柱女だからって、白米の代わりにかき氷にするって言わないよね?」
「ギクっ!
……その様な事あろう筈がございません。安心してくださいませ旦那さま♪」

するつもりだった様だ。
確かに彼女は氷柱女、雪女よりも氷の食べ物を望むが、男が望んだ料理は朝飯前に簡単に作れる。

「ところで旦那様、今日の朝食は和食と洋食…どちらにいたしましょうか?」
「ん、じゃあ和食でお願いできるかな?」

「はーい
#9825;」と元気よく返事したあとキッチンへと調理しにいく。
するとセツナは急に服を脱いで裸になり、裸エプロンに着替えてして朝食を作りだし始めた。

(な、なぜに裸エプロンで!?)
「似合ってますかぁ?旦那ぁ
#9825;」
「し、知るか!」

正直いってめちゃくちゃエロい。
大きなお尻を向けてコッチを見ながら左右に振って明らかに誘惑するような仕草をしていた。

(どうですかぁ旦那ぁ
#9825;私はいつでもうぇるかむですよぉ
#9825;)
(ち、畜生!)「さ、さっさと朝食作ってよ!お前がそう誘って来ようと俺はHなんてしないからな!」

とっさにユウはセツナの裸エプロン姿が見ないように顔ごと背けた。

(むぅーー。旦那様ーー、ノリが悪いですねぇ……
そんなところも好きぃ
#9825;)
(くそぉ!我慢だ!我慢だぁ!!)

なんとか性欲を抑える為に己の理性を振り絞るユウ。
理由は自分がまだ子供でありセツナとはまだ出会ってそんなに経ってない。
例え相手が誘惑しようが互いが本当に愛し合うまで女は大切しないといけないという自分のプライドがあった。

そして数分が過ぎるとテーブルにセツナは料理を持ってきた。

「お待たせしました旦那様!お料理が出来ましたぁ
#9825;」
「え、あうん。ありがとう。では早速いただくとしよう!」

どうやら誘惑するのは諦めてあっという間に料理を作り終えた様だ。
ユウは胸を撫で下ろし朝食にありつけようとした。
セツナは今作の朝食は自慢の物だと言いたげに大皿をテーブルにドン!と置いた。

「はい!日本食代表アノマロカリスの丸焼きです!!」
「日本食じゃねぇーーー!!
てか古代生物ゥーー!!」

朝食のインパクトにさっき
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